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水は存在を呑む

作者: 空は国

 もうすぐで夏休みになる学校で私たちは話していた。

「夏休み何する?」

「やりたいこと別にないな〜」

「海にでも行く」

「遠いからやだー」

 私たち4人は生産性のない会話を続けていた。

「それだったらさ、近くの川に肝試しに行こうよ」

「川に肝試し?」

 1人の発言に3人は聞き返した。

「そうそう、そこに3人から5人くらいの集団で行くと川から悲鳴が聞こえるんだって」

「えー、こわ〜い」

 私は冗談っぽく言った。

「いいでしょ、行こうよ」

「そうだね、暇だし行こう」

 こうして夏休みの1日だけ予定が埋まった。


 夏休みに入った、肝試し当日。

「ついにきたね肝試し」

「そうだね〜」

「じゃあ、川に行こうか」

「出発」

 私たちは近くの川へ向かった。

「さすがにこの時間になると暗いね」

「そりゃそうだろ。もう10時になるんだから」

 そんなことを話しながら向かった。


 そうして、私たちは川に着いた。

「着いたね、肝試しって何すればいいの?」

「何も考えてないのか」

「確かに何すればいいんだろう?」

「とりあえず考えるか」

 私たちは考えた。そして、私は思いついた案を言う。

「このペットボトルを1人が橋の下に置いてきて2人目がそれをとってくるのはどう」

「いいね」

 3人は意見に賛成した。

「じゃあ、言い出しっぺが最初に言ってね」

 3人が私に行くように言った。

「えー、肝試し行くって言った人が行ったら」

 私は少し言い返してみた。

「怖いからいやー」

「じゃあなんで肝試しやろうって言ったんだよ」

 みんなからツッコミが入る。

「じゃあ、私から言ってくるね」

 私はそう言って橋の下に向かった。

「いってらっしゃい」


 橋の下までは思ったよりも距離があった。

「あっ、もう目の前じゃん」

 懐中電灯で少し上を照らした。

 その時、私はこけた。

「いったー」

 私は立とうとした時に違和感を覚えた。

 左の足首が少し濡れていた。

 私は懐中電灯で怪我したと思われる足を照らす。

 怪我はしていなかった。だが、左足首にまるで手に掴まれたような跡があった。

「えっ」

 私は声が出なかった。

 私は周りを見渡す。

 次の瞬間、足を掴まれた。

「きゃっ」

 私は驚いた反動で懐中電灯を落としてしまった。

 懐中電灯は壊れてしまったのか消えてしまった。

 私は恐怖に染まりながら川に引き摺り込まれた。

 そして、私は恐怖のあまり悲鳴を上げる。

「イヤァーーー、た…」

 そのまま川に呑まれた。


「肝試しにきたけど何すればいいの?」

「どうしようね」

「何もすることがないなら帰る?」

 3人が話している時に遠くから何かが聞こえる。

 “イヤァーーー"

「えっ、ほんとに悲鳴が聞こえた」

「肝試しに来るんじゃなかった」

「もう帰ろ」

 3人は恐怖のあまり急ぎ足で帰る。

 1人の存在を忘れて……


 助けて……

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