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異能力者達の午後  作者: ゆーろ
異能力者達の午前
27/32

解放者達の終末

0:『解放者達の終末』





マルボロ:お前は。今自分が歩いている道が。間違ってると思うか



アレジ:……っ。



0:拳を握りしめた



アレジ:―――思わない。



マルボロ:…そうか



0:笑った



マルボロ:ならそれでいい。



アレジ:…。螺旋階段。久しぶりに、やりたいね



マルボロ:おう。これが終わったらやろうな



アレジ:…うん。やろう



0:ノルド廃病院近郊



カイ:…。久しぶりだな。



カイ:グローザ。



グローザ:…ああ。本当に、久しぶりじゃなか。



グローザ:カイ・シグス。



ペンスタン:カイっ!良かった、無事だった!



カイ:ああ。なんとかな。



ペンスタン:ホトバシとも、トトリヨシュアとも連絡がつかない!何か聞いてない!?



カイ:…ホトバシさんは。ロックスミス兄弟と戦闘中だ



ペンスタン:…え。



カイ:…。



ペンスタン:それで。逃げてきたの。貴方だけ



カイ:…ああ。そうだ。俺だけ、逃げてきた



ペンスタン:…っ。最低!なにやってんのカイ!



カイ:…すまない



グローザ:無理もないだろう。ロックスミス兄弟なら二人がかりでも犬死だ。その選択は正しいと思うぞ



カイ:…っ。



ペンスタン:…でも…!



グローザ:私達は私たちの仕事をしよう。



カイ:…。お前も。一応協力者。ってことで。いいんだよな。今は



グローザ:今は執行部だ。今も何も、一応は仲間だ



カイ:……。そうか。



ペンスタン:カイは、どうしてここまで来たの



カイ:…。ヴルカーンさんから報告があった。



ペンスタン:…?なんの。



カイ:赤い林檎の。居場所



グローザ:―――…。まったく。懐かしい顔ばかりだな



ペンスタン:…。さっきは、ごめん。カイ。理由も聞かずに怒鳴った



カイ:ああ、大丈夫だ。俺がしっぽ巻いて逃げたのに変わりはない



ペンスタン:……。私も、お兄ちゃんを



グローザ:ペンスタン・レイン。それはだめだ



ペンスタン:…。分かってる



カイ:…?なんだ?



ペンスタン:ううん。なんでもない。中央政府執行部。ペンスタン・レイン。赤い林檎解体に合流するよ



グローザ:同じく。アンダンテ・S・グローザ。本作戦に合流する



カイ:―――ああ。じゃあ、行こう。



グローザ:(M)…アレジか。参ったな。お前の頼み、聞いてやれるか分からなくなってきたぞ。カルビス



カイ:これより。中央解放戦線。赤い林檎の解体へ移行する



0:ノルド廃病院



アレジ:(M)風が、気持ちいい。



アレジ:(M)清々しいほどに。街の喧騒とはかけ離れた空間



アレジ:(M)ふと。足音がした



カイ:…。



マルボロ:(M)随分と長い。長い旅だった。



マルボロ:それは話せば一蹴される様な、ただ道逸れるだけの、友人との旅。



アレジ:……。そうか。もう、来ちゃったか。



アレジ:最後は。君たちだと思った



アレジ:最後は。僕達だと思った。



マルボロ:(M)こいつと、この一本道を、歩いてきた。



マルボロ:(M)後戻りも許されない。一本道を。ただひたすらに、ひたむきに。



マルボロ:(M)ーーー前へ



アレジ:なんだか少し。嬉しくも思うよ



0:入口を眺めた



アレジ:――――やあ。カイ。



カイ:――――よお。アレジ



アレジ:『解放者達の終末』



マルボロ:…。こりゃまた。懐かしい顔まで



グローザ:久しいな。マルボロ



アレジ:うげ。まじで中央で雇われてんじゃん、ちょっと転々とし過ぎじゃない?



グローザ:ああ。私もそう思う。



ペンスタン:貴方達が、赤い林檎



アレジ:ああ。そうだ。僕が中央解放戦線。赤い林檎のリーダー。アレジ・ロンドンだ。お初に、ペンスタン・レイン



ペンスタン:調べあげてるね、ファン?



アレジ:冗談。超絶アンチだよ



マルボロ:グローザ相手は、ちぃと面倒くせぇな



アレジ:まったくだよ。だから―――



0:手を向けて



カイ:…!頭を伏せろ!持ってかれるぞ!



アレジ:まずは、邪魔虫から潰す。ことにするよ



マルボロ:了解。



グローザ:Espadaエスパーダ



アレジ:SCRAMBLEスクランブル



0:場面転換



0:ノルド廃病院。1階



カイ:――――っ!?どこだここ!?



マルボロ:お前の相手はおれらしい。カイ・シグス。



カイ:………。なるほど、分担かよ



0:場面転換



0:ノルド廃病院屋上



アレジ:…。さあ、君らは僕に殺されてくれ



ペンスタン:…私達二人を相手にする気?舐められてる



グローザ:ああ、舐められている。が、あいつはやる気だぞ。本気で



アレジ:勿論。しっかり殺すつもりだよ。



ペンスタン:私今、結構気が立ってるんだ、貴方に暴力を振るうけど。許してね



アレジ:奇遇だね。僕もだ



グローザ:いつからそんなに仲間想いになったんだ、アレジ



アレジ:覗くなよ。気色悪い



ペンスタン:グローザ。あいつ強いの



グローザ:弱くはない。ステージ5だからな



ペンスタン:あ、そ。



アレジ:…。特務班。だっけ。そこのきみ



ペンスタン:そうだけど



アレジ:カイも特務班なんだよね



ペンスタン:そうだけど、なに



アレジ:…仲良く。してるのかな



ペンスタン:仲良くない。あんなの。大嫌い



アレジ:……。仲良くしてるんじゃないか



ペンスタン:…貴方よりは。ね



アレジ:…っ。普通にムカついたよ。死んでくれ。ペンスタン・レイン



グローザ:元雇い主に矛を向けるのも複雑な気分だな



アレジ:止めるのかい。君が?まさか本気で中央の命令を遵守してるの?



グローザ:いいや。私には、頼み事がある



アレジ:はぁ。君も少し。変わったね。



ペンスタン:来るなら来いよ、赤い林檎…!



アレジ:それじゃあ、遠慮なく



グローザ:Espada



アレジ:SCRAMBLE



0:場面転換



0:ノルド廃病院1階



マルボロ:……まずは。よくお前ここまで生き残ったな!?すげぇじゃん!?



カイ:ああ。そうだろう。



マルボロ:あれから二年?三年?あんま経ってねえのに。背も伸びたな



カイ:ああ、そうかもな。



マルボロ:お前に会えるってうちのリーダーがずぅっとぴょんぴょんしてたぞ。愛されてんな、お前



カイ:…



マルボロ:なんだ?顔色くらいな



カイ:お前達は。どうして人を殺すんだ。



マルボロ:…さあ?殺さなきゃいけないから殺してる



カイ:アーヘンの皆は、殺さなきゃいけなかったのか



マルボロ:まあー作戦だしなあ。



カイ:………そうか。



マルボロ:しかしお前。変わんねえな。顔つきは



カイ:…



マルボロ:ずっと何かに向かって突っ走ってるっつー顔だ。やっぱ俺の直感は当たってたっ。似てるよ、お前ら



カイ:……そうか。なら、そうかもな。



マルボロ:重ねてになるが。あんがとな。



カイ:あの時も言ってたな。なんの礼だ。



マルボロ:…いいや、あいつが。この道は間違ってるかもしれない、そう思えたってのは。ちゃんとした一歩だ。そのきっかけは間違いなくお前だよ。カイ・シグス



マルボロ:だから、ありがとな



カイ:…今から殺し合うのに、やりづらいことを言うな、



マルボロ:はっ。性分なもんで



カイ:…。赤い林檎は。どうして作られたんだ



マルボロ:何だ急に



カイ:…気になった



マルボロ:………。アレジは元々、中央政府監察官だった。こりゃ知ってるな?



カイ:ああ。情報局のアーカイブで見た。



マルボロ:あいつが異常体になった原因は、知ってるか?



カイ:いいや。そこは明記されていなかった。



マルボロ:……。あいつが異常体になったのは。



マルボロ:俺の為なんだ



カイ:…



マルボロ:俺とアレジは、中央に居た頃から親友で、相棒だった。でもほら。俺ってステージ2だから、結構無能だったのよ。



マルボロ:高難度任務でボコボコされて、アレジはそれにまーじブチ切れ。



マルボロ:で。こんな所に居るくらいなら、異常体になって、中央から抜けよう。ついでにこんな世界も正しちまおうってのが。ざっくりとしたあらすじよ



カイ:……。そうか



マルボロ:そうだ。



カイ:じゃあ、アレジがああなったのは。お前が原因か?



マルボロ:まあ、見方によっちゃあ、そうなるな。



カイ:…そうか。



マルボロ:そうだ



カイ:……俺も。一応、親友で。相棒だったんだけとまな。



マルボロ:はっ。人気者だねぇ、アレジは。



カイ:…。俺が今ここに居るのは。アレジ・ロンドンを殺す為だ



マルボロ:ああ。それはさせねえよ。俺が生きてる限り、大将首はとらせねえ。



カイ:そうか。意見が食い違ったな



マルボロ:ああ。そうさな。



カイ:赤い林檎幹部。マルボロ・セルベルトの執行処分を開始する



マルボロ:来いよォ。カイ・シグスゥ…!



0:場面転換



0:屋上



アレジ:SCRAMBLE!!



ペンスタン:あっっぶなっ…!



グローザ:っ…。面倒だな。



アレジ:ああっ。こっちもまったくもって同じ意見だよ…っ!



グローザ:(M)敵に回すとこうも厄介か、アレジ・ロンドン



グローザ:ペンスタンから距離を取りつつ私への警戒も解かない。情報処理能力も込で考えればナンバーズクラスだな



アレジ:ぉおおおっ!



0:殴るが防ぐ



グローザ:…っ!



0:蹴り飛ばした



アレジ:っづぅーーっ!相変わらずちゃんとすればつよォいな、マグロ!



ペンスタン:(M)近付く…!触れさえすれば勝ちなんだ…っ!



アレジ:寄るなよ、SCRAMBLEスクランブル



ペンスタン:っ…!逃げてばっかりで楽しい?それとも美人に近付くのは緊張する?



アレジ:最初っから最後まで冗談きついね



グローザ:(M)私の思考解体は瞬間的に発動できるものでは無い。壊す訳ではなく、あくまで解体である以上、その構造を知らない内は解体できない。腕時計の構造を知ってから解体するように、思考を読み取った後、解くのが私の異常性だ。が



アレジ:そぉれ!SCRAMBLE



0:瓦礫を飛ばす



ペンスタン:っ…!こ、の、意味ないっての!



アレジ:首さえ落とせば僕の勝ちだろうがっ!



グローザ:(M)三人でこの混戦、目まぐるしい状況下に置いては



アレジ:よそ見かい、グローザ



グローザ:ちっ。寄るな、気色悪い



アレジ:かなしい、な!



0:蹴る



グローザ:っ!



ペンスタン:グローザ!



アレジ:だーから寄るなってっ!



グローザ:ペンスタン・レイン。頭を下げろ



アレジ:SCRAMBLEスクランブル



ペンスタン:…!ひょお…っ!



アレジ:上手く避けるね、首を落とすつもりで打ったんだけど



ペンスタン:舐めないで



グローザ:(M)読み取らせる時間も与えないか。それはそうだ。



グローザ:そうならそうで構わない。読み取れる範囲で、解くまでだ



アレジ:やっぱり嫌いだなあ、君らが…!さっさと死んでくれ!



ペンスタン:私も全く同じこと思ってるよ…!赤い林檎主犯…っ!



アレジ:(M)最悪、ペンスタン・レインは他のどっかに持ってけばいい。海とかに落とそう。まずは―――



グローザ:Espada…っ!



アレジ:(M)…っと。思考が飛んでった。また考え直しじゃないか。厄介だなあ



アレジ:グローザぁあっ!



0:二人、殴り合う



グローザ:体術で私に勝てたことがあったか、アレジ



アレジ:あるだろ!1回!



グローザ:あれは不戦勝のようなものだ。



アレジ:SCRAMB―…



グローザ:Espada



アレジ:―――っ。くそっ!お前、常に僕の思考読みながら戦ってんのかよ、器用だろ実は!



ペンスタン:私も忘れないで!



アレジ:(M)こっちは触れれば一発KO。距離を―――



グローザ:Espada



アレジ:――ぉおっ!?っべぇっ!



アレジ:(M)この野郎…!!いちいち解きやがる…っ!



ペンスタン:タッチっ。



アレジ:ぐぇっ…!くっ、そ…!どこ持ってかれた!?



ペンスタン:ナイスグローザ!



アレジ:(M)片腕、痛みは感じないのか、出血もしてない…!やっぱり厄介なのは、お前だよ。グローザぁっ…!



グローザ:Espa――…



アレジ:MOVEムーブッ!



0:瓦礫を飛ばす



グローザ:ごほっ…!



アレジ:てめぇが邪魔だよ!



0:瓦礫を飛ばし続ける



グローザ:かはっ…!



ペンスタン:グローザ!!



グローザ:(M)しくじったな。頭に貰った。まずい…。



アレジ:MOVEムーブッ!



ペンスタン:(M)間に合え!間に合え!走れ走れ走れ!!



アレジ:(M)まあそりゃあ、庇いに走るでしょーよ。させないけど



アレジ:SCRAMBLEっ!



0:ペンスタン、10m後方に飛ばされる



ペンスタン:っ…!



ペンスタン:(M)飛ばされた…!走っても届かない距離に…!



アレジ:もういっちょぉっ!MOVEムーブッ!



ペンスタン:グローザぁっ!!



アレジ:プチッと潰れろ激突しろっ!



0:グローザ、壁にたたきつけられる



グローザ:かは…っ!



0:グローザ気絶



ペンスタン:…っ。



アレジ:はい、まずは厄介なの終わり。次。おまえ



ペンスタン:…本当に。厄介なのはどっちだよ



アレジ:ところで。僕がアーヘンで、異常性検査結果をやり過ごした方法を、アーカイブで見たかな



ペンスタン:なにそれ。興味無いから見てない



アレジ:異常性を。その人の体から移動させる。ただ、それだけ



ペンスタン:―――っ!しまっ…



アレジ:SCRAMBLE



0:場面転換



0:1階



マルボロ:そーーらよっ!



0:蹴る



カイ:ごほっ…!



マルボロ:かーらーのー、AXXELL!!



0:蹴る



カイ:ごほっ…!



マルボロ:恨むなよぉカイ・シグス!!



カイ:お前こそ、なぁ…!



0:足を掴む



マルボロ:おろろろろ!?



カイ:ぉおおおおおらああああっ!



0:叩き付ける



マルボロ:ぎゃぶっ…!!



カイ:瞬間的な加速ならなんの問題もない。フィジカルでぶっ飛ばす。



マルボロ:脳筋、かよ…!友達になれそうだ…!



カイ:ワンっ!



マルボロ:ごほっ…!



カイ:ツーっ!



マルボロ:げぼぇっ



カイ:スリーっ!!



マルボロ:ぎゃぶぅぇっ!



カイ:フィニッシュ!!



マルボロ:ばふぶぇっ…!



マルボロ:(M)なん、だっ。こりゃ…!ボクシングか…!?



カイ:よく見とけよ。マルボロ・セルベルト。



0:手袋をはめ直した



カイ:人間が異常体を殺す方法を



マルボロ:ったく。三年前とは比べ物になんねえ。逞しくなりやがってなぁ、金髪ぅ…!



カイ:(M)直進型の加速ならなんの問題もない。現在地点から予測して



マルボロ:AXXELL!!



カイ:叩く!!



0:殴りつけるが防ぐ



マルボロ:っっとぉ!いいパンチ!でもこちとら孤児院上がりだ!素手の殴り合いなら負けねえよっ!



0:蹴る



カイ:ごほっ…!た、だの。不良がぁっ!



0:殴る



マルボロ:げほっ!



カイ:訓練された兵隊に勝てるわけねえだろっ!



マルボロ:AXXELLッッ!



0:逃げる



カイ:っっ…!緊急回避にも使えるか。いや、そりゃそうか



マルボロ:ったく!おっそろしいなぁ!?ちゃんと強えじゃねえかお前!



カイ:これくらいなら問題ない。なにも



カイ:ラインハルト教官よりも。怖くない。



マルボロ:誰だよそれはぁっ!



カイ:俺の恩師の名前だっ!



マルボロ:Boostっ!AXELL!!



カイ:(M)対異常体執行術、無手勝流編。その16



マルボロ:ぉおおおおおらああああっ!



カイ:(M)相手が激情して突っ込んで来たら好機…!



カイ:(M)拳は真っ直ぐ。しっかりと握って。



マルボロ:(M)――――は。



カイ:振り抜くっっ!!



0:殴り抜けた



マルボロ:ぶっっはぁ…!!



カイ:無力なままでもいい。何も出来なくてもいい。お前に勝てなくたっていい



カイ:ただ俺は。あいつを殺しに来た。それだけだ。



カイ:その為にお前が邪魔なら、お前も殺す。



マルボロ:けほっ…!こ、の…!野郎が…!



カイ:(M)シャオから貰った異常性抑止弾は残り2発。ここしかないな。ここしか、ない。



マルボロ:FURU BURSTっ!!



カイ:(M)確実に。血管へ。



マルボロ:AXXELL…ッッ!!



カイ:(M)狙い、撃つ。



マルボロ:――――かはっ…!



カイ:(M)対象が体勢を崩したら、なるべく早く、落としに、かかる…っっ!



マルボロ:ごぼっ…!は、なせや…!この…!



カイ:うる、せぇ…!さっさと落ちろ…!!



マルボロ:離せっつってんだよぉおおおおおおおおおおっ!



カイ:ぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおっ!



マルボロ:(M)まずい、異常性が使えない。抜け出せない、まずいまずい…!



カイ:ぉおおおおおらぁっ!



マルボロ:―――こほっ…。



カイ:……はぁ…はぁ…。



マルボロ:(M)わりぃ、アレジ。俺。普通に喧嘩弱ぇわぁ。



0:マルボロ気絶



カイ:(M)殺してる暇すら惜しい…!ペンスタンと合流したい!今すぐに!!



0:場面転換



0:屋上



アレジ:―――あっけないもんだと思わない?異常性が無いと。ただのクソガキじゃん。君



ペンスタン:……けほっ…。



0:ペンスタンを踏みつける



アレジ:なあ。なんとか言えよ。ステージ5のペンスタン・レインちゃんさぁ。



0:蹴った



ペンスタン:おぇっ…!おぇぇっ。



アレジ:大袈裟だな。12発蹴っただけだろ。さてはあれだろ。異常性のせいで痛覚ってのに触れたことないんだろ。なあ!



0:蹴る



ペンスタン:ごぼっ…。



アレジ:きっと君は、誰かに蹴られた事も、殴られた事も、銃で撃たれた事も。無いんだろ



0:銃口を向けた。



アレジ:ねえ。



0:発砲、腕に着弾



ペンスタン:ぁぁああああっっ…!



アレジ:僕さあ。君みたいなのがいちばん嫌いなんだよ。なんの苦労も知らないくせに、生まれつきのもんで楽して生きてる君みたいなのが



0:発砲、足に着弾



ペンスタン:ぁがぁあっ…!



アレジ:そんな君が。君みたいなのが、カイと仲良くしてるのもムカつく。こう言ったら独占欲の強いヤツみたいに思われるかもしれないけど。僕はカイと元親友なんだ



0:発砲、腹に着弾



ペンスタン:ごぼぉっ…!



アレジ:でも、カイは僕に着いてきてくれなかった。同じ異常体でも。君とは仲良くやってるのに。僕とは敵対してる。別にカイの気持ちも分かる。僕は彼の仇らしいから



0:発砲、腹に着弾



ペンスタン:こほっ…。けほっ…。



アレジ:それでも。単純に。僕がムカつくって話だよ。ねえ聞いてる?僕の八つ当たり聞けよ



ペンスタン:…っ…。痛く…ない。



アレジ:はぁ?



ペンスタン:こんなの。痛くない。



アレジ:強がんなよ



0:発砲



ペンスタン:っっ…。銃で撃たれるより、蹴られるより。よっぽど。辛いこと、知ってる



アレジ:知った口聞くなあ



0:発砲



ペンスタン:っっがぁっ…。…はぁ…っ。はぁ。



ペンスタン:…っ。信頼してる人に。裏切られる方が。よっぽど。痛いんだ…!



アレジ:…。



ペンスタン:私は。カイが。嫌い。嫌いだけど



ペンスタン:私の方が。カイは信頼してくれてるもんね。



アレジ:ああ。ちゃんと、ムカついたよ。



ペンスタン:(M)もう。昔の私じゃない。お兄ちゃんに泣いて縋るような、やつじゃない。私は、カイに言ったんだ。頼ってって。だから、私は泣かない



ペンスタン:(M)カイは、きっと、私と同じくらいしんどかったんだ…っ。



ペンスタン:(M)私だって。泣かない…!



アレジ:死んでくれ。ペンスタン・レイン



カイ:対異常性抑止弾を使用する。



ペンスタン:…っ!



アレジ:…カイ?



カイ:(M)血管ならどこでもいい。狙え。確実に。この遠距離での射撃。外せない。残り一発…っ。



アレジ:マルボロは、どうしたんだよ。



カイ:(M)なんだっけ。バゼットがやってたやつ。真似しろ。見様見真似でいい。ハゼットみたいに出来なくていい。



アレジ:っ…!SCRAM―――



グローザ:Espada…っ!



アレジ:―――っ。なにもう起きてんだよ、グローザぁあっ!



カイ:(M)この距離。この風向き。この角度。ここが一番



アレジ:…っ!カイぃいいいっ!



カイ:(M)美しい…っ!!



0:発砲。着弾



アレジ:―――かはっ…!



カイ:当たった!!グローザ!動けるか!!



グローザ:脳震盪だ。手足が痺れてるが、精一杯は尽くそう…っ。



カイ:くそっ…!頼むぞアーヘン首席っ!



グローザ:対異常性抑止弾の効果時間は!



カイ:大体18秒だ…!



グローザ:短いなくそ…!



カイ:文句言うな…!



アレジ:まさか…!君達にこれをされる日がくるとは思わなかったよ…!!



グローザ:(M)顎は上に。頸動脈を抑える



カイ:落としにかかるっ。ミジンコ程度でも力入れろよグローザぁっ!



グローザ:命令するな!



アレジ:こ、のぉおぉおおおおっ!



カイ:ぉおおおおおおおおっ!



グローザ:(M)12秒経過。あと6秒で落とせるか。落としすかないか…!



アレジ:ぉぉおぉおおぉおおおっ!



カイ:ぉぉおぉおおあああああっ!



グローザ:(M)16.17.落ちない。仕方がない、一旦解く…!



アレジ:ぉおおおっ!



0:グローザを蹴り飛ばす



グローザ:ごほっ…!



カイ:グローザ!なにやってんだ!



グローザ:っ…そ!すまない!



アレジ:惜しかったね。カイ…!



カイ:―――っ!



アレジ:SCRAM



ペンスタン:タッチ。



0:アレジに触れている



アレジ:――――は。



カイ:ペンスタン…!?



グローザ:あの重傷で動くか…。



アレジ:…。何も、どこも。消えてないけど



0:笑った



ペンスタン:DELETEデリート



アレジ:――――っ。まさか…!



カイ:なんでもいい!グローザ!もう1回だ!



グローザ:ちっ。どいつもこいつも、人遣いが荒い…!



アレジ:SCRAMBLE。



カイ:…っ!



グローザ:…。



ペンスタン:…へへ。



アレジ:(M)……。異常性が。使えない



ペンスタン:見様見真似だけど。仕返し。



アレジ:…僕の異常性、消しやがったのか。お前



ペンスタン:ざまぁみろ。くそりんご



アレジ:ペンスタン・レイン…っ!



カイ:よくやった、ペンスタン…!



グローザ:そうなれば話は至極単純だ。



アレジ:…っ。くそ…!



カイ:ようやく。決着だな。アレジ



アレジ:(M)どうする…!異常性が使えない以上肉弾戦に持ち込むしかないか…!?いやダメだ、二対一。相手はカイとグローザ…っ。



アレジ:(M)こっちも大分体力使ってる…!くそくそくそっ!ペンスタン・レイン…!このクソアマ…!!



カイ:行くぞグローザ!!



グローザ:ああ。カイ



マルボロ:ちょーーーーーっと待った!!!



グローザ:…っ!マルボロ…!



カイ:もう目覚めたかよ、クソタフネスじゃねえか…っ!



マルボロ:…。ああ。なんだ。状況は。何となく分かった。アレジが追い詰められてるってのだけは、分かった。



アレジ:マルボロ…。



マルボロ:…。はっはぁ〜ん。そんな不安そうな顔すんな。アレジ。



アレジ:…



マルボロ:全部俺に任せろ



カイ:まだやるかよ。いいさ、何度でも―――



0:土下座



マルボロ:すまんかった!!



カイ:…は?



グローザ:…。



マルボロ:俺達が悪かった!!いいや、つーか悪いのなんてずっと前から分かってる!何人も殺した!何人にも迷惑をかけた!!



マルボロ:でも、アレジだけは、見逃してほしい…!



マルボロ:頼む…っ。



アレジ:…マル、ボロ…?



カイ:…。てめぇ。巫山戯んのも大概しとけよ。



マルボロ:ふざけてない。俺は。負けてばっかりだ。赤い林檎に入ってからはとくに。誰かに喧嘩で勝ったことがない



マルボロ:俺は弱い。アレジの幼馴染だから幹部なんざやってるが、所詮はステージ2。赤い林檎の中でも最強レベルで弱い。くそ雑魚だ



マルボロ:だから。頭を下げることしか出来ない。これが俺の精一杯の、存命方法だ。



アレジ:なにしてんだよ。マルボロ



マルボロ:しょうがねぇだろ。これしか思いつかなかったんだから



カイ:…っ。つまんねえもん見せてんじゃねぇよ…っ。



マルボロ:カイ・シグス。



カイ:…。



マルボロ:俺の。たった一人の親友なんだ。格好つけさせてくれよ。



0:拳をにぎりしめる



カイ:…勝手なことばっか言ってんじゃねぇ。



カイ:俺は。お前を殺す為に、ここまで来たんだ。アレジ・ロンドン…っ。



アレジ:…



マルボロ:…まあ。そりゃあだめか。まあだめだよな。普通に考えて。ならしゃあねえ。



0:アレジを抱えた



アレジ:マルボロっ。なんだ。なにしてんだ



カイ:次は何する気だ



マルボロ:んー。そりゃまあ。



0:マルボロ、助走体制



カイ:…っ!



マルボロ:逃げるしかないでしょうよっ!



アレジ:マルボロ!?



カイ:おい、待て!!



マルボロ:AXXELL…っっ!



0:二人はその場から去る



カイ:…。



グローザ:…。相変わらず読めないな。マルボロは



カイ:…ああ。変なやつだ



グローザ:…撃てただろう。普通の自動式拳銃なら残弾もあったはずだ



カイ:……。いいや。いい。



グローザ:…。



カイ:あれは。もう、死ぬって決めたやつの顔だったから。



グローザ:…そうか。



ペンスタン:…っ…。



カイ:それより、ペンスタンの延命が先だ



グローザ:ペンスタン。無事か



カイ:無事じゃないだろ



ペンスタン:…。アレジ・ロンドンは…。



カイ:お前のおかげでもう討伐寸前だよ。あとは俺が追いかけるだけだ



ペンスタン:…。



グローザ:触るな。カイ。消し飛ぶぞ



カイ:…。いや。それでもいい



カイ:ありがとうな。ペンスタン



0:頭を撫でた



ペンスタン:―――っ。



カイ:ほら。どこも消えない



グローザ:…なんだ。アレジの異常性が消えたならペンスタンの異常性は戻ったと思っていたが。



カイ:さあ?なんでだろうな



グローザ:お前。知ってて触ったんじゃなかったのか



カイ:知らねえよ。ただ。異常体であろうが。人間であろうが。



カイ:俺は。友達は信じる



グローザ:………。そうか。変わらないな。お前は



カイ:ああ。いやでもほんと、なんで消えなかったんだろ。一応利き腕は無くなったら困るし左手で触ったが



グローザ:…まあ。恐らくはアレジの異常性毎自分のも消し飛ばした、相殺って所だろう。



カイ:そうか。とりあえずだ。本当にありがとうな。ペンスタン



ペンスタン:……。うん。言ったから。頼ってって



カイ:…ああ。



グローザ:ペンスタンの処置がしたい。私はペンスタンを連れていくぞ



カイ:ありがとう。頼んだ



ペンスタン:待って。



カイ:どうした



ペンスタン:カイは…?追うの…。ひとりで



カイ:…ああ。追うよ。俺が、ここにいる理由だ



ペンスタン:…だめだよ。ひとりじゃ、危ない。グローザ、ついてってあげて



グローザ:いいや。私はお前の治療を優先する



ペンスタン:お願い



カイ:いいよ。大丈夫だ。



ペンスタン:…



カイ:俺を信じろ



ペンスタン:…。絶対。戻ってくる…?



カイ:ああ。戻ってくる



ペンスタン:……。くれーぷ。食べようね



カイ:ああ。食べよう。



ペンスタン:……奢ってね



カイ:ああ。約束だ。



ペンスタン:………



0:ペンスタン。気絶



グローザ:じゃあ。私は行くが。本当に一人でいいんだな。



カイ:ああ。一人が、いい。



グローザ:………。



カイ:…。なんだよ。



グローザ:……。お前も、嘘つきだな。それもかなり酷い



カイ:…はは。そうだなあ。俺の人生で、最初で最後の嘘だ



グローザ:…。じゃあな。カイ・シグス



カイ:ああ。じゃあな。グローザ。



0:場面転換



0:12番街。エリア4



マルボロ:AXXELLアクセル



アレジ:やめろ!!マルボロ!!



マルボロ:(吐血)うるせぇ、落っこちねぇように、捕まってろよ!!



アレジ:もういい、それ以上使うな!!十分距離は稼いだろ!?もう二人で、歩いて逃げよって!な!?だからもうやめてくれ!



マルボロ:(M)ーーー良い、友人を持った。馬鹿だが、真っ直ぐで。不器用で、俺の最高の友人だ。



マルボロ:俺達は、中央解放戦線、赤い林檎。



マルボロ:巷ではテロリストと呼ばれているが、まぁ間違っちゃいない。



マルボロ:だからこうして、死に物狂いで逃げてるんだ。



マルボロ:こうなるのも、当然の報いだろうよ



アレジ:マルボロ!!聞いてんのか!!やめろっつってんだよ!!



マルボロ:ーーっ。AXXELLアクセル!!



アレジ:マルボロぉ!!



マルボロ:(M)随分と長い。長い旅だった。



マルボロ:それは話せば一蹴される様な、ただ道逸れるだけの、友人との旅。



マルボロ:(M)こいつと、この一本道を、歩いてきた。



マルボロ:後戻りも許されない。一本道を。ただひたすらに、ひたむきに。



マルボロ:ーーー前へ





0:間





0:とある都市。廃れた廃屋



0:虫の息のマルボロ



アレジ:嫌だ、僕を置いていくな、マルボロぉ…!言ったろ、僕と一緒に、来てくれるって



マルボロ:お前は、俺達は、馬鹿だからな。たくさん間違えたし、そのツケは、払わなきゃならねぇとも思う



0:マルボロ、激しい吐血



アレジ:もう、いい、もう喋らないでくれ、僕は、お前が居ないと駄目なんだ、死なないでくれ



マルボロ:言ったろ。死ぬまで着いてってやるって。だから、ここまでだ



アレジ:嫌だ



マルボロ:アレジ、ありがとうな。すっげぇ、楽しかった



アレジ:嫌だ、マルボロ、待ってって。なあ、おい!!返事しろよお前ぇ!!



マルボロ:ーーーー。



0:マルボロ。死亡



アレジ:ーーーーっ。マルボロぉぉぉぉぉぉおおおおおおお!!!!!



0:



カイ:中央政府監察局。カイ・シグス。



カイ:只今より。中央解放戦線。赤い林檎主犯。アレジ・ロンドンの執行処分へ移ります。



0:



アレジ:(M)―――今。やっと、分かった。僕が欲しかったのは。自由でも、人権確保でも、なんでもない。



アレジ:(M)ただただ。こいつと。友達と。どこにでもある有り触れた日常を。過ごしたかっただけだ。



アレジ:(M)…遅い。よなあ。いっっつも。いつも。



アレジ:(M)何もかも。遅いんだ。僕は



アレジ:(M)―――どこでもいい。ここじゃない。どこかへ。行ってしまいたい。



アレジ:(M)マルボロのいない世界で。僕は、どう在ればいいかが。分からないよ



アレジ:(M)拝啓。親愛なる友人へ



アレジ:(M)……。早く。僕を。解放して欲しい



0:『解放者達の終末』


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