大きなかンぶ(すったげver.)
むかしむかし、ある畑に大きなかぶ(750kg)が生えていました。
ある日、畑の持ち主である『おじいさん』が、かぶを抜こうとしましたが かぶが大きすぎて抜けてきません。
「うんぽこしょ、どっこいしょ。」
それでもかぶは抜けません。
そこで、おじいさんは『おばあさん』を呼んできて、一緒に抜く事にしました。
「うんぽこしょ、どっこいしょ。」
それでもかぶは抜けません。
「うんぽこしょ、どっこいしょ。」
これだけの大きなかぶ(750kg)です。助けを呼ばずにどうやって抜こうというのでしょうか。それでも二人は踏ん張ります。
「うんぽこしょ、どっこいしょ。」
そもそも掛け声が変だということに気がついていません。けれども二人はがんばり続けます。
「うんぽこしょ、どっこいしょ。」
すると、おじいさんがモジモジし始めました。
「なんだかおなかがぽこぽこしてきたよ。」
そう言っておじいさんはトイレに行ってしまいました。そこでおばあさんは一人でかぶを抜こうとします。
「うんぽこしょ、どっこいしょ。」
もはや掛け声が変なことなどどうでもよくなっています。
「うんぽこしょ…どっこいしょ!!!!」
すると、大きなかぶがスポンと抜けてきました。二人でも抜けなかったかぶが、おばあさん一人の力で すっぽ抜けて飛んでいきました。なぜ、おばあさんだけでかぶを抜くことができたのでしょうか。
なんと、おじいさんはかぶをひっぱらないで押していたのです。それでは二人でいくらがんばっても抜けるはずがありません。
そこへ、長いトイレからおじいさんが帰ってきました。かぶがすっぽ抜けているのを見ると、あわてておばあさんのところへ走ってきてさけびました。
「おめ、なしておいのかンぶ勝手に抜いでらぁずや!!!!」
と、人に助けを頼んでおきながらずいぶん身勝手なことを言っています。
そんなおじいさんをほっといて、おばあさんはかぶを持って家に帰り、とてもおいしいかぶのスープを作りました。
おじいさんは、そのスープをとうぜん食べさせてはもらえませんでした。
おわり。
登場人物
おじいさん…という名前の35さいのわがままな人。
おばあさん…という名前の30さいの怪力の人。料理人。
※どちらも男の人。