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コミック③巻12/11発売!【最強は田舎農家のおっさんでした】配信文化の根付いた世界で田舎農家のおっさんが伝説の竜を駆除した結果、実力が世界にバレました。  作者: 天池のぞむ
第6章 新たな始まり

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第63話 精霊祭について

「それではこれより、《精霊祭》攻略会議を始めます!」

「ぱちぱちぱち」


 配信ギルド《黄金の太陽》のギルド宿舎、そのロビーにて。


 ゴーシュとロコが着席し、その前に立った眼鏡姿のミズリーが明るく宣言している。


 ミズリーの後ろには巨大なボードがあり、そこにはミズリー作成の企画書が貼り付けてあった。


「はは、攻略って言うと大げさな気がするな」

「いえいえゴーシュさん。《精霊祭》はこの国でも一番のお祭りですから。もちろん配信向きのイベントだってたくさんあります。私たち配信者にとってもより注目を集める大チャンスなんですから、これを逃す手はありませんよ」


 ミズリーがメガネをクイッと持ち上げ、レンズがきらりと輝く。

 ゴーシュたちのギルド《黄金の太陽》が行う配信の企画担当というだけあって、中々に気合いが入っているようだ。


 精霊祭――。


 年に一度、王都グラハムで開かれるお祭りの名称である。


 食べ歩き用の食べ物やスイーツなどを販売する夜店、お祭り用の衣装を貸し出すレンタル屋や占い屋、恋人たちに人気の夜景鑑賞スポットなどなど。


 一週間にも渡り様々なイベントが開かれることから注目度が非常に高く、近年ではお祭りの様子を配信して世界中に届けようという試みもされていた。


 元々この精霊祭という祭りは、この世界の各地に存在する精霊に対して祈りを捧げる精霊信仰が起源であったという。


 それが今では一大イベント化し、王都グラハムの近隣だけでなく諸外国からも多くの人が訪れる催しとなっている。


 ミズリーとしてはこの精霊祭を楽しみつつ、リスナーに楽しんでもらえるような配信がしたいと気合いが入っているというわけだ。


「確か今年はメルビスが大トリで歌唱イベントをやるんだったか。歌姫が出るというだけあって色んな国から見に来る人がいるとか」

「ですです。でも、お姉ちゃんにだって負けていられませんからね」

「私はしょーじき夜店とかが気になる。色んなごちそうが食べ歩きできるとか」

「あはは。ロコちゃんは初めての精霊祭ですもんね。分かりました、その辺も私が解説しましょう!」


 ミズリーはそう言うと、ロコが気に入りそうな夜店を紹介していった。


 川魚や獣肉の串焼き屋から始まり、クリームや果物をふんだんに使ったクレープ屋、キノコや野菜を使った炒め物屋など。


 ミズリーが話すたび、ロコは尻尾を可愛らしく左右に振り、頭から生えた獣耳はピンと立っていった。


「せーれーさい、すばらしー。待ち遠しくなっちゃった」

「ははは、まだ開催までは二週間くらいあるからな。まあ俺もちゃんと参加するのは初めてだし、ロコが興奮するのもよく分かるよ」

「あれ? ゴーシュさん、去年の今頃はまだ王都にいましたよね? 精霊祭には参加されなかったんですか?」

「いや、それがその……」


 ミズリーの問いに対し、ゴーシュは少し遠い目を浮かべて言った。


「去年はまだ《炎天の大蛇》にいたからな。祭りの期間中は雑務を押し付けられて、ギルドのメンバーたちは遊びに行っちゃって……。何というか、祭りの賑わいを聞きながら一人で残業するのは中々くるものがあったなぁ……」

「すすす、すみませんゴーシュさん! まさかそんな状況だったなんて!」

「ししょー、どんまい」


 ミズリーとロコに慰められ、ゴーシュは肩を落とす。

 ゴーシュにとって精霊祭というのはそれなりにほろ苦い思い出だったようだ。


「でも、今年はみんなと楽しめるわけだからな。うん、そう考えよう」

「そ、そうですよ。逆に考えれば新鮮な気持ちで参加できるわけですから!」


 そうしてゴーシュはミズリーに続きを促し、攻略会議が再開される。


「それでは気を取り直して。とりあえず、精霊祭では出店の他にも色んな催し物ががあります。私たちも配信者として参加したいものは多々ありますが、その中でも特に外せないのは、コレです!」

「んーと、だいしゅりょー?」


 ミズリーがボードの方を向き、ロコがそこに書かれた文字を読み上げる。


 そこには、「魔物を狩りつくせ! 大狩猟イベント!!」と書いてあった。



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