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ネズミの国

作者: 秋山 そら

蒸し暑い夢だった。汗の中には黒いものが流れていた。男は砂漠を歩いていた。

空には無数の風船が浮かんでいた。

男は歩いては歩いては汗を流し続けた。

きっと凡人と偉人には何の違いもないのだろうと男は思った。

黄色い風が嵐へと変化していった。

空は青く上空には風船が愉快に踊っているのに下は嵐だった。

男は足元に一匹のネズミを見つけた。ネズミは小さい体を必死に走らせ男の肩に乗った。

男はネズミと親友になった。

ネズミは男に「砂の中には何があるかわかるか」と聞いた。

男は言った。「何もないさ、砂が無数にあるのみさ」

「じゃあ、俺はどこから来たと思う」ネズミは笑った。

男は無言でネズミと握手をした。

砂漠の嵐は静まり、西には夕日が沈んでいた。

夕日は男の顔を赤く染めた。

ネズミは男を砂の中へと連れて行った。

男はネズミの住む国へときた。そこには大勢のネズミがいた。

男はネズミと暮らすことにした。

徐々にネズミの国の言葉を男は喋るようになっていった。

男は同じように自分の国の言葉を忘れていった。

自国の言葉を思い出せなくなっていった男の体は徐々にネズミのようになっていった。

男の姿は完全にネズミへと変化した。

灰色のネズミは黄色の風船を砂漠から空へと飛ばした。

男はねずみの中では唯一灰色だった。ほかのネズミは茶色が多い。

空に浮かぶ風船の中で黄色はその一つだった。



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