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君のためにできること

「試してみたいことがあるの」


 学校の帰り道。

 右には車道、左には田んぼというノスタルジックとは言い切れない光景の中、緩が切り出した。


「何が?」


 隣を歩く勝八は、上半身を丸め覗き込むように彼女を見る。

 自身の背筋がきちんと伸びていない原因は、3割ほど緩との身長差が担っていると勝八は考えていた。

 背後から自転車が来て冷やかされることもあるので、さりげなく後方を確認できるこの姿勢は色々と便利だ。


「勇者さんと周りの、認識のズレのこと」


 などと思いを巡らせボケッとしている勝八の耳に、緩の呟きが潜り込んでくる。


「あー、あれなー」


 得意の生返事をする勝八。

 緩も慣れたもので、彼の脳がその話題に追いつくまで間を置いてから話を再開した。


「最初は他の人が見えてるように勇者さんの性格を矯正しようと思ったんだけど、それは可哀相だし……」


「ふむ……」


 第一案は要するに、あのアホ勇者がクールでニヒルな性格に突然変わるということか。

 奴なら別に良いかと思わないでもないが、自分がそうなったらと思うと勝八も確かに良い気はしない。


「だから逆に、周りの人が今の勇者さんの姿をちゃんと見られるようになれば良いんじゃないかなって思ったの」


 腕組をした勝八が一応納得の気配を見せたので、緩は話を進める。

 

「できるのか?」


「多分……私の設定から、勇者さんの性格を書いた部分を消せばそうなるんじゃないかなって」


 後ろからチリンチリンと来たので勝八が緩の背後にまわって尋ねると、彼女は不安そうに首を廻らせて答えた。 


「なるほど」


 今の人々は、「勇者はクールでカッコイイ」という緩の設定に引っ張られ勇者を崇拝している形だ。

 ならば、その設定が消えれば人々の認識は個々の判断に委ねられるのではないか。


 緩はそう言っているのだが、とりあえず勝八が把握したのはどうやらそれが可能らしいということだけだ。


「でもいいのか? クールニヒルな勇者ってお前の理想男子だろ」


 そんな浅い理解しかしていない勝八でも、緩が異世界人の幻想の中からすら、自分の考えた理想の勇者を消してしまうつもりなのは分かる。

 勝八の指摘に、緩は完全に後ろ歩きへ移行すると唇を尖らせた。


「だから、あくまでアレはお話上の好みだし。それに、私のわがままであっちの世界がおかしくなるなんて……良くないもん」


 ――なんと神様らしくない奴だろう。

 何度となく思った感想だが、勝八は今回それを強く感じた。 


 創作の神様と言えば、気分次第で人間を試したり滅ぼしたり嫁にしたり星座にしたり。

 とにかくワガママを言って何ぼというイメージが勝八にはある。


 それを、この少女は現地人に悪いから自重するというのだ。


「……お前の作った世界だろ?」


 早足で緩の横に戻りながら、勝八は釈然とせず呟いた。


 勝八とて神様の都合で急に不幸な目に遭ったり性格を変えられたりすれば、恨み言を言いたくなるだろう。

 だがせっかく緩が作った世界なのに、彼女の手が離れるほど正常になるというのも何か寂しい気がする。


「作ったからこそ、みたいな」


 勝八が横に戻ったので、緩はお下げを揺らしながらターンをした。

 が、運動神経のよろしくない彼女は途中で躓いてバランスを崩す。


「おっと」


 しかしその辺りは勝八も想定済みで、素早く彼女の腕を取ると半回転を成功させた。


 そもそも緩の後ろ歩きなど、長続きするはずがない。

 そんな信頼があったからこそ、早足で隣に戻ったのだ。


「あ、ありがとう……」


 取られた腕は恋人の睦み事というより捕獲された宇宙人めいている。

 それでも緩は顔を赤くして、誤魔化すように笑った。


 半回転で三半規管にダメージが行ったらしく、歩き出してもしばらくは覚束ない足取りである。

 このか弱くてけなげな神様のために、自分は何か出来ないだろうか。


「って、勝ちゃんもう大丈夫だよぉ」


「いんや、まだふらついてる」


 彼女をしばらく支えて歩きながら、勝八はそんなことを考えた。



 ◇◆◇◆◇



 着替えてから緩の部屋で合流した二人は、異世界への窓口となる本を開いて向かい合った。

 緩がパラパラとページをめくると、そこに勇者の「設定」が書いてある。


「へぇ。これがなぁ……」


 1枚目は、勝八と同じ規格のアバターシート。

 だがスキルの項目にはナントカの才能やらナントカの覚醒やらがズラっと並び、2枚目へ突入。

 3枚目は魔法で埋め尽くされる過積載ぶりであった。

 それを乗り越えてようやく目的の場所かと思えば、4枚目は所持している武器防具魔法のアイテムである。


「剣持ち過ぎだろ。弁慶か」


「あ、あんまり見ないでよぉ」


 今更設定を見られることに恥じらいを持つ緩。


 自身と勇者のステータスにどれほどの開きがあるのか少々興味があった勝八だが、これを読み解くのも面倒なのでとっとと5枚目に移る。

 するとようやく、勇者の性格容姿の設定が書かれた項へと到達した。


 「勇者ブレイブレストは、この世界に存在する最強にして最も華麗な勇者である」という冒頭からして眩暈がする勝八。

 それが1ページに渡ってずらりと書いてあるのでたまらない。

 誰だこんなもん書いた奴をけなげだとか評したのはと思わないでもない。

 だが、これだけ熱意を篭めていたものを消そうというのだ。

 いじらしいぐらいは言ってやっても良いのではと勝八は考え直した。


「消しゴムは?」


「ううん、いらない」


 彼が問いかけると、緩はお下げを振り設定へと手をかける。

 そして呼吸を整えた彼女が指でこすると、「クールでニヒル」「彼の姿を見た人間はその姿に見惚れてしまう」等々の記述が消えていく。


 緩が指を離すと空欄のそばにある文字が生き物のようにブルブルと震え、左側へひっついてスペースを埋めた。

 やはりこの本は、見た目が本なだけで実際は別物のようだ。


「これで良し、と」


 神パワーを消費したのかただのポーズか。

 緩が額を拭う仕草をして呟く。

 

 それから彼女がページをめくると、そこには勝八のアバターシートがあった。


 これもおそらく、あのアホ勇者と勝八のページが隣り合っているわけではない。

 緩の意識に応じて開かれるページが変わるのだ。

 あのアホと隣は嫌だからそうであってくれ。


 思いながら勝八が件のページを覗き込むと、そこにはやはり大きなバッテンがついていた。


「まだ直ってないのか?」


 昨日と同じ状態である。

 やはり死体を一日で修復するのは神でも難しいのか。


「ううん。もう大丈夫だとおもう」


 勝八の問いかけに、緩はまた首を横に振ると件の×印に指をかけた。

 ペリペリペリ。

 という音がして、まるでテープのようにそれが剥がれていく。

 

 キレイに剥がれたそれを緩がポイと投げると、ブーメランのようにくるくる回転しながら部屋の中を飛んだ。


「おっ」


 ハエでも叩くようにパシンと両手で挟んで捕獲する勝八だが、もう一度手のひらを見るとバッテンマークはどこかへ消えている。

 緩はと言えばスカートで指を拭った後、アバターシートに痕が残っていないか確かめていた。


「かさぶたかよ」


 そのスカートで拭うのやめなさい。

 とどっちを突っ込もうか迷った勝八だが、そちらの悪癖は直らない気配がするのでバッテン印の方を言及する。


「うん。だから本当は自然に剥がれるのを待ったほうがいいんだけどね」


 それに対し、緩は真剣な顔で答えた。

 無理に剥がすと血が流れたりするのだろうか。

 不安になる勝八だが、肯定されても怖いのでこちらの言及は避けた。

 

「体の修復はしたけど、不具合があったら動き回っちゃダメだよ」


 細かい点検も終わったらしい。

 最後に表面をよしよしと撫でてから緩が忠告する。


「そもそも動けるかどうかだけどな」


 あちらでいまだに拘束されていたり、土の下に埋められていたらどうしようもない。

 いや、土程度なら今の勝八の力を使えばマントルまで一直線かもしれないが。


 勝八が答えると、緩は顔を曇らせる。


「あの、あっちに行って十秒ぐらい経ったら一回戻そうか?」


「それじゃ何も分かんねぇよ」


 おずおずと出された代案は、消極的にも程があるものだった。


「二時間ぐらいで良いって」


「うぅ、分かった……」


 勝八が二本指を出して言うと、不安顔ながらも緩はそれに同意した。

 そして――。



◇◆◇◆◇



「う、ぐお……」


 まるで骨と骨の間に瞬間接着剤を流し込まれたような。

 バキバキと鳴る関節を無理やり動かして勝八は起き上がった。


「ぐふぇぇ」


 雑巾を絞るように首を左右に捻ると、思わずオッサンのような声が出る。

 ついでに周りを見ると、木材やら動物の骨やらが地面に敷き詰められている。

 周囲の岩壁を見るに、どうやらここはゆるく掘られた窪地のようであり、もっと言ってしまえばどこぞの林の中にあるゴミ捨て場のようだった。

 つまり勝八は、ゴミとして廃棄されたのである。


「ひっでぇな、おい」


 いくら蛮族が嫌いな国だからと言って、死体をこんな場所に捨てられるとは。

 埋められなくて助かったのは事実だが、倫理上、衛生上多大に問題を孕んでいる気がする。


 緩は環境問題に関する設定もきちんと作ったのだろうか。

 そんな心配までしていると。


「本当に復活しタ……」


「うわぁ!」


 首の稼動域外から声がして、勝八は跳ね上がった。

 慌てて背後を見ると、そこには正座をした褐色娘がいる。


「ゾマ……」


 復活したはずの心臓が再び止まってしまいそうになり、勝八は胸を抑えながら彼女の名を呼ぶ。

 すると、ゾマも金色の目をまん丸にして勝八を見つめていた。


「な、何でここに?」


 どうやらこの場所はペガスの外らしいが、それにしても彼女は隊長達と一緒に逃げたはずである。

 それが何故この場所に、そして勝八の背後にいるのか。


 その疑問に対し、ゾマはうむと頷いて語りだした。


「モドキ達をペガスから脱出させた後、ワタシは再度ペガス潜入を試みタ」


「モドキってお前……ていうか無茶すんなよ」


 おそらくナントカ族の扮装をした隊長達を、本家の彼女はモドキ扱いしたのだろう。

 しかし、注意すべきは後半だ。

 騒動の後でまだ警戒が強いだろうに、もう一度ペガスへ入ろうとするとは。


 勝八だから拷問されてそれとは関係なく死んでも平気だったが、ゾマではそうもいくまい。

 

「ワタシの身はカッパチに捧げタ。怖くはなイ」


 ゾマは大きな胸を張って堂々と言う。


「そんな言葉で喜ぶと思ったら大間違いだ」


 普段なら男の本懐とも言うべきセリフだ。

 しかし勝八のせいでゾマがエロくもない責め苦に遭うのは歓迎できない。


 勝八が渋面で言ってやると、ゾマは唇を尖らせ呟いた。


「……無茶はカッパチも同じダ」


 彼女がいじけた顔は妙に緩と似ている。


「俺は死んでも大丈夫だから良いの」

 

 そんな事を考えながら、勝八は自身に関しては棚上げした。

 緩にも同じことを言って心配させたのだが、今は忘れたフリである。


「そのようだナ」


 勝八のセリフに、ゾマは不満顔ながら頷いた。

 言い争っても仕方がないと冷静な判断をしたのかもしれない。


「ええと、それでゾマはどうしたんだっけ?」


 勝八もその話題はやめ、話を元に戻そうとする。

 が、少し脱線した隙に勝八は元の話題とやらを忘れてしまっていた。


「……ペガスの裏門の様子を窺っているト、深夜になって荷台が運び出されタ」


 そんな彼を呆れた目で見てから、ゾマは続きを話し始める。

 最初から話しても、どうせまた忘れられるだろうという諦めがそこにはあった。


「布の下から足が出ていたのでモシヤと思い後をつけたラ、それがカッパチの死体だっタ」


「うへぇ。やっぱり死んでたか」


 自分が死んでいた様子を説明されるというのは、不気味なものだ。

 緩に聞いて分かってはいたが、実際に見た人間から聞くとまた違った厭さがある。

 勝八が呻いていると、ゾマはゴミ山をごそごそと漁りだす。


「コンナ風」


 彼女が示したのは、ガニ股のまま固まっているヤモリの死骸であった。


「……もうチョット足開いてたかモ」


「良いから。再現しなくて良いから」


 勝八が何も言えないでいると、ゾマは首を傾げてより忠実な死に様を再現しようとしだす。


 死に様から考えて、そんなポーズで硬直しているのはおかしい。

 あの拷問官、もしや勝八にカエルポーズを取らせて解剖しようとしたのではなかろうか。


「カッパチはそのままゴミとして捨てられタ。アレを見た時は、手遅れだと思っタ」


 恐々とする勝八。彼の前で、ゾマは肩を落とす。

 現われたと思った神の使いが即死体に早変わりしたのだ。

 彼女の落胆が如何ほどか、勝八には想像もつかない。

 

「だが、ワタシがせめて埋葬しようとした時、勝八の体が輝き出しタ。そして、心臓が脈打ち始めたのダ」

 

 しかし、そんな彼女の声に少し力が戻る。

 心臓の音を聞いたという事は、この体特に耳が勝八の胸に密着したということか。


「な、何てことだ……」


 何故死んでいたのだと自分を罵る勝八。


「この場所からも動かしたかったが、私の力では叶わなかっタ。それから朝になり、勝八が目を覚ましたのダ」


 そんな彼を他所に、ゾマはゆっくりとした口調で語り続ける。

 こっくりと、その首が不自然に揺れた。


「朝になりって……もしかして寝てないのか?」


 それに気づいた勝八は、ぶるぶると首を振るゾマに尋ねる。

 褐色肌のせいで気づき難かったが、彼女の目にはうっすらくまが出来ていた。


「生贄になってからだから、二日目ダ……」


 勝八の問いかけに、ゾマはぶいっと二本指を立てて答える。

 確かに2徹明けのテンションであった。


「無茶すんなって言ったのに」


 するなと言ったのは今さっきなので、そんな約束守りようがない。


「勝八が何時起きるか分からなかっタ。それに……」


 それでもゾマは律儀にそう答え、途中で言葉を止めた。


「それに?」


「隠れロ」


 どうしたと勝八が問う前に、彼女は勝八の体へと抱きつく。

 心音を聞いてもらうどころの騒ぎではない。

 勝八が混乱していると、ゾマは彼の背後にあった布を手に取った。


「伏せテ」


 弾む胸をリズム良く押し付けられ、言われるままゴミ山へ寝そべる勝八。

 上から布がかけられ、二人の体は一応隠される。

 おんぶする時とは違う密着度に勝八がドギマギしていると。


「今日もゴミ捨てがんばんぞーい」


「明日もゴミ捨てめんどくさーい」


 などという調子はずれな歌声が聞こえてきた。


 布の端を少し持ち上げて視界を確保する勝八。

 すると、窪地の上に何者かが現われた。


 ほっかむりをした三四十代の男二人組みである。

 彼らはおそらく背後にある荷台から袋を取り出すと、その中身を下へと撒いていく。


「ゴミ捨て屋だ」


 勝八の胸元で、ゾマが囁く。

 その感触に、勝八は身をよじった。


「ん、なんか今動かなかったか?」


 それをゴミ捨て屋の一人が目ざとく見つけ、こちらに視線を向ける。


「皆食いネズミだろ」


 もう一方は取り合わない。引き続きゴミを投げていく。


「……皆食いネズミって?」


「何でも食べるネズミ。布も鉄も死体も全部食べル。ここはその巣」


 こっそり勝八が尋ねると、迂闊な動きをした彼に憮然とした表情をしながらゾマが答えた。


「そいつらから俺を守るために、寝ないで見張ってたのか」


「ウム……」


 勝八に返事をし、ゾマは顔を彼の胸にこすりつける。 

 大分眠気が来ているようだった。


 皆食いネズミ。そんなものがいるのなら、この世界のゴミ事情もバッチリ解決しているのだろう。


「大雑把な設定作りやがって……」


 だが勇者と比べあまりにも適当なその設定に、勝八は苦い顔になった。 


「あの蛮族がゾンビになってたりしてな」


「や、やめろよ」


 勝八達が布の中でそんなやり取りをしている間にも、ゴミ捨て屋達は勝手なことを言っている。


「ったく俺らはゴミ捨て屋で死体は管轄外だっての。誰のおかげで街に皆食いネズミが入り込まないと思ってんだ」


「まぁ王宮直々の指令だったからなぁ。深夜に呼び出しとか何事かと思ったぜ」


 しかし、彼らには彼らなりの苦労とプライドがあるようだった。

 自身の死体に関する愚痴を聞く羽目になった勝八は、何とも言えない気分になる。


「何でもあの蛮族。勇者様を倒しちまったらしいぞ」


 が、話題が自身と勇者に及ぶと、彼はピクリと耳をそばだてた。


「……勇者様なぁ」


「どうしたよ。お前大ファンだったじゃねぇか」


 相方の浮かない反応に、不審そうな声を出すゴミ捨て屋。


「蛮族にやられたって聞いたせいかね。なぁんか昨日からあの勇者に威厳を感じないんだよな」


 すると、勇者の大ファンと呼ばれた方はポツリと漏らす。


 ――どうやら、緩による設定変更……もとい消去の影響が早くも出たようだった。


「助け出されてもギャーギャー喚いてみっともなかったって言うし、化けの皮が剥がれたのかね」


「英雄様の正体見たりって奴だな」


 一通り勇者を蔑むと、二人はガハハと笑い声をあげた。


 今までがおかしかったとはいえ、あの勇者もこれから大変だろうな。

 他人事モードで考えてから、勝八はゾマの息がずっと胸元をくすぐっているのに気づいた。


「おい、ゾマ……」


 吐息の位置をずらしてくれ。このままだと病み付きになってしまう。

 そう頼もうとした勝八だが、ゾマからの反応が無い。


 見れば彼女は両目を閉じ、すっかり眠りの世界へと入ってた。


「……どうすっかねっぇ」


 男達が去るまで動くわけにはいかないし、何よりせっかく眠れたのに起こすのも可愛そうだ。

 呟いた勝八は、ネズミに指をかじられるまでそのままじっとしていた。

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