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ー香倉の小説ー

Dear : 私の元彼様。

作者: ユキノシタ


私の彼氏は女子からの評判はよろしくない。


……っていうか、むしろ最悪。


無愛想だとか、怖いとか、無口だとか、無表情だとか。何も知らないくせに、ぐちぐちと言っちゃってくれる訳ですよ。


本当は全然そんなことなくて、楽しかったら声あげて笑うし、意外とビビリだし、口数は、まぁ少ないけど……でも怒ったり、泣いたりだってする。


あいつはロボットなんかじゃない。


そんなことを知らない女子たちは、そいつの彼女であるとも知らないで、私にボロクソ言ってくれる。


「へー」「ふーん」しか、私は返さない。


怒ってやりたいよ!? でもさ、彼はそれを望んでないんだよ。


「勝手に言わせてればいいよ」って。


だから、私も口で怒らない。心では怒りMaxだけどね。









































でも、今だったら分かるよ。

君が私のために言ってくれてたんだって。

嫌われてる奴の彼女って分かったら、私は仲間外れにされてたかもしれなかったってこと。


































そんな、いつも文句言っちゃってくれてる女子たちは、私が彼女だって分かった途端に手のひら返し。


今まで文句ばっかり言っていた口で、今度はべた褒めですよ。意外とかっこいいとか、無愛想さがいいとか、面白いとか、頭いいとか。


意外とじゃないくて、普通にかっこいいんだけど!

それに無愛想じゃないんだってば!


「手、繋ぐ?」って言ってくれた時、照れてこっち横目でしか見てくれなかったもん。


それに、はっきり言って面白くはない。


ただ、楽しませてくれようとしてるのは すっごく伝わってくるんだ。たまにギャグとか言ったりしてさ、滑った後の照れた顔が可愛いの。


頭は私よりか良いけど、普通だよ? 中の中あたりだよ? それを頭良く感じるあなた達は、よっぽどのお馬鹿さんなんだね。


………とか、たくさん言ってやりたいけど、言わない。絶対に言ってやらない。


だって、言って好きになられたら困るもん。
































今も、あの時の判断を悔やんだことはないよ。

だって、あの後から君への告白が増えたんだもの。

言わなくても君の良いところを知っちゃったんだね。

















































そんな彼は男子には大人気でさ。

男子からの悪口は一回も聞いたことがない。

彼自身が悪口を言わないってのも、良いところの一つなんだろうと思う。


こんな悪口だけの世界で、悪口を言わずに生きていけるのは凄いよ、ほんと。







































今でも尊敬しているんだよ。

同性から好かれることは、異性から好かれることよりも難しいと実感したから…。


































君と遊んだ時、君からの一言、君からのプレゼント………君との思い出を振り返ると



「今の私だったら、こうするのに」



って思うんだよ。


だけど、君は過去の私好きになったんだよね。







































だからさ。

今の君へ伝えたいんだ。






































































「今の私は駄目ですか?」





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