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弓使いが魔法を覚えたら  作者: 肝臓の支配者(ノンアルコールマスター)
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魔法はこう使う

最後に少し汚い話が出てきます



ギルド地下修練場には沢山の冒険者とおもわしき人たちが自己鍛錬に励んでいた。

ギルドの地下には縦500m横300mの長方形の広さがあり、天井まで10mの高さがある。それに加えて使用者が一定の魔力を魔硬石に注ぐことで修練場全体の硬度を高めることができる。よって、修練場を使うものたちは結構な無茶ができるようになっている。


俺は修練場の入り口横でマグレーガンに魔法講義を受けている。


「ではレンに聞くけど魔法つかえる?」

「いや全く……ただ父親に魔力の扱い方だけは習った。」

「そうか、じゃあちょっとやって見せてくれるかな?」


「わかった」と言って俺はいつも朝の体操と共にやっている魔力の循環から始まり、魔力を右手に凝縮したり、それを左手でやったり色々な部位で行った。最後に手のひらを合わせて平と平の間に魔力を玉のように作ってそれを一気に体内に戻すということをやって見せた。

いつもの習慣をやった結果魔略操作についてはスムーズに終わった。そうしてマグレーガンを見ると少し驚いた顔をしてこう言われた。


「やるなぁ、なかなか高度な技術も持っているみたいでお父さんにはいい教え方をされたみたいだね。じゃあ次は僕の番だね。」


俺が褒められたことよりエドワードさんのことを褒めらて少し嬉しかった。

その余韻に少し使ってると目の前を魔力の玉が高速で通り過ぎた。


「さっきレンがやったみたいに魔力を動かしてるだけなんだけど、速さを変えたり、動きを複雑化させたり、玉の大きさや形を変えたりとまだまだ努力の仕様があることがこれを見て分かったかな?結構難しいんだよねこれ。」


そうしてエドワードの言葉を聞いてると、目の前の拳大の玉が人の頭ほどの大きさになり高速でエドワードの周りを回り出したり、次の瞬間にはちょうちょ型の魔力がフヨフヨとエドワードの周りを上下運動しながら回ってた。


「すげ〜な!俺にもできるかなぁ!」

「魔法は基本的に自分の思い込みとイメージが大事だと言われてるんだ。魔法を初めて使った人が言うには、『初めて龍を見た時のことが頭から離れなくなって、炎の揺らめきがそれに似てたから頑張ったんだ』と言われてるくらいには頑張らないといけないみたいだけど、その人は絶対できると思って魔法を使ったみたいだよ。

それからその人は色々と思い込むことで火の玉だったり地面から土の壁を出したりしてるうちに『魔法の祖先』と言われるようになって今の魔法が当たり前な世の中になったそうだよ。

魔法もどんどん発展してるからね、いろんな魔法を使う人が出てきてる。でもその人たちは忘れてるんだ明確なイメージをね。やりたいことをできると思い込むことはとても大事だけど明確なイメージが伴ってないと50%の力しか出てないんだ。

その2つを忘れないようにすれば君はなんでもできると思うよ」


途中で話が脱線しかけたけど、ようは思い込むとイメージをいい感じに使わないと魔法を100%の力で使うことはできないと言うことか。


「やってみるよ」


一言だけマグレーガンに言って手を前に出して目を瞑る。

俺は火の玉を出せる火の玉を出せる火の玉を出せる火の玉を出せる火の玉を出せる火の玉を出せる火の玉を出せる。

イメージは転移前にテレビで見た太陽の映像。太陽の縮小版をこの手に!

ズワっと手のひらから何かが出て行く、魔力操作をしてる時とも違う感覚に瞑っていた目を開けるとそこには火の玉と言うよりは溶岩のようにドロっとしてるけど熱量の無い赤い玉があった。


「レン!!凄いけどそれを早く消してくれ!熱い!」


俺は少し感動をしてたけどマグレーガンの言葉ですぐに消した。

ここで疑問が1つ。


「俺全く熱くなかったんだけど?熱かった?」

「魔法を使った人のことを術者って言うんだけど、術者にはその魔法の効果は無いんだ。いや、もちろん効果を術者にも与えようと思えば術者自身が思い込めば出来るんだけど何もしなければ基本的には術者に効果は無いんだ。

だからさっき君が作った赤い玉。多分火の玉だと思うんだけどアレが君には熱くなかったわけで、周りにいた僕にはすごく熱く感じたってわけさ」

「なるほどね、しかし魔法ってすごいな!もっと教えてくれよ!」

「でも君に教えることはもう無いよ?」

「は?もっとあるだろ?えげつない攻撃魔法とかさ!」

「そう言うのを習いたいんだったら別のもっとちゃんとした先生をつけなよ。僕はそっちは専門じゃ無いからね。それに攻撃魔法なんてものは使わないに越したことはないんだよ。人を助ける回復魔法ならまだしもね。まぁ回復魔法使えるやつなんて世界に数人いたらいい方なんだけどな…」


そういえば俺ジョブに回復魔法士って言うのあったなぁと思い言おうとするとそんな衝撃的な事実を言われた。


「は?回復魔法使えるやついないの?病気とか怪我したらどうするんだ?」

「その時は教会に行って神に祝福をもらうしかないね」

「神に祝福をもらうって何だよ!?」

「そのままの意味だよ!神の前で祝福を貰えないと怪我や病気が治ることはあり得ないよ。そんなことも知らなかったのかい?」


マグレーガンが疑わしげな目で俺に聞いてくると俺はそういう家だったから知らなかったと強引に話を断ち切った。


「じゃ、じゃああんたの魔法って他にどんなんがあるんだ?見せてくれよ」

「うん?いいよ!金貨3枚ぶんの働きはしようじゃないか。」


炎の馬を作っては修練場内を駆けさせ、氷の城を作ったり、風の玉を足元で爆発させて自分を浮かせたりとマグレーガンって意外と凄かった。


そうやって最後に氷の花火を打ち上げて煌びやかに魔法の披露を終わらせたマグレーガンに俺だけでなく修練場にいた冒険者からも拍手が送られた。


「いやぁ恥ずかしいからそろそろやめてくれないかなぁ」

「正直凄かったよ!見直したね」

「じゃあ酒場でまた奢ってくれよ」

「それはまた別の話だろ!」


そんな話をマグレーガンとしてその場はお開きになった。ギルドを出るといい感じの時間になってたから宿に帰った。



翌日、朝の習慣を終えて俺は森に入り昨日マグレーガンが使っていた魔法や自分のしたい事を魔法で発現できないか試してみた……


「むっずいねん!!」


マグレーガンのやっていた魔法の技術力の高さに脱帽だ。

俺はとりあえず魔法を切り上げてウサギを狩りにいった。


それから数時間後俺はホクホク笑顔で魔法の修練をしていた。ウサギ5羽と珍しく熊を1頭狩ることが出来た。さらに魔法の腕前も上がっていて、何とか炎の馬を作ることが出来た。姿形は完全にマグレーガンと同じやつが出来たのだがまだ完全にあの動きはできない。うぅむぅ。

まぁでも結果的にいい一日だったと思いギルドに清算しにいった……んだけど。


「おっ、今日2回目とは初めてだな!これは運命かもしれんな!どうだ、旅に行かな、ぐふぁ」


心底鬱陶しい奴と出会った。

ガイルの野郎がギルドに入ってきた俺にこえをかけてきた。

馴れ馴れしくも肩を組んで来やがったからわき腹にボディブローを打ち込んでやったらダウンした。ざまぁ。


「「「あんたガイルになにすんのよぉぁぁ」」」


あぁまたキャンキャン吠える雌どもがうるさい。

こいつらほんと取り巻きであって仲間とは思えないんだよな。いちいちガイルの下っ端感が凄いする。マグレーガンにこいつら追い払える魔法を教えてもらっとけばよかった。

そこまで思い、ふと考えた。

出来るんじゃね?と。

どうやら俺には暫定的に火・水・風の適性があることがわかってるから水属性を使えばどうにかこいつらを撃退することができるんじゃないかと考えた。

ただ今このギルドのほとんどの人間の目がある中で魔法を使えば1発で誰が使ったかバレる。魔法を出すと淡い光とともに魔力の残光が使用者から漂うからだ。

俺は考えた結果残っていたポイントを使ってある能力を取ることにした。

ポイント振り分けの時に取ろうかどうか迷っていた内の1つだ。

俺がそれの操作を頭の中でしてる時に3人衆が俺に詰め寄って来てた。急ぎで能力を取り合えると早速魔法を使った。


結果を見れば、3人衆は下痢を漏らして床に座り込んで呆然とした。

新しく取得した『エフェクト無効』で水魔法を発動。魔法発動のエフェクトを無くし3人衆のケツの穴にぶち込んだ。

大量の水のを一気にケツにぶち込まれ尻は広がり、体内で強制的に緩くなった糞は一気に噴出した。


ただ偶然にも俺の服に3人衆の糞が跳ね返ってきた事にはさすがに怒れなかった。

それでも言わずにいられなかった。

笑いながら


「おいおい、勘弁してくれよぉ。どこで糞漏らしてんだよ、しかもそれを人にかけるとか人としておわってんな!」


呆然としていた3人は顔を隠しながら立ち上がるとギルドを出ていった。

ガイルは3人衆に声をかけることが出来ずに出口の方に横腹を抑えながら手を伸ばすことしかできてなかった。


ここ最近のこいつらに対しての憤りが一気に晴れていって爽やかな気分になった。まるで溜まっていた糞を放出したような晴れやかさだった。


俺は服についた糞を水魔法で洗い流すと受付に行きウサギと熊の清算をして宿に帰った。






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