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ボクのおばさんは忙しい  作者: 銀杏玲
13/19

備忘録の13

冬休みを港町のばあちゃんちで過ごしていた小学生のボクは、午前中から、よくおばさんと地元の商店街へ買い物に出かけていた。


街中をぐるぐる回るバスに乗って、商店街前で降りる。

そして、少し歩いて、まずは商店街近くにある地元デパート3階のゲームセンターに行く。

ボクがばあちゃんからもらったお小遣いで遊んでいるあいだ、おばさんは掘り出し物を探しに、エスカレーターで行ったり来たり、売り場をぶらつく。


デパートのゲームセンターと言っても、港町のデパートなので、そんなに立派なものではない。

こじんまりした街のゲーセンだ。


ボクが遊ぶゲームは決まっている。

三角形のくじをすくうクレーンゲームだ。


A賞、B賞・・・といったように当たりくじがあり、アルファベットのAに近いほど、大きいお菓子がもらえる。ハズレはなく、最低でも10円で売っているあの人気のお菓子がもらえる。


千円札片手にこれに10回挑戦する。小学生のボクの何よりの楽しみだ。

10回の挑戦を終えると、いつも10円のお菓子がたくさん入った袋を片手にしているのだが、そんな悲しいときは、様子を見に来たおばさんが、参戦してくれる。


掘り出し物を買っているのに、この参戦で、だいたい掘り出し物は、掘り出し物ではなくなるのが、ボクとおばさんの冬休みの定跡。


そんなこんなで昼になると、いつも商店街近くの蕎麦屋さんか商店街内にあるラーメン屋さんに行く。

どちらも地元民なじみにお店。


蕎麦屋さんに行くと、更科のもりそばを頼んで、ラーメン家さんに行くと、しょうゆラーメンか、チャーハン、たまにあんかけ焼きそばを食べる。めっちゃおいしい。


お腹を満たすと、ボクの大好物のあれを、食べに行く。むしろ、これが一番の目的だ。


目的地は、商店街内にある喫茶店の2階。

小学生なのでもちろん、コーヒーでも紅茶でもない。

「クリームソーダ」だ。


そして一番重要なのが、「オレンジ」のクリームソーダということ。


かき氷のオレンジシロップをソーダで割ったオレンジソーダにくるくると濃厚なずっしり固めのソフトクリームがのっかっている。


これをおばさんはご馳走してくれる。

ちなみにおばさんは、「ソフトクリーム」を頼む。


ボクはひたすら、オレンジソーダにのっかったソフトクリームを、まずはソフトクリームとして、食べてから、第2段階として、オレンジソーダに浸かったとろとろソフト部分を食べる。


とろとろソフト部分を制覇したころには、オレンジソーダにクリームが溶け込んで「オレンジミルクソーダ」になる。

それが第3段階なのだが、ここまでくるとボクは悲しい気持ちになる。


なので、ボクのおばさんは、自分が頼んだ「ソフトクリーム」からスプーン2、3杯を「オレンジミルクソーダ」の上にのっけて、過ぎ去った第1段階に戻してくれるのだ。


そうしてボクは、一杯500円のクリームソーダを2度楽しんでから、ばあちゃんちに帰るのである。

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