第3話 手から火が出ただけ
右手の甲に【火】の文字が浮かび上がりました
火?そういえば、体の周りに赤い蒸気みたいなのが見えるし俺の体はどうなったんだ?
隕石の影響か?
もしかして【火】が出せるのか?
右手から【火】を出すイメージをし力を入れる…
ボンッ
出た‼︎‼︎めっちゃ火が出た‼︎
ベッド燃えた、やばい消えない、どうしよう…
慌てていると天井に付いていたスプリンクラーから水が出てきた
ザザザザー
ベッドの火が消えた
やばい、怒られる…
キキキキー
警報器が鳴り響いていた
病室にヒトが集まってくる
びしょ濡れになった俺
小鳥が爆笑していた「花火から花火が出たw」
「…」
何とも言えない感情になる
「大丈夫ですか?」
騒ぎに駆けつけたナースさんが聞いてきた
「大丈夫です」
慌てて返事をする
ザワザワ
なぜ急にベッドが燃えたのかと周りのナースさん達が調べはじめたが、俺が「手から火が出たんだ」と言っても信じてもらえない気がしたので、黙っている事にした
しばらくしてベッドが燃えた原因はコンセントの接触不良による発火という事になった
新しいベッドと交換してもらい掃除が終わると病室からナースさん達が部屋から出て行った
本当にごめんなさい
心の中でナースの皆さんに何度も謝った
今日は大人しく寝る事にしよう
次の日、病院で簡単な検査を済ませて退院した
家に帰る前に昨日の現象が何だったのか検証したくなった
海の近くの広場にきた
周りに誰もいない事を確認した
ここなら昨日みたいに【火】を出しても火事にならないな
ブワー
赤い蒸気のようなものは体に力を入れると出るらしい
昨日と同じように【火】を出すイメージをし力を入れる
ボンッ
出た‼︎
どうやら昨日のは夢じゃないらしい
今度は全力で【火】を出してみる
ブオンッ
直径3メートルくらいの〝火球〟が出た
今のが俺の手から出たのか??
「ハァッハァッハァッ」
全力で〝火球〟を出すと物凄い倦怠感がきた
立っているのがやっとなくらいだ
しばらく休憩した後、もう一度やってみよう
そろそろ行けそうだな…
ブオンッ
何度かやってみたが直径3メートルくらいが限界らしい
全力で〝火球〟を出すとかなりの疲労感があり次の〝火球〟を出すまでに10分くらいの休憩が必要になる事がわかった
あとは隕石の影響で筋肉質な体になっていて身体能力がかなり上がっている事がわかった
その場でジャンプしてみると3メートルくらい飛んでいた
オリンピック選手よりすごくないか…
というか俺はもう人間じゃないんじゃないか⁈とさえ思い始めていた
これ能力がバレて捕まったら人体実験とかされそうだな…
急に変な汗が出てきた…
バレないうちに帰ろうと思い家に向かおうと思った…
その時、背後から声がした‼︎
「やはり覚醒者だったか」
そこには昨日の刑事さんが立っていた‼︎