第2話 集中したいだけ
妹の幽霊の小鳥に言われて隕石落下現場を見に行ったが気がつくと病院のベッドで目が覚めた
目が覚めて10分くらいすると母さんと父さんが慌てて病室に入ってきた
母さんが心配そうな表情で「大丈夫?」「痛いところない?」と聞いてきた
俺は少し頭が痛かったがこのくらいなら大丈夫だろうと思い「大丈夫」と答えた
心配をかけさせたようだ
反省しています
父さんが「なぜ隕石が落下した所なんかにいたんだ?」と怒りながら聞いて来た
俺はどう答えたらいいか考えていると小鳥が父さんの後ろで変顔をしている
お前のせいだぞ‼︎と心の中で叫んだ
小鳥が見えて声が聞こえるのは俺だけだ
父さんが俺を睨み付けている
何の言い訳も出来ない俺は一言
「ごめんなさい」と謝った
重たい空気の中、病室のドアにノックが
コンコンコン…
母さんが「どうぞ」と言うと
病室にスーツを着たヒトが2人入ってきた
「私達はこういう者です」と2人が名刺を渡してきた
名刺を見てみると愛知県名古屋中央警察署特別捜査官、特殊犯罪係、警部、古厨時臣と警部補、鳴海雷太と書かれていた
刑事さん?俺は捕まるのか?と緊張していると…
刑事さんが「隕石の付近で何か変わった事はありませんでしたか?」と聞いて来た
変わった事?
赤い石に触った時の何かが入り込んで来た事か?
めんどくさい事になりそうだなと考えた俺は「特に何も」と答える
刑事さんが「そうですか…何かあれば連絡下さい」
と言って部屋から出て行った
案外あっさり帰ってくれたな
フゥーーー
俺は大きく深呼吸した
父がまだ俺を睨んでいる
しばらくすると父が「MRI検査で問題なかったから大丈夫だと思うが今日はとりあえず入院しなさい」と言ってきた
ここの病院は父が勤務している総合病院である
息子の無事を確認した両親は安心した様子だった
「何かあったら連絡するのよ」と母さんが言い
母さんと父さんが部屋から帰って行った
小鳥が笑いながら「捕まらなくて良かったねw」
と言ってきた
「お前のせいだからな」
小鳥とは心の声で会話出来るので口から声を出す必要はないが今回は大きな声が出た
刑事さんが何かあったらって言ってたけど俺の他にも同じ事が起きたヒトがいるのか?
ウーン
いろいろ考えていると体から蒸気のような物が溢れている事に気付いた
ブワー
何だこれ??
そういえば体が物凄く軽い気がするし…
右手が少し痒い感じがあるなと思い右手を見てみると、手の甲に【火】の文字が浮かんでいた…