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モブのままでは終われない!  作者: とんけ
第3章:モブのゲシュタルト崩壊
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僕達の物語はまだまだこれからだ!

 僕はすぐに目を覚まし、ともこちゃんと一緒にしばらく獣人の国に避難させてもらった。

 最初はナイスバディになったともこちゃんに戸惑ってばかりたったが、一カ月がたった今は大分慣れてきた。城に残ったみんなは復興のために色々頑張っているらしい。和田君達は指名手配されてたみたいだけど、神宮寺君達が誤解を解いてなんとかやっているようだ。


 「パパ。どうしたの?」

 「いや、みんなから手紙が来ててね」

 「私にも見せて」


 流石に直接ここまでくるには注意を引いてしまうということで僕達は手紙をやりとりしている。


 ともこちゃんが魔王に覚醒した際に世界中に魔力が減少したおかげで魔物の被害は多きく減ったらしい。だから勇者だった神宮寺君達も今では前の僕達と同じでただの住人として生活しているようだ。まぁ、ただのとはいっても僕達より大分待遇は良いようだけど。勇者組が町に在中するようになったおかげで、葛城君と東堂さんの戦いもヒートアップしているらしい。あ、それと飯室君達は国中のニートを手中に収めて何かしらをたくらんでいるようだ。あまりへんなことをしなければいいのだけれど。林君は図書館で相変わらずラブコメをやっているらしい。三上さんは国中のマスコットとして疲れた心を癒しているようだ。和田君はまた鉄壁のペリルギの皆さんと冒険者をしているらしいが、魔物が減った影響で全然仕事がないんだとか。

 ペロンギさんは・・・・。はぁ、ペロンギさんに会えないのが寂しいな。結構親しくなれてきたと思ってたのに。また距離ができちゃったかもな。



 「みんなも元気にやってるんだね。本当は私も手伝うべきなんだろうけど・・・・」

 「それはしょうがないよ。さすがにまだ手を取り合って仲良くはできない。少しずづ頑張って行こう」

 「うん、そうだね。あせらないで頑張る」

 「あの時の光で負傷者の傷がみんなよくなったっていうし、あとは町を復興させるだけだしさ」


 黒い球がはじける瞬間にあふれだした光が、戦闘で負傷した人達を一気に治したのである。それこそ死んだ人たちも含めてである。そんな奇跡はピッピのしずくでも不可能だし、もちろん涼宮さんの杖でも死者を蘇生させることはできない。ともこちゃんの可能性を感じた瞬間だった。

 あの戦いでの負傷した人がいなくなったおかげでともこちゃんの心の枷が一気に軽くなってくれたのが良かった。言葉ではいくら大丈夫とは言っても、人を大勢殺したままだったらずっと心に痛みを抱えていくことになっていたかもしれない。まぁ、みんなが治ったからといってやったことがゼロになるわけではないのだけれど、それでもいくらかはましになったと思う。


 「じゃあ、今日も行こう!」

 「そうだね。行こうか」


 罪滅ぼしとして、僕達はこっそり町にでかけて困っている人を助けている。

 巷では風来の聖女様と呼ばれて始めているらしい。魔王とは正反対のイメージだし、多少は噂がひろまっても大丈夫なはず。大丈夫だよな?


 「早く行こう」

 「わかったよ」


 しかし、ペロンギさんを助けようと決めてから本当に一気に色々なことがあったな。ピッピのしずくを求めて森をさまよって、ともこちゃんやタッタさんと会って、ケルベロスと戦って目が見えなくなったり。戻ってきたと思ったらすぐにともこちゃんがさらわれて、また冒険に出かけて。

 今はようやく落ち着いてきたと思う。


 これからどうなるかまだまだ不安なことはたくさんある。元の世界の帰り方もまだわからないしね。でもなんとかやっていける気がする。

 あの日、ペロンギさんを助けると決めてから僕はどんなことでもできるようになったんだ。自分がしっかりとした意志をもてばこの世に叶わないことなんてない。だから僕はこれからどんな困難に見舞われてもやっていける。そう思うんだ。





~完~

 

ここまで読んで頂いてありがとうございました。

皆さまのひまつぶしになれたら嬉しいです。


多分この後書きまでたどり着いた人は相当稀有な人間ですよ笑。

本当にありがとうございました。

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