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異能力者達の午後  作者: ゆーろ
異能力者達の午前
31/32

解答者達の午後

0:ーーーー解答者達の午後ーーーー



エマ:(ニュース音声)緊急事態速報です。ロシア最西端。バグテリア法外特区への核爆弾投下が、アメリカ政府より公式に発表されました。



エマ:(ニュース音声)被害規模は半径40km圏内、圏外でも放射線での被害が予想されており、ロシア政府は、近隣諸国の住民へ緊急避難案内を出しています。



カイ:(N)異常性



カイ:様々な超常現象を引き起こすことの出来る力の呼称。人は火を噴き空を飛ぶ



アレジ:(N)そんな世界があったら、君は面白いと思うかい?



カイ:(N)俺は、ただ日常を過ごしたかっただけなのかもしれない



0:場面転換 とある都市の廃ビル



0:一人目を覚ますアレジ



アレジ:「・・・ん・・・あれ・・・ここは・・・どこだ・・・」



エマ:(N)「人類の原罪は。リンゴを食べたことだと言う」



カイ:「・・・目が覚めたか」



0:アレジは身体の至る所に重症を負っているが、辛そうな素振りはない



エマ:(M)この世は腐っていると彼は言った



アレジ:「・・・やあ、こんちには」



カイ:「よぉ。アレジ。」



エマ:(N)「だからどうやら彼らは、世界にナイフを突き立てたらしい。」



アレジ:「おや、僕を知ってるのかい。でもごめんね、僕は君を知らないんだ」



カイ:「一時的な記憶障害だ。きっと頭を強く打ったんだろう。腹に風穴が空いて右腕もちぎれてる。まさに虫の息だな」



アレジ:「・・・そうだね。もう異能を使うこともできないみたいだ。まぁ、痛みはあまり感じないけど」



カイ:「そうか」



エマ:(N)「これは、とある三人が始めた、どうしようも無く笑えない復讐の物語」



アレジ:「不思議と、色んな記憶が頭の中でぐちゃぐちゃになっている。けど、悪くない気分なんだ」



カイ:「・・・まぁ寝転がってないで座れよ。少し話をしよう」



アレジ:「・・・話、ね。」



カイ:「あぁ。そうだ。

カイ:ーーー少し昔話に付き合ってくれないか、アレジ」



アレジ:「僕の朧気な記憶が正しければ、ここはテログループが仕掛けた爆破に巻き込まれる、もう一時間もない」



カイ:「あぁ。知ってる。」



アレジ:「そっか、君がいいならいいよ。僕もどの道、そんなに長くは無さそうだ。」



カイ:「どうも。さて、どこから話すか・・・」



0:場面転換 回想



エマ:(N)「とある日、二人の子供は異能の力を手にした。二人はこの力を使ってとある目的を達成しようとする

エマ:その為に向かったのが、国立アーヘン高等学院。異常体を殺す術を学ぶ為の学校」



アレジ:『へぇ。アーヘン高等学院か。うん。少しだけ覚えているよ』



カイ:『・・・そこには色んな奴がいたよ。気弱だけどしっかり者で優しい俺の幼馴染のエマ。



カイ:ずっと仏頂面で煙草ばっかり吸ってて、どこか諦めたような奴とか



カイ:そいつとよく喫煙所で仲良くしてた乱暴で面倒見のいい女教官だったり



カイ:お調子者の問題児。だが、いざって時は誰よりも頼りになる奴。



カイ:とにかく、色んなやつが居た。』



アレジ:『・・・』



カイ:『全部俺の、かけがえのない友人で、何ものにも変え難い思い出だ』



アレジ:『それは、良かったね。・・・でいいのかな?』



カイ:『あぁ。俺の中で、一番大事にするべき思い出だよ。』



0:場面転換 回想 列車の中



エマ:あ!カイ〜っ。こんなとこに居た。探したよ



カイ:エマ。お前こそどこに行ってたんだ。俺はずっとここで寝てたぞ



エマ:嘘つけ、カイがいきなりどっか行ったんだよ



カイ:そうだったか…?寝ぼけたか



エマ:さあ。にしても中々着かないね。かれこれ四時間は列車に揺られてるけど



カイ:あと数駅だ。我慢しろ



エマ:うーん、相変わらず怖い顔してる



カイ:ほっとけ



エマ:そんなつんけんしちゃって、ほら笑って笑って



カイ:うるさい、触るな



エマ:ぶー。そんな態度だと帰るよっ



カイ:帰りたきゃ帰れ。元は俺一人で行く予定だったんだ



エマ:何言ってんの、カイも帰んの



カイ:…エマ。何度でも言うが、俺は止めないぞ。絶対に。やめないからな



エマ:…そっかぁ。じゃあ、しょうがないから着いてくよ



カイ:ああ。言っている間にアナウスだ。



エマ:あーあ。着いちゃった



カイ:やっとだな。行くぞ、エマ



エマ:…うんっ



0:回想 終了



アレジ:『・・・難儀だねぇ』



カイ:『あぁ。俺もそう思う』



アレジ:『でも、僕はそういうのは嫌いじゃあない』



カイ:『・・・そうか。』



0:回想 アーヘン高等学院 教室



エマ:「はは。愉快な人だね〜」



カイ:「・・・そうだな。」



エマ:「誰かさんそっくり」



カイ:「・・・そうだな。」



エマ:「・・・カイ、私はーー」



カイ:「俺は辞めないぞ。エマ。中央政府に入って「アイツら」を絶対にぶち殺す。



カイ:這ってでも、どれだけ惨めでも、どれだけ無駄だと分かってても。必ずだ。」



0:回想 終了



アレジ:『それが・・・君達がその学院に入った理由ってことだ』



カイ:『そうだ』



アレジ:『理由はどうあれ立派だと思うよ、僕にはとても出来そうにない』



カイ:『そんな事ない。あの頃から、お前は凄いやつだよ』



アレジ:『あの頃・・・?』



カイ:『改めて、俺はカイ・シグスと言う。よろしく』



0:カイは半分強制的に握手する



アレジ:『・・・あぁ・・・そうか。少しずつ思い出してきたよ。はは、うん。改めてよろしく。カイ』



カイ:『お前も自分の名前、思い出したか?』



アレジ:『うん、思い出したよ』



カイ:『・・・お前の名前はなんだ。』



アレジ:『ーー僕はアレジ・アンドレイ。君が言うところの、お調子者の問題児だ。』



カイ:『・・・そうだな。



カイ:あそこの生活は地獄そのものだったな。訓練は毎日しんどくて、溺れかけたりとか、朝から晩まで走らされたり、変なお調子者の問題児に毎日くっついて回られたり』



アレジ:『・・・はは、懐かしいね。でも、エマと、カイと、三人で過ごした学院生活も悪くなかった。いや、楽しかったなぁ』



カイ:『・・・あぁ、楽しかったな。』



0:回想 アーヘン高等学院 教室



エマ:(N)「入学して数ヶ月後、初の遠征任務。私達は学生の身でありながら、異常性を使って犯罪を繰り返す異常体を捕まえることに成功した。とある日の夜」



カイ:中央解放戦線。赤い林檎



アレジ:…



カイ:俺と、エマの故郷を奪った。クソ野郎どもだ



アレジ:…ああ。よく、解ったよ



カイ:……。



エマ:復讐だなんてくだらないって、アレジはそう思う?



アレジ:…いいや?思わないよ



カイ:…そうか



アレジ:人を突き動かす感情は様々だ。僕はそれを否定しない



カイ:ありがとう。



アレジ:君は、彼らの何を感じて。そう思ったんだい



カイ:端的に言えば、故郷を奪った。これに尽きる



アレジ:…。そっか



エマ:私とカイが通ってる学校は駅を三つ超えた先でさ。たまたま、助かった



カイ:…どうやら、あのくそ林檎は。こう宣言してるらしい。異常体の人権を確保する。って



アレジ:うん。いい事じゃない



カイ:人権確保の為に人を殺すのがか。こっちの人権はどうなる



アレジ:それはケースバイケースだ。大きい目で見れば、異常体を迫害する人間の方が割合がずっと多い



カイ:人種差別からまるで学んでない。異常体を取り巻く差別問題も、俺からしたら知ったこっちゃない。



カイ:それは、俺が異常体を恨まない理由にはならない



アレジ:…馬鹿みたいに、真っ直ぐだね



カイ:…。俺は、異常体を殺す為にここに来た。それ以外は、どうでもいい。



アレジ:…そっかぁ…。じゃあ、次は僕の番だね



カイ:…ああ。



エマ:…私、いない方がいい?



アレジ:いいよ。エマにも聞いて欲しい



エマ:うん



アレジ:律儀なカイのことだ、どーせ言ってないんだろ



カイ:…信用してるからだ



アレジ:ありがとう。じゃあ、単刀直入に



0:



アレジ:僕は、異常体だ



カイ:……。



エマ:……え?



0:回想 終了



アレジ:『そうだそうだ、あったねぇ。そんなことも。随分と懐かしいなぁ。』



カイ:『そうだな。』



アレジ:『君もそう思わない?エマ。』



カイ:『・・・』



エマ:「うん、本当に懐かしい。だいぶ前の事だけど、今でも鮮明に思い出せる」



アレジ:『はは、そうだね。あぁ、そう。君たちの覚悟を聞いた。打ち明けてくれた。いい夜だった』



カイ:『・・・あぁ。』



0:回想 アーヘン高等学院。医務室



エマ:カイ?知ってたの?



カイ:知ったのは三日前の実地遠征でだ。予定にない異常体と交戦中。無闇に突っ込んだ俺をアンドレイが助けてくれた。



カイ:異常性を使って。



エマ:…。アレジ。



アレジ:うん。本当だよ。そこに何も嘘はない



エマ:…聞かないことは山ほどあるけど。



カイ:ああ。まずは、なぜお前がアーヘンに来たのか。それを聞かせてくれ。金のためってのは、嘘だな



アレジ:うん。嘘だ。僕は。この世を正したくてアーヘンに来た。



カイ:ざっくりしてんな



アレジ:ざっくりしてんのよ、実際。異常体が迫害されるこの世はおかしい。そうでなくても。誰かが誰かを、陥れる。間違っているのは人そのものだ。



カイ:…



アレジ:僕は、異常体でありながら、君達人類の正しさを否定する。だから、カイ。エマ。



アレジ:君達とは、価値基準が合わないかもしれない



エマ:…



アレジ:最初、カイが僕に言ってた事だ。その通りだと思う。お互いが不快になってしまう前に。終わりにしよう



カイ:待てよ



アレジ:なに



カイ:お前がどうやって監察局をだまくらかしてここに居るのか、とか。お前の異常性の詳細とか。そんな事は聞かない



アレジ:うん



カイ:ひとつだけ。これに答えろ



エマ:カイ…



カイ:お前は、俺の友達か



アレジ:――――…



0:アレジは天井を見つめた



アレジ:僕にとっては、そうだよ。



アレジ:でももし。僕が本当に、あのまま。こうならずに君達と出会っていたのなら。



アレジ:きっと。君たちにとっても、そうだったんじゃないかな



カイ:…。アレジ。絶対に、俺と、エマと。お前で。中央に行こう



アレジ:…え?



カイ:お前にとって、俺たちが友人なら。もうそれ以上は何も言わない。お前の夢も、俺が手伝う



エマ:わ、私だって!手伝うよーっ。任せてっ



アレジ:でも君たちは異常体を憎んでるんだろう?僕とはまるでソリが合わないじゃないか



カイ:俺は確かに異常体を憎んでる。多少、差別視してる節もある。でも、そんなの知ったことか。



カイ:友達は、別だ



エマ:そーそーっ。デザート別腹理論っ



カイ:ああ。別腹だ。だからアレジ。お前の夢は。俺達が手伝う。



エマ:うんっ



アレジ:……君達の目標は。手伝わなくていいのかい?



カイ:これは俺と、エマの問題だ。お前を巻き込めない。文字通り命懸けだからな。本当はエマも置いていきたいくらいなんだが



エマ:ちょっと



アレジ:…はは。よっと。ぐわしっ



0:アレジは二人を抱き抱える



エマ:ちょっ、アレジっ!



カイ:お前っ、まだ腕治ってねぇんだから



アレジ:だいじょーーぶっ。君達なら、君なら。きっと出来る。僕が保証するっ



カイ:…おう…!



エマ:ふふん。任せんしゃい!



アレジ:僕と君達の行く先はきっと違う。違うけれどもっ。それでも僕らは友達だっ。



カイ:あたぼーよ



アレジ:それに。カイ、君はちょっと人を頼らなさすぎるきらいがある



エマ:そーだそーだ。いつも俺が俺がって



アレジ:昔の僕にそっくりだ。いつか、このままじゃ何か大事なものが手からこぼれ落ちる。救いきれない物がある



カイ:歳上風に言うな、ほぼ年齢変わらんだろ



アレジ:やかましいっ。



カイ:ってぇなぁ!やめろっ!



アレジ:カイ。君には。エマも。シャオ、ハゼット、ラインハルト教官、アスカ教官も居る。たまには周りを頼りなよ



カイ:……。お前はどうなんだよ。アンドレイ



アレジ:はっ。言うまでもねーだろ。存分に頼りな



カイ:…じゃあ。頼りにしてるぞ。アレジ



エマ:おっ!?



アレジ:言ったね。今。アレジって



カイ:…ああ。言った



アレジ:はっ。じゃあ今日から相棒だっ。カイ



カイ:足引っ張るなよ。アレジ



0:二人は拳を合わせる



エマ:ぶーぶー。私も混ぜろこら



アレジ:男の友情ってのがあるのよ



カイ:そういう事だ



エマ:カイ取られたんですけどーっ!



アレジ:冗談だよ。君も、よろしく。エマ



エマ:へんっ。任せなさいっ



0:回想終了



エマ:「たっはぁ〜。青春してるな〜」



アレジ:『いいじゃないか、若いって感じで』



カイ:『あの時は俺達もまだガキだったしな』



アレジ:『今でも十分。ガキだよ。僕らは』



エマ:「・・・」



カイ:『・・・そうだな。』



エマ:「そういえば飛びっきりの青臭いエピソード、あったよね」



アレジ:『飛びっきりの青臭いエピソード・・・?』



カイ:『?』



アレジ:『あぁ〜』



カイ:『あぁ』



カイ:(同時に)『あれか』



アレジ:(同時に)『あれだ』



カイ:『あ』



アレジ:『お』



0:回想 アーヘン高等学院 文化祭当日



エマ:で・・・私達の準備した出し物が



アレジ:花火、だ。確か日本のものだったっけ



カイ:あぁそうだ。昔、俺とエマとで花火祭りに行って遊んだことがあってな。綺麗だったから



エマ:にしても打ち上げ花火って・・・あんたそんなのどうやって



アレジ:僕が持ってきた



エマ:わぁ〜お



カイ:こいつ、運賃不要の配達員だから



アレジ:ひっでぇおまっ。カイが買って来いっていったんだろっ



カイ:はは、悪い悪い。



エマ:最近カイ笑顔増えた〜?私かなり嬉しい



カイ:まぁ、そうだな。前よりは。



アレジ:おやおや。そりゃ僕のおかげってやつですかい?



カイ:ああ。そうだ



アレジ:なんだいなんだい急に、恥ずかしいからやめなって



エマ:…ぷっ



0:三人、少し笑う



カイ:…よし。いい思い出、作ろうな



アレジ:は。当然でしょうよっ



エマ:当然でしょうねっ



0:文化祭 花火



アレジ:いいかい?君がこのバーナーで花火に火をつける。僕はこの花火を上空200メートルまで飛ばす



カイ:異常性を花火に使うやつなんて聞いたことないぞ



アレジ:じゃあ、僕が初めだ



エマ:こういう使い方だけなら世の中平和なのに



カイ:ああ。まったくだ。さぁ!行くぞ!



アレジ:はいよっ



エマ:おお。おおっ。わくわくするっ。



カイ:近過ぎて綺麗には見えないだろうけどな



アレジ:安心してくれ、花火を移動させたと同時に僕らも移動する



エマ:え・・・でもアレジ、異常性のクールタイムは・・・



アレジ:言っとくけど。僕の異常性はかなり汎用性が高い。クールタイムは僅か6秒だ



カイ:ったく、本当にお前は悪ガキだな



アレジ:僕達、だろ。



カイ:は。だな。



エマ:え。私もなの?



カイ:黙認はほら



アレジ:共犯でしょ



エマ:はぁー。しゃあない。罪被ったろ!



アレジ:よひ。さぁ!行くよ!



カイ:あぁ!



エマ:がんばれ〜!



カイ:えっ、と…。ここを捻って。こう、かっ



エマ:(M)バチバチっと音を立て、花火の導火線に火が付いた



アレジ:よーし。SCRAMBLEスクランブル



カイ:(N)花火が俺たちの前から姿を消す。何時ぶりだろう、こんなにワクワクするのは



アレジ:もういっちょ!SCRAMBLEスクランブル



0:屋上



カイ:(M)もう一度アレジがそう唱えると、俺達は校舎の屋上にいた。



エマ:(M)そこから見えた花火は



カイ:(M)涙が出そうになるほど綺麗だった。



0:回想 終了



エマ:「・・・」



カイ:『・・・』



アレジ:『あぁ。今でも思い出せるよ、あの花火は本当に綺麗だった』



エマ:「そうね」



アレジ:『それでさ、エマが花火見てるかと思ったら実はカイを見てたっていうのも僕も覚えてるんだよね』



カイ:『・・・』



エマ:「ちょ、アレジ!」



アレジ:『いいじゃんいいじゃん、久しぶりにこうやって話せたんだからさ。言っちゃいなよ、エマ。君はカイの事が好きだったんだろう?』



エマ:「だから私はーー」



カイ:(無視して)『続きを。話そう』



アレジ:『ちぇ〜。カイったら釣れないの〜』



エマ:「いいから、カイ。続きを話して」



アレジ:『照れてからに』



カイ:『・・・』



0:場面転換 回想 アーヘン高等学院 屋上



エマ:おお。本当に綺麗



アレジ:う〜ん天晴れだねぇ。



カイ:…。ありがとうな、アレジ



アレジ:え、何さ急に改まって



カイ:正直最初はお前のこと苦手だった。



アレジ:だろうね。



カイ:でも今は…俺の、相棒で。俺たちの…。親友だ



アレジ:…。熱ある?



カイ:茶化すな



エマ:そーだよ。アレジは私達の親友。嫌?



アレジ:…。まさか。嫌なわけ



カイ:だろうが。だから、ありがとうだ



アレジ:…うん。こちらこそ、ありがとう。



アレジ:…だね…!



カイ:なんだそれ



0:三人少し笑いあった



エマ:そろそろ花火、終わっちゃうね



カイ:来年も、見ような。三人で



エマ:うん



アレジ:終わる前に、一ついいかな。少し大事な話を



カイ:ん。なんだよ



アレジ:この前話した、僕がここに来た目的の続きを話したい。



カイ:?そりゃお前、もう聞いたぞ



アレジ:うん。異常体が差別されない世界を作るってのは本当だ。でも、あとひとつ。まだ話してないことがある。



アレジ:聞いてくれるかな



カイ:そりゃもちろん。けど、今でいいのか。花火の音うるさいだろ



アレジ:今がいいんだ。最高に綺麗な物を見て、最高に綺麗な友情を手にして、こんな時だからこそーーーー



0:回想 終了



カイ:『・・・』



アレジ:『カイ?どうして話すのを辞めたんだい?その後の記憶が朧気なんだ、話してよ』



エマ:「・・・」



アレジ:『エマまで黙っちゃって、あれ。まださっきの事引きずってるの?



アレジ:あぁ、じゃあ当てるよ。この後僕が言ったのは本当はエマはカイのことーーーー』



エマ:「違うってば」



アレジ:『またまた〜じゃあそれ以外に何を』



カイ:『アレジ。お前はさっきから、誰と話してるんだ。』



エマ:「・・・」



アレジ:『・・・え?』



0:場面転換 回想



エマ:(ニュース音声)「ーーー速報です。アメリカ、ニューヨークにて行方不明の通報が相次いでおります。

エマ:その数は凡そ3200件を超えており、ニューヨーク市警は総力を上げての捜索、原因の究明を行っております。」



カイ:『・・・さっきから・・・何を言ってるんだお前は。都合のいい記憶ばっか思い出しやがって』



エマ:(ニュース音声)「また、此度の事件の容疑者として、最も有力とされているのが現在世間を騒がせているテログループ「赤い林檎」の主犯であるーーー」



カイ:『ーーー俺から、アイツらを。幸せな日常を。エマを奪ったのは』



0:回想 アーヘン高等学院 屋上



0:花火を背景に暗い瞳でエマとカイを見つめるアレジ



アレジ:ーーー僕はアレジ・ロンドン。



アレジ:君たちが追っている。中央解放戦線



アレジ:赤い林檎のリーダーだ



アレジ:今回の解放作戦は。中央を潰す為の足がかりとして。



アレジ:中央職員育成機関を潰すこと。即ち



アレジ:今から。ここ。アーヘン高等学院を



0:アレジは手を空に掲げた



アレジ:―――襲撃する。



0:回想 終了



0:劣化した廃ビル



カイ:「ーーーー全部てめぇがやった事だ。アレジ・ロンドン。」



アレジ:「ぁ・・・」



0:カイはアレジに近付き光の灯らない瞳で見つめる



カイ:「その後、学院で何が起きたか覚えてるか?お前のお仲間が連れてきた3000人を超える群衆が学院を襲って、俺とお前以外の学院関係者は全員そいつらに殺された。」



アレジ:「・・・」



カイ:「教官も、シャオも、ハゼットも。エマも、お前らが殺したんだよ。赤い林檎。いや、アレジ・ロンドン」



アレジ:「・・・」



カイ:「あの時のうのうと生き残っちまった俺はただ登っていく朝日を見て誓ったんだ。

カイ:お前は俺が殺す。何年かかっても、必ず。そしてやっとその時が来たんだ。」



アレジ:「カイ・・・僕は・・・」



カイ:「アレジ・ロンドン。お前は死んだ方がいいよ。」



アレジ:「そうか・・・僕が・・・やったのか・・・」



カイ:「そうだ。お前がやったんだ」



アレジ:そうだそうだ。僕達が殺したんだったね、マックスも、リリィも、ハンスも、レーク教官も、アスカ教官も



アレジ:ーーーーエマも。



カイ:「思い出したかよ」



アレジ:「うん。しっかりとね。」



0:アレジは俯き空笑いをあげる



アレジ:「・・・はは。」



カイ:「・・・」



アレジ:「ねぇ、カイ。」



0:アレジは俯いたまま顔をあげない



カイ:「なんだ」



アレジ:「僕の友達は、どうなった」



カイ:「中央解放戦線「赤い林檎」メンバーはお前を除いて全員死んだよ」



アレジ:「そっか・・・そっか・・・」



カイ:「・・・」



アレジ:「僕は、結局何者にもなれなかった

アレジ:教えてくれ、カイ。」



カイ:「・・・」



アレジ:「僕は・・・どうすれば良かったんだと思う?」



0:アレジはカイを見つめる



カイ:「ーーっ!なんだよその顔・・・。今更、被害者面してんじゃねぇぞ!」



0:カイはアレジの胸倉を掴む



アレジ:「・・・」



カイ:「お前は人を殺した!何千人も、何万人もだ!そのお前が何を悲劇のヒーロー気取ってやがる!」



アレジ:「・・・いきなり叫ばないでよ、うるさいなぁ。こうやって叫ばれるのにはもう飽き飽きなんだ。」



カイ:「どうやら完全に記憶が戻ったらしいな。そうだ、それがお前という人間だよ。アレジ・ロンドン」



アレジ:「・・・そうだね。これが僕という人間だ。仲間も失って、虫の息の僕をわざわざ殺しに来る程恨まれてる。そんなクソ野郎が僕だ」



カイ:「あぁそうだな。てめぇはクソ野郎だよ!アレジ・ロンドン・・・!」



アレジ:「君に何がわかるんだよ。きっとカイが僕と同じ立場でもそうしただろうさ。しょうが無かったんだ」



カイ:「全くもって分からねぇな!色んな人間を裏切って、殺して、こんなことまで仕出かすテロリストの考えなんざ分かりたくもねぇ!」



アレジ:「そうかい。ならさっさと僕を殺してしまえばーーー」



カイ:「でも。ーーーでも、アレジ・アンドレイ。お前を理解する事なら、できる」



アレジ:「・・・っ」



カイ:「お前の過去に何があったのかなんて知らねぇ。興味がねぇ。俺が知ってるお前はアレジ・アンドレイだ。」



アレジ:「何を言ってるのか理解し難いね、僕はそもそも君達を裏切る前提でアーヘン高等学院に入学した」



カイ:「分かってるさ。でもそれは、俺の知ってるお前じゃない。」



アレジ:「それはただの現実逃避だ。」



カイ:「だからこそ。俺はお前を殺しに来たんだ。アレジ・ロンドン。」



アレジ:「・・・何が言いたいんだ」



カイ:「もう一度聞くぞ。アレジ。

カイ:お前は誰だ」



アレジ:「何度も言わせないでくれ、僕の本名はアレジ・ロンドンだ。テロリストで、このバグテリアでの乱戦引き起こした張本人で、第八十三期アーヘン高等学院生で、そこではアレジ・アンドレイとして活動して、元中央政府監察局の監察官で。それで・・・」



カイ:「・・・」



アレジ:「赤い林檎を食べた。そして・・・」



カイ:「そして、なんだよ。言ってみろ。」



アレジ:「・・・これを言ったら、僕はきっともう自分を保てない」



カイ:「言え。」



アレジ:「勘弁してくれないか、最後まで僕はーーー」



0:カイは激しく壁を叩きつける



カイ:「そして、なんだ。言え。言ってくれ、アレジ。」



0:アレジは力なく崩れ落ちる



アレジ:「・・・そして・・・僕には・・・大切な友人が居た。」



カイ:「・・・」



アレジ:「みんな僕のことを慕ってくれた。こんなどうしようも無い僕を必要としてくれた。」



カイ:「・・・」



アレジ:「でももう、誰も居ない。

アレジ:想像出来るかい?本来の自分を知ってくれている人間が一人もいないという恐怖感が、焦りが」



カイ:「・・・」



アレジ:「僕を殺すと叫ぶ声が、怨まれる怨嗟の声が、頭からこびりついて離れない

アレジ:あの日、僕が君達の日常を奪った日の、エマの最後の言葉が。今でも」



0:回想 襲撃されるアーヘン高等学院



エマ:…アレジ



アレジ:なんだい



エマ:…あんた。自分が何をしてるか。分かってんの



アレジ:分かってるよ。あの時も言ったろ。僕と、君達の行く先は違う



エマ:…っ。私は。アレジのこと。友達だと思ってた。いいや、今でも。まだ、思ってる



アレジ:僕もだ。君達は僕の大切な友人だもの



エマ:だったら。もう、こんなこと辞めて



アレジ:それはできない。僕には僕の目標がある。それを手伝うと軽々しく言った君達にも責任がある



エマ:…それは。知らなかったから



アレジ:そう。知らなかったんだよ。君たちが追ってる異常体が、僕だって。それでも言ってくれた。僕の夢を手伝うって



アレジ:でも。カイは僕に銃口を向けたろ。正直、ショックだったなぁ。



エマ:どの口が言ってんの…!



アレジ:ね。僕もそう思う。それでもショックだったんだ。だってほら。友達は別。じゃあ、なかったんだろうか



エマ:……



アレジ:だからさ。エマ。勿論、カイも。



エマ:なに



アレジ:僕と一緒に来ないか



エマ:……



アレジ:…



エマ:違う。違うよ、アレジ



0:エマは銃口を向けた



エマ:一緒に来るのは。あなた。



アレジ:…



エマ:アレジが私たちを騙して。こんな事をして。アスカ教官を。色んな人を、殺した。当然許せない。許すべきことじゃない。



アレジ:そうだね



エマ:このまま捕まっても極刑はま逃れない。然るべき罰がある



アレジ:そうだね



エマ:それでも。私は。貴方を許したい。アレジ



アレジ:…



エマ:世界の誰が貴方を許さなくても。私は。きっと、カイだって。アレジを見捨てない。友達だもん



アレジ:だったら君が僕とこい



エマ:命令しないでっ。私はっ…!貴方をここで殺してでもっ。アレジ・アンドレイを取り戻す…!



アレジ:僕はアレジ・ロンドンだ。君達が二年かけて学ぶはずだった殺すべき、君達の敵。ステージ5の、異常体だ



エマ:あなたはそれで幸せなの…!



アレジ:バカ言うなよ。僕の居場所は、最初からこっちだ



エマ:じゃあ。…じゃあ、アレジ…!



0:涙ぐんだ



エマ:貴方は。私たちとここで過ごした日々が、全部嘘だったって、そう言うの…!本当は裏で殺す命だって、そう思って過ごしてきたの…!?



アレジ:君たちを殺したくないっ。これは本当だっ。だから僕と来いって言ってるんだよ!



エマ:そんなの友達じゃない!脅迫じゃん!隷属だなんてごめんだよ。そうなるくらいなら。私は、アレジ・アンドレイの友達として。



0:構えた



エマ:死を。選ぶ



アレジ:…難儀。だね



エマ:カイは。ここに来て、笑顔が増えた。嬉しかったぁ。アレジ。あんたが居たから。きっと、カイはこの先。なにがあっても大丈夫だって。そう、言ってた…!



アレジ:…君は言ったよ。死を選ぶって。



エマ:私はアレジを信じてるっ!きっと、まだ…!迷ってるんでしょ…!?後ろめたいって…!思ってんだろっ!アレジ!!



アレジ:(M)黒くて。湿気が漂ってて。ただただ重い。そんな何かに。頭が埋め尽くされる感覚だ。あの時も。こうだった



エマ:だから私が、やめさせる!貴方にもう、誰も殺させない!ここで止めてみせるっ!



アレジ:(M)後に引けない。行く先は闇。辿ってきた道も分からない。だから。ただひたすらに。ひたむきに。前へ



エマ:信じる…!信じてるっ!私は…!私達は、最後まで貴方を信じてみせる…!貴方はもう、誰も殺さない!私たちの友達は、そんな奴じゃない…!



アレジ:(M)邪魔だ。障害だ。僕の行く先を防ぐな。そっちを照らすな



エマ:そうでしょ…っ!!カイぃ…っ!



0:立ち尽くすカイ



カイ:……は…?



アレジ:…やあ。カイ



カイ:待て。アレジ。



エマ:…もう一度言うよ。私は、貴方を信じ―――



カイ:アレジっ!!!やめろぉおっ!



アレジ:―――SCRAMBLE。



0:回想終了



アレジ:「ーーー悪夢だよ。今まで命を奪った人達の声が頭の中でずっと聞こえてくる。そしてその中でも一番大きいんだ、狐の鳴き声が」



カイ:「狐・・・?」



アレジ:「狐は僕にこう言うんだ。より悪い方へ。より面白い方へ。無駄にするな。ってね。

アレジ:気が狂いそうだ、罪悪感と焦りに潰されそうなんだよ。

アレジ:だから、もうどうすればいいか分からない・・・」



エマ:「カイ」



カイ:「・・・わかってる。」



アレジ:「カイ、僕を・・・解放してくれ・・・」



エマ:「・・・」



カイ:「アレジ。これは・・・誰が始めた笑い話だ」



アレジ:「僕だ。僕が始めたんだ」



エマ:(被せて同時に)「違うわ。」



カイ:(被せて同時に)「違うな。」



アレジ:「・・・」



エマ:「これは、私が」



カイ:「俺達が始めたどうしようも無く笑えない物語だ。

カイ:・・・だがそれももう、これで終わりだ。」



アレジ:「・・・」



0:カイは拳銃と通信教育を投げ捨てた



カイ:「これで。もう武装はない。応援も呼べない。ハンデだ。くれてやるよ」



アレジ:「・・・はは。僕は横腹に風穴が空いてて出血多量で、右腕も無いんだよ・・・?ハンデにしちゃ軽過ぎるんじゃないかな」



カイ:「勝たせる気は、あまりないからな」



アレジ:「はは・・・そっか。でもいいのかい?あと三十分後には僕らが仕掛けた大掛かりな爆発がこの街一帯を襲うよ。

アレジ:ほら、打ち上げ花火だよ。ドカーンっとね」



カイ:「問題ない、それまでには終わらせるさ」



アレジ:「・・・りょーかい」



カイ:「俺達は友達だよ。あの日常の全ては、俺にとって嘘じゃなかった。」



アレジ:「悪いけど、僕はアレジ・ロンドンだ。どこまで行っても、それは変わらない。」



カイ:「相変わらず頑固だな、まぁいい。だからこそ、ただの殴り合いだ

カイ:それに、俺はアレジ・アンドレイって男に体術で勝てたことがなかったからな。」



エマ:「確かに、カイは新体テスト全般ではいつもアレジに負けていたものね」



カイ:「あぁ、負けっぱなしってのはあれじゃないか。アレジ」



アレジ:「・・・そうだね。頭に来るってやつだ」



0:アレジは立ち上がり、カイの前に立つ



カイ:「歯食いしばれよ、アレジ」



アレジ:「お手柔らかに頼むよ、カイ。」



エマ:「なんて事はない。どこの日常にでもある、ただの殴り合い。」



0:二人は一斉に殴り掛かる



カイ:「うぉぉぉおおっ!」



アレジ:「うぉぁおおおっ!」



エマ:「子供の喧嘩のようにお互いを殴り合う二人を見て、納得した。

エマ:きっと、アレジは誰かと対等になりたかっただけなんだ。それはきっと、あの時の私達じゃダメだったんだと思う。」



カイ:「ぐっ・・・!」



アレジ:「ぶはっ!」



エマ:「だって、今、アレジはこんなにも満ち足りた顔をしているんだもの」



カイ:「はぁ・・・はぁ・・・ちっ。」



アレジ:「ぺっ、・・・はは。」



エマ:「無邪気に、子供が友達と原っぱを駆け回っている時のような。そんな顔」



カイ:「その・・・出血量と・・・打撲だ。お前は、もう・・・数十分以内には事切れる。」



アレジ:「はは・・・数十分・・・持てば・・・いいけどね・・・」



カイ:「中央政府監察局。カイ・シグス。いざ尋常にーーー

カイ:なんてな。ハンデ以外の出し惜しみは無しだ。死体蹴りまで覚悟しとけよ、アレジ」



アレジ:「はは、いいね。

アレジ:ーー赤い林檎が一柱いっちゅう。アレジ・ロンドン。

アレジ:まぁ精々、足掻かせてもらうよ」



エマ:「お互いの意見が食い違った。ただそれだけの、喧嘩なんだ。」



0:場面転換 数分後



カイ:「はぁ・・・はぁ・・・やっと倒れたかよ・・・」



アレジ:「・・・ごぷっ・・・」



0:カイは動けなくなったアレジに近づく



カイ:「・・・約束通り、お前を・・・解放してやるよ、アレジ。」



エマ:(N)「時計の針が動いた。核爆弾投下まで、残り三分」



アレジ:(N)「・・・狐の声が聞こえる。

アレジ:「まだ死ぬな」「まだ面白くなる」「つまらない」と



アレジ:その声は僕に、手元に転がっている割れたガラス片を持たせようとした。



アレジ:この距離で最後の力を振り絞れば、きっと僕はこの男の喉元を掻っ切ることが叶うだろう。」



カイ:「・・・」



アレジ:(N)「人類の原罪は、林檎を食べたことだという。だから「俺」は、この世界にナイフを突き立てた。」



エマ:「世界は腐っていると貴方は言った。」



アレジ:(N)「・・・でも「僕」なら、きっとそんな事はしないんだろうなぁ



アレジ:なんの意味も残せず、死んでいく。



アレジ:でもそれは、ここで生き残ったって、死んだって、きっと一緒だ



アレジ:どの道「俺」は、あの日からずっと死んでた様な物なんだから」



エマ:「だから、もう辞めよう。帰ろう?アレジ。」



アレジ:(N)「色んな人の声が聞こえる。それは友人だったり、家族だったり、同僚だったりもした。

アレジ:そして最も大きいのは狐の声。

アレジ:静かにしてくれ。うるさい。うるさい。うるさい。」



0:アレジはガラス片を持つ手を強く握りしめる



カイ:「・・・」



エマ:(N)「核爆弾投下まで、残り二分」



アレジ:「ーーーー黙ってろっ!!!

アレジ:・・・もう、何も聞きたくない」



0:アレジはガラス片を捨てる



カイ:「・・・」



アレジ:「・・・頼むよ、カイ」



0:カイはアレジを首に手をかけるように抱きかかえる



カイ:「ーーーアレジ・アンドレイ。どうか俺の腕の中で死んでくれ」



アレジ:「・・・ありがとう。」



エマ:(N)「核爆弾投下まで、残り一分」



0:しばらくの間



0:倒壊した壁から外を眺めるカイ



カイ:「・・・見ろよアレジ、あのガキの三人組。機動隊やレスキューの避難指示を無視してまだあんな所で遊んでやがる。まさかあと数分もしないうちにここが爆発に巻き込まれるだなんて思いもしないんだろうな。」



アレジ:「・・・」



カイ:「でも、あの三人組の気持ちが分かるんだ。お前も、分かるだろ。

カイ:あ〜あ、転けてら。はは」



エマ:(N)「ーーーー時計の針が止まった。都市爆破テロ、定刻」



カイ:「・・・難儀、だなぁ。」



アレジ:「・・・・・」



カイ:「・・・これが・・・花火か・・・。馬鹿、こんな物騒な花火あってたまるかっての・・・」



アレジ:「・・・」



エマ:「ーーーお疲れ様、カイ。」



カイ:「・・・あぁ。エマ」



0:間



エマ:(N)「そこから見えた花火は」



カイ:(N)「涙が出そうになるほど綺麗だった」



0:都市全域を覆う爆破が二人を巻き込む



エマ:(N)「ーーー都市全域を巻き込んだ核爆弾投下の死亡者は8万人を超えた。

エマ:そこから9時間後、都市郊外の倒壊した廃ビルの瓦礫から

エマ:アレジ・ロンドン。カイ・シグス両名の遺体が発見される。」



アレジ:「時間はーーーー」



カイ:「ーーー午後だった。」



0:ーーーー解答者達の午後ーーーー




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