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【なろうラジオ大賞4】

神社に居るポーカーフェイスの巫女は、おふだを作る天才だった

作者: 桜橋あかね

高校生の僕は夏休みのある日、とある島へ出掛けていた。

……その島というものは、『真瀬井(ませい)島』と呼ばれるところ。


そこは、島全体が『真瀬井神社』の敷地となっている。

大学進学の願掛けとおふだを貰おうと、行ってみようと思ったのだ。


▫▫▫


島へと向かう船が、港にやって来た。

船に乗って、出港する。


「久しぶりじゃんね、神社への参拝者は」

船長のおじさんが、そう言う。


「え、そうなんですか?」


「そうじゃ。昔は結構来てたんじゃが、ここ数年は年に10人行けば良いもんじゃ……僻地(へきち)の神社の定め、じゃんかねぇ」


出港してから、約20分で真瀬井島……もとい、真瀬井神社へ着いた。


「んだば、待っとるからなぁ」

そうおじさんが言う。


「……貴方様が、今回の参拝者ですか?」


ふと女性の声が聞こえたので、僕は振り向く。

そこには、巫女の姿をした人が居る。


「は、はい。そうです」

僕が返すと、彼女は表情変えずに頷く。


「わたくし、真瀬井神社の巫女である娃谷(あたに)しずくと申します。神社へ案内しましょう」


そういうと、しずくは神社の中へ入っていく。

僕は着いてく。


「あの、娃谷さん」

道中、僕が言うと彼女は振り返る。


「なんでしょう」


「あの、何て言うか……表情変えないなって、思いまして。あ、いや……別に悪いとかそういう……」

しどろもどろになりながらも、僕はそう言う。


「実は、決まり事なのです。真瀬井神社の巫女になる者は、表情は変えるな……と」


「特異な決まり、ですね」

僕が返すと、しずくは頷く。


そうこうしていると、本殿の方へ着いたみたいだ。


「確か、進学祈願の願掛けとおふだが欲しい……でしたか」

しずくがそう言う。


「はい、そうです」


「……それでは、この本殿に祈りを捧げてください。その間に、おふだを用意します」


しずくは建物の奥へ入っていく。

本殿に、『祈願の手順』という札があり、僕はそれにそって祈願する。

……手順は複雑で、5分掛かって終わった。


その間に、しずくが戻ってきた。

手には、手作りのおふだを持っている。


「見たことのないおふだ……ですね」

そのおふだを手に取った僕は、そう言う。

文字が書かれているが、全体的に絵に見える不思議な札だ。


「ここでしか、手に入れられないおふだです。きっと、貴方様の未来を切り開いていくことでしょう」


▫▫▫


それからと言うもの、僕は大学受験をした。

結果は、一発合格だ。


他にも、恋人が出来たり、有名企業に就職など良い事尽くしだ。


あの巫女は、天才だ。

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