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ボクのおばさんは忙しい  作者: 銀杏玲
4/18

備忘録の4

 おばさんは毎日動き回っている。

 その姿を見ているばあちゃんは、おばさんのことを、働き虫と呼んでいる。

 ばあちゃんの今の楽しみはテレビだ。一番の友達だ。

 見ているのか、見ていないのかわからないが、ずーっとテレビがついている。

 録画すること、消去することもなぜか知っている。

 ジャンルを問わず、あらゆる番組を録画し、見ては、消去するの毎日だ。

 おばさんも韓国ドラマだけは、見ていた。

 その時間だけは、おばさんのホッとする時間でもあった。

 韓国ドラマは長編作品が多く、そのドラマも100話近くあった。

 毎日毎日、見続けたドラマの最終回、その日おばさんは自分のかかりつけの病院で検査する日でオンタイムでは見ることができなかった。

 録画して、出かけたおばさんは、病院から帰ってきた。

 ばあちゃんは、自分の部屋でテレビを見ていた。

 ドラマを見るために、録画機の電源を入れ、録画リストを見て、青ざめた。

 おばさんは、ばあちゃんの部屋に行き、ばあちゃんに、

 「今日、リビングでテレビ見てた?」

 と聞くと、

 「見てた」

 と言う。

 「私の録画してた韓国ドラマも見た?」

 と聞くと、

 「見たよ。見たから消去したよ」

 と涼しい顔で言った。

 「なんで今日に限って、リビングで?」

 なんだろうか、この気持ち。

 おばさんの顔からにじみ出ていた。

 そして、おばさんはゴジラになった。

 火をふくかのごとく、ばあちゃんに怒鳴り散らしたのである。

 「結末はどうなったのさ!」

 そう頭から声を出すと、ばあちゃんは一言、

 「忘れた」

 と会話を終わらせた。

 おばさんは、いまだ結末を知らない。

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