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ダンジョンが弱すぎるので天下一冒険者会を開催します。  作者: えびす


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5.異界ギルド

糸魚川構造迷宮での事件は当時のトップ冒険者9名が死亡した衝撃的な事件として世間に記憶されている。だが唯一の生き残りであるその当時未成年者だった俺の顔と名前は大っぴらに公表されていない。


この調査は政府が秘密裏に冒険者協会へ依頼した物で元々露出度の高い案件ではなかった。だが有名な冒険者が同時に9名も死亡した為公表せざるを得なくなったという経緯がある。


大規模迷宮崩壊が世間に知れ渡ればパニックになってしまうと政府や協会の上層部は懸念しているようだ。だからこの事件と共に俺の存在は報道においてはある種タブーのように扱われている。


上層部は世間がこの事件に余り関心を持たないように気を揉んでいるようだ。おかげで俺はこの2年間ある程度の匿名性とくめいせいを守って生きてこられた。しかしうわさは常に付きまとうう物だから俺は堕ちた天才などと周囲から言われてきた。


上層部の連中は俺が知り得た情報を世間に暴露しないかをこの2年間常に警戒していた。今でも事件による影響の経過観察という名目で定期的に観察員が俺の元へと派遣されてくる。


そして今、俺の目の前にいる長倉という男もそうだ。この男は政府の官僚で現在は冒険者協会の委員として出向しているAランク冒険者だ。


「黒打君最近の調子はどうですか、ステータスはまだ元に戻りそうにありませんか?」


「俺のステータスが元に戻るとお前達にとって何か都合が悪い事でもあるのか?」


「いえそういう訳ではありませんよ、ただ君の能力が元に戻るという事は大規模崩壊への懸念を我々も高めなければなりませんから」


「お前達が本当に懸念しているのは、俺の力が元に戻りお前達の管理下から離れる事だろう?」


長倉は仮面の様なニヘラ顔をやや強張らせ鋭い目付きで一瞬こちらを睨んだが、すぐに上辺の笑みをその顔に貼り付かせた。


「いえいえ何を言うんです、

我々は君を心配しているんです。君ほどの天才が能力を失った事はこの国にとっても冒険者協会にとっても大きな損失でした。

君がかつての力を取り戻す事に我々は労を惜しみませんよ、ですから何かあればすぐに報告をして欲しいのです」


「話は済んだらもう帰れ」


「·········ではこれで失礼します」



俺は今現在Cランク相当にまで力を取り戻している。この事が知られればこいつらは今以上に俺への監視を強めるに違いないだろう。

だがどこかの元請けギルドに所属すれば必ず冒険者協会の方へ俺の今のステータスは届け出されてしまう事になる。


どうしようか···、

あのクソブラック採掘現場にはもう絶対に戻りたくないからなぁ。


「まずは昨日の超火炎石を売っぱらって当分の生活費に当てるか」


俺はアイテム商店街へ出かける事にした。


かつては廃れていた日本中の商店街は迷宮の登場によって再び活気を取り戻す事になった。ガラガラだったテナントには今では冒険者向けの装備やポーションの店、ドロップの買い取り店、エンチャント屋などが入りこんでいる。



〈高価買取☆ドロップ売るならアイテム屋本舗☆〉


この手の店は何でどこもこんなに看板が胡散臭うさんくさいんだろうか、損をさせられそうで逆に入りたくなくなるんだよな。


「いらっしゃいませ~」


「あのー鉱石を売りたいんですが」


「では2階へどうぞ」


〈☆鉱石ドロップ買取口☆〉


「いらっしゃいませ、では買取品を鑑定させていただきます」


「はい、これを」


俺はズタ袋から超火炎石を取り出した。


「うわぁ、すごい。超火炎石は最近かなり値上がりしてますよ」


おぉーこれは期待できそうだ。


「はえぇ補正値鑑定ですが50倍相当です!」


「補正値?」


「超火炎石のアイテム説明欄には、

通常の火炎石の30倍と書いてありますよね?」



 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


[超火炎石]

通常の火炎石の30倍の魔力が込められたレア鉱石

攻撃、装備エンチャント、インフラなどに利用される


 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



「えぇ確かに」


「ですが実際は現物ごとに数値に幅があるんです、お客様がお持ちしたのは50倍なので最上級品になりますね」


「おぉそれでいくらで買い取ってもらえますか?」


「相場2000万ですが、いかがでしょうか」


すげぇなこれで当分は食って行けそうだ。




―――コツ、コツ、コツ


買い取りの金は振り込みにしてもらったからそっちの心配はない状態だが、アイテム屋本舗を出てから俺をつけてくる奴がいる。


―――サッ!


「···!?」


俺は商店街の横路地へと唐突に駆け込んだ。


―――ダッダッダッ!!


追っかけてきやがるな···。


「誰だてめぇは? 長倉の回し者か!」


「···!!」


そこには黒いローブを深々と被った男がいた。


「へへへっ

 俺は異界ギルドからの使いの者だ黒打陽」


「異界ギルド···?」


「お前2年前のあの事件の記憶がないんだろぉ?」


「なぜお前がそれを」


「来週発表される天下一冒険者会のBCトーナメントに出な、そこで優勝すりゃお前の失った記憶を取り戻させてやるよ」


「何だと···」


「俺達は政府と冒険者協会が隠蔽いんぺいする大規模ダンジョンブレイクを告発しようとする者達さ」


「待て!」


「へへへっ期待しているぜぇ」


クソっ一体どうゆう事なんだ···!

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