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計一時間のシンデレラ  作者: 浅葱玲奈
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マスクの君と

 その日僕は、天使を見たと思った。


 音楽を聴きながら風に揺れる黒い髪。それより何より、マスク越しでもわかる子供の様な笑顔で楽しそうにブランコに乗っていたのが印象的だった。


 俺の通っている近くの高校と制服が異なっていたので、恐らく電車に乗って行っているのだろう。朝が弱い俺としては尊敬しかない。


 彼女が付けているピンクのイヤホンのコードはポケットにつながっており、何を聞いているのかは不明。


 冬休み前、最後の日。


 終業式で早く終わった日の午後12時、公園の出来事だ。


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