1/1
プロローグ 挨殺
その日の私はおかしかった。
クラスメイト全員に馬鹿にされたように笑われたのが、ストッパーを外してしまった原因である。
私はクラスメイトを手当たり次第に暴力を振るった。
軽症のクラスメイトでも全治二週間。
だが、不思議なことに死傷者はゼロ。
殺しかけはしたが、その度に母の顔が浮かんだのだ。
私はヤクザの子供だ。
両親からは、堅気の人には手を出さないように言われていた。
その日から、私の世界は一変する。
周りから白い目で見られ、近寄る人間もいなくなった。
そんなある日、私にある話が舞い込んできた。
「あなたのような人間に相応しい場所がある。興味があるならついてきてほしいと」
この男の頭はイカれている、そう感じた。
堅気の人間と雰囲気や目付きが違った。
しかし、何故だろう、とても興味が引かれた。
男についていくと、町外れの廃工場に招かれた。
エレベーターに乗り、地下へ。
男は語る。この世界では、主催者の指定する場所で、殺し合いが開催されていると。
「だから貴女も参加してみませんか?」
と。