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ボクのおばさんは忙しい  作者: 銀杏玲
9/19

備忘録の9

夏休み。朝食を食べた後は、某アニメの再放送をみるのが日課だった。

もともとは何の興味もなかったジャンルのアニメ。むしろ苦手だった。

だけど一転。のめり込んでいくようになったのは、やはり、おばさんの影響である。

おばさんが、そこそこ好きでみていたのを、ボクが我慢してみていたのが、いつの間にか、その世界を探求するまでになっていった。


まず、再放送から、毎週のリアルタイム放送をみるようになった。


おばさんは、読書家だ。

だから、おばさんは、「テレビより単行本を読んだ方がストーリーが早くわかっていい」と進言する。


そして、「漫画」というものを知る。


ボクはおばさんと一緒に、だいたい昼前に駅前の書店に出かける。

途中、商店街にある喫茶店で休憩を挟み、ソーダフロート500円を注文するのがお決まりだ。


書店は、商店街から5分ほど。

1日に購入するのは、3冊までと決めている。とくに根拠はない。

まずは1巻から3巻まで。

たぶん、書店の店員さんには「何でいまさら1巻なんだろう」と思われていたことと思う。


店員さんは3冊の単行本を茶色い紙袋に入れてくれる。

ボクはそれをおじさんがセカンドバッグを抱えるような感じで、わくわくしながら、帰る。


家に着いたら、手を洗って、すべてを落ち着かせて、読む。

「こんな複雑なストーリーがメインだったのか」


このときボクははじめて「物事をもっと知りたい」という感情をもつようになる。

以来、このアニメは、ボクの人生を語る上では欠かせないものとなっている。


ボクはおばさんは、勉強は全然できないのだが、「知的な愉しみ」への誘導は、なぜかうまい。

うん。結果的に。

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