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③相互理解の方法

質問者:第3部に入りました。具体的な解決方法があるということですが。まずは、ここまでのまとめを少しお願いします。


筆者:まず第1部では世界としての構造の問題があるということを解説させてもらいました。

そして第2部では”人間らしさ”が戦争や争いを起こしているのではないかという問題です。特に指導者は人々の“好き”と言う感情を刺激し、ナショナリズムとして昇華させることで国民に対して戦争を起こさせることを“追認”させるのです。


質問者:ということはナショナリズムが悪いということでよろしいのでしょうか?


筆者:これも非常に難しい問題です。確かにナショナリズムを刺激することによって戦争は起きているのですが、その思想そのものが間違っているわけでは無いと思うのです。

 第2部でも話しましたが“好き”と言う感情が間違っているわけでは無いのと同じですね。結局のところ上に立つ人間が“使い方”を間違っているに過ぎない訳です。

 自分の生まれ育った国や地域を好きなのは当たり前の感情ですしそれを否定することはナンセンスだと思うんですよね。


質問者:なるほど。自動車事故が起きているからと言って自動車を使うのを辞めない。事故を起こした運転者の責任というのと同じようなことですかね?


筆者:その通りです。ナショナリズムを利用している指導者次第ということになります。ナショナリズムを批判する方々はその点を少し履き違えてしまっているように思えますね。

 ただ世の中には“誰が扱っても悪い考え方”と言うのがありますからね。例えば、『自分に逆らうものは皆〇し』とかそういう考え方です。

ナショナリズムを利用した指導者がそう言う極端な発想を持っていたがために“ナショナリズムも悪い”みたいな感じになっているんだと思います。



質問者:では第3部の本題として入らせてもらいます。具体的にどうすれば人間の感情と闘争してしまう心の折り合いをつけていけばいいのでしょうか?


筆者:まぁ、凄く簡単にありふれた言葉を使うのならば『相互理解』です。


質問者:それができるなら苦労しませんよ! できないからみんな困っているんです!(バンッ!)


筆者:お、落ち着いてください。どういう考え方をすればいいのか説明しましょう。

 ちなみに僕はかつて学生時代では弁が立つ方だったので相手を論破することに快感を覚えていました。中でも相手を自分の理論に屈服させて悔しそうな顔をしている姿を見るのがたまらなく好きでしたね。


質問者:えぇ……(ドン引き)。


筆者:子供の頃は弁論系では常勝無敗でしたね。ですが、僕はある時から気づいたんです。孤立してるなと(笑)。全く友達がいないわけでは無かったのですが、何だか勝ち続けているのに虚しい気分になって来たんです……。『ピュロスの勝利』という言葉がありますが得る物が少なすぎる感じは、まさしくそんな感じでした(笑)。


質問者:そりゃ、誰もそんな人に近づきたくないですよ……。論破されるのではないかと思いますからね。


筆者:そこでふと気づいたのは“相手も好きと言う感情”があり、“譲れないライン”と言うのがあるということです。僕は強引に捻じ伏せて高笑いをしていたのですが、それでは永遠に良好な関係を気づけないのだと分かりました。まぁ、気づいてみてしまえば当たり前のことですがね(笑)。



 相互理解の方法① 北風と太陽の『太陽』になる

質問者:それではどうしたら“相手の好きと言う感情“と折り合いを付ければいいのでしょうかね? そもそも自分の”好き“と言う感情とどう向き合えばいいのでしょうか?


筆者:自分の“好き”と言う感情は“相手に迷惑をかけない限り“自由にしていていいと思いますよ。ただし、相手が『ツマラ無さそうにしているな』と思ったらすかさず主張をやめるべきです。


 自分と相手の双方にとってwin-winになる協力関係が理想ですよね。一番いけないのは“相手が間違っているから直してやろう”と思って自分の考えを押し付けることです。

 個人同士の争いはそういった“押し付け”と言うのが大きく占めますからね。抗争が生まれちゃった時点でもう相手が聞いてくれる可能性はほとんど無いので、最悪でも起きる寸前で自ら引くべきです。

 特に接続詞で「でも」や「だって」とかが相手から出てきたら危険なサインだと僕は思います。僕は良く使っていましたが(笑)。


質問者:なるほど……確かに人間って自己決定権を奪われるのが嫌だって言いますしね。友達や家族、大切な人が倫理的・社会的に間違っている方向に行くのを諭すにはどうしたらいいでしょうか?


筆者:うーん、それは難しいですけど、『こういう考え方もあるらしいよ』と情報だけ与えて放置すれば”本当にいい事“なら相手は時間が経てば気づいてくれるはずだと思います。


質問者:えー、それだと時間がかかりますよね。


筆者:無理やりでも変えようとするなら逆に深刻な亀裂が生じますからね。奥の手は『あなたがそう言う考え方になってしまうと私は悲しい』と伝えることです。真摯に伝えてくれれば自分に言うとおりに聞かせることも可能かもしれません。ただし、使い過ぎると効果を無くすので本当に“奥の手”だと思って下さい。


質問者:確かに、“悲しい”と連呼されても困りますよね……。分かりました“どうしても”という時だけに使います。



 相互理解の方法② 相手から勝手に怒ってきた場合は笑顔で正直に伝える

質問者:ところで相手が理不尽にも怒ってきたり、“好きを侵害してきた”場合はどうしましょう。特に自分に責任が無い場合なんかは困ってしまうのですが……


筆者:そうですね。ちょっと不快に思っても反論するのではなく、『フフフ、あまりそれは好きじゃないな~』と笑顔で言うのが良いと思いますよ。


質問者:え……ハッキリ伝えてもいいのですか!? 私は大抵我慢していたのですが……。


筆者:いえ、むしろ穏便にではありますが伝えたほうが良いです。そうしなければ相手からの攻撃は顔を合わせるたびに“継続的”に行われる可能性が高いですからね。伝えることで心ある相手なら『あ、このことはこれ以上は触れないほうが良いんだな』と言うことが分かってくれます。


怒って言い返すと関係性が崩壊しますから『笑顔で穏便に』ここが一番大事です。



相互理解の方法③ 相手を怒りそうになった場合は自分が相手の立場ならどうなのか考える

筆者:僕は基本的には感情は“嬉しい”と“楽しい“以外の気持ちはあまり出さないようにしていますね。『薬物やってるんじゃないか?』とかネタにされることすらありますけど、お酒も飲まないですし常に素面です(笑)。


質問者:あの、部下がミスをしてしまったりすると思わず怒ってしまうことがあるのですが……。


筆者:それもあまり良くありませんね。道徳的・倫理的に問題がある場合ならば話は変わってきますが、基本的に怒らないほうが良いです。


ちょっと深呼吸をして、『自分が相手の状況ならその気持ちにならないか?』 と言う風に考えます。

部下との話ですと、自分がそのミスをしたことが無かったか? などと考えてあげて寄り添うことが重要です。一緒に再発防止について考えてあげればなお良いです。


怒鳴れば「はい、分かりました」と立場上は部下も答えてくれるとは思いますが、内心は「こんちきしょう!」と思って心が離れていっているに違いないです。


質問者:今度からそうします……。まずは仲直りするために食事に誘ってあげようと思います。


筆者:そのほうが良いでしょうね。「相手を傷つけないようにしよう」と思えるだけで、個々人の争いは少なくとも防げるのだと思います。思わず相手を傷つけるようなことを言ってしまって「あ、しまった」と思ったらすぐに謝ることも大事ですね。北風と太陽の「太陽」のような感じのイメージで相手と接することが全体的に大事だと思いますね。

第3部があまりにも長すぎたので分割しました。

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