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異能力者達の午後  作者: ゆーろ
異能力者達の午前
19/32

その男、暴君につき

0:『その男、暴君につき』



0:回想



バタップ:(M)バグテリアで産まれて。バグテリアで育った。異常体ばっかのこの街で、俺達はステージ5の異常体一家として有名だった。



バタップ:(M)お前を除いて



0:14年前



バニー:おい、兄貴



バタップ:どーしたバニー



バニー:勝負しろ



バタップ:また唐突に。



バニー:俺が勝ったら俺が兄貴だ



バタップ:意味わかんねーこと言ってんじゃねーよ



バニー:意味わかる!わからせる!拳で!



0:



バタップ:(M)お前は異常性こそないものの、昔から喧嘩が強かったなあ



バニー:うおあああああああっ!



バタップ:Process3。



バタップ:右ストレートォッ!



バタップ:左ストレートォッ!



バニー:ぎゃふんっ!



バタップ:はい俺の勝ち。俺が兄貴のままな



バニー:ふざけんな!もっかい!もっかい!



バタップ:(M)初めは、ただのちょっと他人よりも力が強い筋肉馬鹿だと思ってた。けど、それは徐々に違うんだと分かった



0:12年前



バニー:兄貴。勝負だ



バタップ:またかよ。懲りねえな



バニー:懲りるのはお前だ!懲らしめる!



バタップ:(M)PLUS ACT。俺の異常性は、筋力、視力、聴力など。人間に備わっている全ての機能を一段階引き上げる力だ



バタップ:(M)お前と喧嘩を重ねる度に、Processは増えて行った。



バタップ:(M)ある日。親父がこう言った。



バタップ:(M)バニーを中央に売る。と



バタップ:(M)理由を聞いたら、異常体として優秀な種を残せないバニーが必要ない、と。何ともしょーーもない理由で、俺の大事な弟を中央に売り飛ばそうとした



バタップ:(M)ドレッドパーカーは、全ての異常体において最強であるべき。親父のくそアホくさい一族の掟を聞かされて欠伸と反吐が出た



バタップ:(M)バニーの中央受け渡し期日は僅か三日後。既に約束された契約金。今からキャンセルすれば違約金はウン千万



バタップ:(M)兄貴だからな。止めなきゃならん。そりゃ止める。兄貴だからな。



バタップ:(M)俺は、オヤジを殺した。お袋も殺した。



バタップ:(M)受け渡しを担当している、セノ・アキラという男に交渉をした



バタップ:(M)俺が中央に入るから、バニーを見逃せ。と



バタップ:(M)その男は笑って快諾した。そいつになんの目論見があろうと。ぶっちゃけ俺にはどうでもいい事だ



バタップ:(M)俺は親父とお袋の首を手土産に、中央に入った



バタップ:(M)それから。14年。今俺は。何がしたくて、ここに居るんだろうか





0:回想終了。現在





0:バグテリア法外特区。レッドストリート





トトリ:ヨシュア!



ヨシュア:トトリ!よかったっ、無事だった!



トトリ:ヨシュアこそ。無事でよかった、本当に。



ヨシュア:作戦指示、聞いた?



トトリ:ああ。聞いた。



ヨシュア:バグテリア攻略戦、まずは立地を把握しないと…。



トトリ:ここはどこだ



バタップ:(M)バグテリア法外特区には。悪魔が住んでいる



トトリ:レッド…ストリート?



バタップ:(M)そいつと出会う事は。再起不能を意味する。



バニー:よおよおよおっ。お前らあれだな。中央の、なんたら。



バタップ:(M)レッドストリートの悪魔。バニー・ドレッドパーカー。



トトリ:誰だあんたは



ヨシュア:…。暴君坊、じゃないかな



トトリ:…!



バニー:お。知ってんのか。俺を。



トトリ:最悪なバッティングだな。



ヨシュア:だね。初手からラスボス級じゃん…



バニー:なんだなんだ。ぼそぼそ喋ってんじゃねえぞ



ヨシュア:暴君坊の警戒ステージは5相当



トトリ:了解っ。先手必勝だ…!



ヨシュア:うん!一気に叩くよ!



バニー:お。



トトリ:(M)一発で、殺しに行く…っ!頭を狙え!



0:発砲



バニー:ぶはっ…!



トトリ:当たった…!ヨシュア!!



ヨシュア:mutantミュータント



0:電撃ちょくげき



バニー:うごごごごごっ!?いっっでぇえ!!



トトリ:は…!?



ヨシュア:ミュータントで焼き切れない…!?



トトリ:ああもうっ。ここ最近、タフなやつと戦いすぎて慣れてきた…!



ヨシュア:だね!追撃行くよ!



バニー:痛てぇじゃねえか。おい



トトリ:――――っ!



0:トトリの頭を掴んだ



バニー:痛てぇじゃねえか



トトリ:っぐっ…!



ヨシュア:トトリ!!



バニー:おぉおおい!!



0:地面に叩きつけた



トトリ:がは…ッ!



ヨシュア:トトリ!大丈夫!?



トトリ:(M)息ができない…!ホトバシさんとは次元が違う…っ。トラックにでも突っ込まれたってくらい、重い…!



バニー:いきなり撃ってくる、いきなり異常性で攻撃してくる。いきなり、いきなりだぞ。



0:バニーは電柱を握りつぶした



ヨシュア:(M)電柱を素手で引っこ抜いた…!?噂だけはずっと聞いてたけど、本当に人間かよあいつ…!



バニー:頭、撃ったな。てめえ。頭なんて銃で撃ったら、死んじまうだろうが。おい。こら



トトリ:…かはっ…。けほっ。く、そ



ヨシュア:トトリ。逃げよう、だめだ。勝てっこない



トトリ:…ああ、これはダメだ、バタップさんの時とは、訳が違う



バニー:逃げんなよ。お前らから先に攻撃してきたんだぞ。逃げんなよ。逃げんなよ。



トトリ:(M)だめだ、脳震盪か?体が動かない、くそ…!



バニー:ぶっっっ死ね!!



ヨシュア:mutantミュータント!!



バニー:右ストレートォオオッ!



ヨシュア:ModelモデルTurtleタートル!!



0:防ぐ



バニー:おおお!?なんだその腕!亀か!亀だな!



ヨシュア:っ…ごっ…!



バニー:すげえじゃねえか。派手な趣味だな、おい



ヨシュア:(M)タートルで防いでも息が出来ない…!なんなんだよその馬鹿力…っ!



トトリ:(M)だめだ、勝てる気がしない、逃げられる気もしない。普通に考えて、銃弾もろに顔面に受けて死なないやつは、殺せないだろ…!



バニー:本当はあいつ以外殺すつもり無かったがあ、お前らが先に攻撃して来たんだからなあ。中央こら



バタップ:あいつってのは。俺のことか



バニー:…あ?



バタップ:よー。弟



バニー:……



トトリ:バタップさん…!



ヨシュア:ステージ5執行官…!た、助かった…!



バニー:バタップ…



バタップ:―――PLUS。ACT



バニー:バタップゥゥ



バタップ:Process6



バニー:バァァァアアアタップゥゥゥウウウウウ!!!



0:バニーは殴りかかった



0:バタップも殴り返した



バタップ:ッッ…!初手まじ殴りってどーなんだよ、弟としてさあ!



バニー:黙れ死ね黙れ死ね!!やっぱり来てやがったなあああバタップうううっ!



トトリ:おいおい、地響きやばいだろ…!



ヨシュア:…ドレッドパーカー…。どっかで聞いたことあると思ったら…!



トトリ:?なんだ



ヨシュア:多分、バタップさんは、暴君坊の兄だ



0:二人は殴り合っている



バニー:よくもまあノコノコと出てきたもんだあ!!死ににきやがったなあ!殺してやる!殺してやるからさっさと死ね!!



バタップ:久しぶりに会った兄ちゃんにかける言葉がそれかよ!!少しは会話を覚えよーぜバニー!



バニー:うるせえ避けんな!!



バタップ:避けないと死ぬんだよ!せい!



0:殴った



バニー:ぶふっ…!



バタップ:ったく。相変わらずの馬鹿力



バニー:痛えじゃねえか。バタップぅ…ッ!



バタップ:お前ら。ここは離れていい。俺が相手する



ヨシュア:…っ。断ります



トトリ:ああ。三対一なら勝てる



バタップ:あの怪物だけは、数でどうこうなる話じゃねえよ



バニー:随分と、随分と探したぜ。どこでなにしてやがった



バタップ:…。中央で。ぬくぬくと日々を過ごしてるよ



バニー:そうかぁ。ぶっっ死ね!!



バタップ:っっとぉ…!あぶねぇなぁあっ!



トトリ:バタップさんの援護を!



ヨシュア:mutantミュータントッ!



0:直撃



バニー:うごっ…!



バタップ:手を出すなと言いたいが、ナイスだ特務班っ!



0:殴る



バニー:げぼぇっ…!



トトリ:体勢が崩れた!一気に叩くぞ!



ヨシュア:了解!



バタップ:…!馬鹿お前ら!一呼吸置け!!



バニー:痛えじゃあ…ねえかよお!!



0:殴る、間一髪避ける



トトリ:あっっぶな…!



バニー:避けんなこらぼけ!!



トトリ:(M)掠っただけでコンクリートが粉々になった…!どんな質量してんだよ…!



バタップ:Process7…!



バニー:おぉおぉ、三対一ぃ。そりゃあダメだ。ダメだろうがぁっ…!バタップてめぇ…!!



バタップ:好きなように言え!!



0:殴り合い



バニー:っっづぁおああらああ!



バタップ:ぅ…ぉおおっ!



トトリ:(M)だめだ…っ。まったく入る隙が見当たらない…!



ヨシュア:mutantミュータント…!



トトリ:ヨシュア。いま撃ったらバタップさんも巻き添えになる



ヨシュア:分かってる…!



ヨシュア:ModelモデルFighterファイター…!



トトリ:なんだそれ!知らないぞ俺!



ヨシュア:今試しにやってみただけだからね!



トトリ:おい!ヨシュア!



ヨシュア:対異常性抑止弾も暴君坊には意味が無い!僕だけでもバタップさんの手助けしなきゃ…!



トトリ:ひとりで行くな!



ヨシュア:僕ひとりじゃなきゃだめなんだよ!!



バタップ:おおおおおおおおっ!!



バニー:オォオオラァアアッ!!



0:バタップ骨折れる



バタップ:ごぼっ…!か、はっ…!



バニー:はーいまず一発。あと五万発殴る。残り49999発頑張れよ、バタップ



バタップ:この…!



バニー:ォオオオオラアアアッ!



0:右腕潰れる



バタップ:っっ…。いってえなあ、この…ッ!



0:蹴る



バニー:おっ、と。ちゃんと蹴れよ。腰が入ってねえなあ、腰があああっ!



ヨシュア:そぉおおれっ!



0:殴る



バニー:うおっ…!なんだお前、拳もいける口かよ、おい!



ヨシュア:バタップさん!応援を呼びましょう!ナンバーズを!



バタップ:連絡がつかない。バグテリアの超重要人物はこいつだけじゃないんだ!お前らもさっさとどっか行け



トトリ:(M)どうする。俺は、何をすればいい。何が出来る…!



バニー:ちゃぶ台返しって、知ってるかあ…!



0:地面に手を突っ込んだ



ヨシュア:(M)地面に手を突っ込んだ!?コンクリートだぞ!豆腐みたいに扱うなっての!



バニー:こぉぉぉぉ言うことだよおおおおおおおおらあああああああああっ!!



0:地面をひっくり返す



バタップ:(M)おいおいまじか。コンクリートが抉れて―――



ヨシュア:っ…!



トトリ:(M)めちゃくちゃだ!!都市でちゃぶ台返しだなんて!!体勢が崩れる!!



ヨシュア:トトリ!!



トトリ:俺は大丈夫だ!受け身とれヨシュア!



バタップ:冗談じゃねえよ、怪物が…!!



0:ひっくり返った



バニー:どかーーーーんっ!ってなあ!!?



バニー:どーだよ。ちゃぶ台返しぃ。



0:砂煙の中から姿を見せる



バタップ:PLUS ACT。



バニー:なあ。どうだって。よく親父がやってたよなあ…!バタップよお…!!



バタップ:Process8…ッ!!



バニー:オオオラァアアアアアアッ!!



0:殴るが、避けられた



バタップ:っっ。ぉおおおっ!



0:蹴る



バニー:ごぼっ…!いっってえ…!!



バタップ:勘弁しろ、人類から八段階全ての能力を引き上げた個体の蹴りが「痛い」で済んでたまるかってんだよ



0:バニーは唾を吐いた



バニー:…。ああ、でも。いい目覚ましになった。



バタップ:…。なんだか、少し懐かしいな。バニー



バニー:なにがだよ



バタップ:昔はよく、俺達二人で兄弟喧嘩して、その度に街が壊れるんだ。そんで色んな人に親父が謝りに行ってくれた



バニー:昔話に浸りてえならあの世でやれよ。さっさと死ね。



バタップ:はは。悲しいなあ、兄ちゃん泣きそうだ



バニー:言ってろォ…!



バタップ:Process9…!



0:殴り掛かる



バタップ:っっ…!



バニー:てめえがオヤジを殺したことに変わりはねえ!カーチャン殺したのもてめえだ!!



バタップ:ああそうだ!俺が殺した!!



バニー:だから!てめえだけは俺の手で殺す!そう決めた!!そう決めてる!!今殺す!ここで殺す!



バタップ:殺す殺すなんて言って!物騒な弟に育ったもんだ!!



バニー:てめえなんざ兄貴じゃねえよボケナスがよォ!!



0:殴るが防ぐ



バタップ:っ………。



バニー:…。なあんで殴ってこない。ちゃんとしろや。舐めてんのかおい



バタップ:…。ああ。兄貴だからな。本気で相手すんのは、大人気ないだろ



バニー:ど、こまで、も。舐めやがって…ッ!



バタップ:なあ。バニー



バニー:ああ!?



バタップ:お前は。親父とお袋が。好きだったか



バニー:何だ急に。殺すぞ



バタップ:…。俺は、お前を中央に連れてくる為に、ここまで来た。



バニー:………は?



バタップ:なあ、バニー。中央に来いよ。



バニー:…。てめえ。俺を馬鹿にしてんのか



バタップ:してない。俺は、本気で言ってんだ



バニー:じゃあああ尚更殺す。腹たったからな。



バタップ:いいだろ。少しくらい話をしようや。最後の、兄弟喧嘩だ。



バニー:………断る。お前と話すことなんざない。これっぽっちもだ。お前と俺は、兄弟でもなんでもない



バタップ:………。兄弟だよ。俺達は



バニー:ああ。じゃあもうそれでいい。それでいいから



0:構える



バニー:ここで死ね。バタップ



バタップ:にーちゃん。悲しいなあ



0:お互いの顔を殴りあった



バニー:ぶごっ!



バタップ:ぶふっ…!



バニー:豆腐がどれだけ強度上げても豆腐だろうが!!!



バタップ:Process9…ッ!



0:殴るが止まらない



バニー:ずっとだ!!ずっと、ずっとずっと!!



バタップ:Process10…っ!



0:止まらない



バニー:お前に腹が立ってしょうがなかった!!中央が嫌いだ!バグテリアも嫌いだ!お前が嫌いだ!



バタップ:(M)どれだけ引き上げても、底上げしても、まるで止まらない。やっぱり凄いなあ、お前は。



バニー:ムカつくんだよ。俺に理解できない全部がよぉ!!



バタップ:………っ。



バニー:どうでもいいんだ。戦争も、中央とか、バグテリアとか。どっちが勝つかだなんてのも。俺にはまっったくの無関係だ。



バタップ:ああ。お前は、そうだろうな



バニー:ムカつくからぶっ飛ばす。そんだけだ



0:バタップは窓ガラスに映った自分の姿を確認する



バタップ:(M)ふと。店のショーケースに映った自分の姿が見えた。



バタップ:(M)片目は潰れている。右腕もあらぬ方向にまがってる。自分でわかる範囲では、鎖骨は折れてるし、右足首の辺りも何本か



バタップ:(M)なにより。肋骨が、肺に刺さっちまってる。



バニー:バタップ。お前を理解したいと思わねえ。親父とかーちゃんぶっ殺してのうのうと生きてるやつの事を、理解したいと思わねぇ。



バタップ:……。ああ。そうか



バニー:ああ。そうだ



バタップ:(M)人間の機能を全て上げる。視力、筋力、聴力をあげれば、それは当然痛覚も、触覚も敏感になる



バタップ:(M)痛み過ぎて吐きそうだ。鼓膜は剥がれかけてて、耳の中で血が溜まってるのが分かる。上げすぎた視力は、度の合ってない眼鏡をかけたみたくぼやけている



バタップ:(M)上げすぎた骨密度に耐えかねて、内側からヒビ割れていく。これも痛い。筋肉は凝固し過ぎて関節部分が動かしづらい



バタップ:(M)誰に言い訳するって訳でもないけど、ここまでやっても。



0:バニーはバタップに近付いた



バタップ:それでも。お前は殺せないかあ。



バニー:ああ。だからてめぇが死ね。



トトリ:バタップさん!!



0:発砲



バニー:いって…。



トトリ:…はぁ…はぁ…っ。バタップさん、逃げましょう。あんたもう、ボロボロだ…!



バタップ:…ああ。知ってる



ヨシュア:mutantミュータント



ヨシュア:Modelモデル GANMANガンマン…!!



バニー:ごふっ…。



ヨシュア:バタップさん…!!今すぐ処置を…!致命傷です…っ。



バタップ:…ああ。それも。知ってる



バニー:…。なんだよ。羽虫が。寄って集って。なんなんだよ。ああ?



バタップ:なあ。トトリ、ヨシュア



ヨシュア:なんですか



バタップ:俺はさあ。最終調整の時。本当にお前らを殺そうと思ってたんだ



トトリ:なんでそんな話、今する必要がある



バタップ:つーか。今まで最終調整やってきたヤツら、全員そうだ。アスカも、ラインハルトも。全員殺そうと思った。



ヨシュア:…



バタップ:でもやっぱ。人を殺すってのは、良くないことなんだなあって。思うんだ



トトリ:なんの話しを、してるんだ…!さっさと逃げよう!本当に死ぬぞあんた!



バタップ:1回やっちまえば、あとは下るだけだと思ってた。一人殺すのも、十人殺すのも。でも、やっぱり、人殺しはいけない。ただそれだけの事だ。簡単だろ



バニー:どの面下げて言ってんだ。てめぇこら



バタップ:俺が殺すのは。親父と、お袋だけでいい。



バニー:はは。ははははっ!もういい!いや、本当にもういい!やっぱ死ね、お前



ヨシュア:来ます!



トトリ:(M)右足が動かない…!多分折れてる…。まずいって、この状況で…!



0:トトリに向かう



バニー:おまえらまとめて、全員殺す。



ヨシュア:トトリ!!



トトリ:(M)動かなきゃあ…死ぬんだ…!!



バニー:ぶっっっ死ねッ!!



トトリ:(M)あ、だめだ。死ぬ



0:バニーの腕はバタップの腹部を貫いている



バタップ:――――ごぷっ。



トトリ:…は?



バニー:…おい。おいおい



バタップ:ダメだろ、バニー。歳下いじめちゃ。俺が言える立場じゃねえけど、な。



トトリ:バタップさん…!!



バニー:おいおいおいおいおい!!バタップてめぇ、そんなに死にてえかよ



バタップ:死にたくは、ないなあ。でもほら。格好つけたいだろ



0:笑った



バタップ:一応、先輩なもんで



バニー:…。



0:



バタップ:トトリ。ヨシュア。最後だ、どっか行け



トトリ:でも、それじゃあアンタが…!



バタップ:状況見て言ってんのかぁ?めっちゃ足引っ張ってんだろうが、さっさと失せろ



トトリ:…っ。



ヨシュア:バタップさんは…!



バタップ:いやあ、無理でしょ。死ぬじゃんね。これ



トトリ:俺のせいだろ!俺が足引っ張った分は俺が取り返す!



バタップ:そうだ。お前のせいだよ。お前が足引っ張らなきゃあ土手っ腹に穴が空くこともなかった。だからお前らにできる取り返しはどっか行くことだ



トトリ:…。



バニー:あー、別にいいぜ、追わねえよ。行くなら行け。初めも言ったが、俺の目的はこいつ殺すことだけだ。邪魔すんなら殺す。そうじゃねぇなら興味ねぇ



ヨシュア:…バタップさん…



バタップ:まあ。こんな状況だし。みんな命懸けだ。俺だって、そうだ。



トトリ:…っ。



ヨシュア:行こう、トトリ



トトリ:…嫌だ。



ヨシュア:トトリ。



トトリ:……



バタップ:ホトバシから散々言われてるんだろうが、まあ、なんだ。人は死ぬ。俺だって死ぬ。そりゃあ、死ぬに決まってる



0:バタップは手袋をはめ直した



バタップ:だから。自分が死なない為の最善を尽くすのが、お前らの仕事だよ



バニー:かっこいいじゃねえか。おい



トトリ:…く、そ。くそ。くそっ!くそ!!



ヨシュア:…。失礼します…。



バタップ:ああ。失礼しろ



トトリ:くそおおおおおおおっ!



0:



バタップ:場所。移すか、バニー



バニー:好きにしろ



0:レッドストリート、外れ



バタップ:…。



バニー:…。



バタップ:おお、あそこの店。潰れたのか



バニー:ああ。くそ不味かったからな



バタップ:確かに、くそ。不味かったなあ



バニー:…。



バタップ:そういえば、喫茶コクリコも潰れたんだっけか



バニー:ああ。死にやがったからな。



バタップ:そうかあ。まあ、この街じゃあ長生きする方が難しいよなあ



バニー:…。



バタップ:うわ。まだあったのかよ、ここの自販機。いつまで持つかなあって思ってたけど。



バニー:金入れてもなんも出てこねえよ。



バタップ:まあ、補充するやついねぇんだろいしなぁ。覚えてるか?お前、このソーダ好きだったろ



バニー:ああ。覚えてる



バタップ:は。覚えてんのか。



バニー:…。



0:バタップ、少しの吐血



バニー:おい。



バタップ:なんだぁ



バニー:どこまで行くんだよ



バタップ:んー。久しぶりにバグテリア来たから、実家。戻ろうかなって



バニー:…。



バタップ:あ、もしかして跡形もない?



バニー:まだ俺が住んでる



バタップ:じゃあ跡形もねぇな



バニー:どういう意味だこら



バタップ:はっ。そのままだよ、そのまま



バニー:…。



バタップ:そうそう。ガキの頃よく喧嘩してた廃ビル通り過ぎて、空き地があって、なんか知らない建物増えてるけど。



バタップ:で。この花壇の先に。家がある



0:家を見た



バタップ:……はっ。やっぱ屋根ねぇじゃん



バニー:…。吹っ飛んだ



バタップ:吹っ飛ばしたの間違いな



バニー:…おう。



バタップ:懐かしいなあ。



バニー:…。なあ。



バタップ:んー?



バニー:俺ってさ。超つぇーのよ



バタップ:ああ、知ってる



バニー:銃で撃たれても死なないし、トラックは片手で持てるし、殴ったら大体そいつは死ぬ



バタップ:ああ。知ってる



バニー:でも。お前にだけは、喧嘩で勝てたこと、なかったなぁ



バタップ:…ああ。なかったな



バニー:……。



バタップ:気にならないか?俺が親父と、お袋を殺した理由



バニー:……。



バタップ:冗談だよ。そんな意地悪しねえって



バニー:なんか。不思議な気持ちだな



バタップ:おー?



バニー:お前をいつか殺そうって、ふわっと生きてきた。お前はほら。クソ野郎だと思ってたから



バタップ:おお、また酷いこと言う



バニー:でも。さっき、後輩助けたろ。かっけえかったなあ。兄貴っぽかった



バタップ:兄貴なんだよ



バニー:…。もしかしたら、きっとお前にお前の事情があるかもしれねえ。そう思っても、やっぱりムカつく。それを行動した事にじゃない



バニー:俺に。なんの相談もなしに行動した事が、ムカつく。だからやっぱダメだ。お前は殺す



バタップ:……はっ。本当に暴君じゃないか



バニー:でも、やっっぱりなんか、不思議な気持ちだなあ



0:空を見た



バニー:俺は馬鹿だから分かんねえけどよ



バタップ:ああ



バニー:………馬鹿だから分かんねえや



バタップ:ああ。お前っぽい



0:



バニー:…なあ。兄貴



バタップ:どうした、バニー



バニー:勝負しようぜ



バタップ:…はっ。いいぞー。捻ってやる



バニー:俺が勝ったら、俺が兄貴な



バタップ:意味わかんねーよ



バニー:わからせる。拳で



バタップ:まじで、暴君



バニー:ムカつくやつはぶっ飛ばす。そんだけだ。



0:バタップ吐血



バタップ:……PLUS。ACTプラスアクト



バニー:(深呼吸)



バタップ:Process。13(プロセス.サーティーン)



バニー:ブッッッ死ね!!!



バタップ:まずは言葉遣いから直そうな!!



0:殴りあった



バニー:(M)ああ、やっぱり。強いなあ



バタップ:(M)体が軋む。肩が鉛みたいに重い。ゴムで引っ張られる様に堅い



バニー:(M)そうそう、痛えんだよ、こいつのパンチ。痛えんだ



バタップ:(M)俺はかっこいい兄貴だからなあ、兄弟喧嘩で負けたってなったら、あの世でも笑い話だ



バニー:(M)ああ、分かった。なんで今まで、手当り次第にぶっ飛ばしてきたか。すげーー単純なこと。八つ当たりだ。



バタップ:(M)昔の事を、弁解したいとは一切思わない。弟を恨んでるはずもない。ただ、喧嘩を売られた以上は買って、勝つのが



バタップ:(M)バタップ・ドレッドパーカーだ



バニー:(M)すごーーくスッキリした。俺はずっと、お前を殴りたかったんだよ



バタップ:(M)俺もだよ、バニー。中央が勝っても、バグテリアが世界統一しても、どーでもいいんだ。ただただ、お前に、文句を言われたかった。



バタップ:(M)言われたかったんだよ。バニー



バニー:うおおおおおおおおおっ!



バタップ:そぉおおおおれえええっ!



0:拳ぶつかり合う



バニー:右ッ!ストレェェェエエエッット!!



バタップ:左っ、ストレーーーートッ!!



0:



バタップ:………こほっ………。



バニー:…………



バタップ:はい…。俺の勝ち。



0:バニーは倒れている



バタップ:―――俺が、兄貴のままな。



バニー:………。やっっぱ。つえぇなぁ。兄貴



バタップ:兄貴だからな。



バニー:(M)骨。何本折れたか分からねえ。



バニー:(M)あーー。すっきりした。



0:バタップも倒れた



バタップ:………はは。



バニー:………ぷっ



0:二人は大笑いした



バタップ:見ろよバニー。あいつらみーんな戦争やってんぞ。馬鹿みたいだよなあ!?



バニー:あーまったくだ兄貴っ。しょーもねえ!こんなんでいいんだよこんなんで!



バタップ:ほんっっと、世界でまともなのは俺らだけだーって思う!



バニー:ああまったくだっ



バタップ:つーか俺ら何した?



バニー:あー?兄弟喧嘩っ



バタップ:ぷっはははっ。しかも俺が勝ったしなー



バニー:バカお前、負けてねえし



バタップ:いや負けたから、俺勝ったから



バニー:はははっ。やっぱ兄貴にゃあ、勝てねえなあ



バタップ:兄貴だから、なあ。



0:バタップの呼吸は徐々に浅くなっていく



バタップ:……なあ……バニー…。



バニー:…なんだよ。兄貴



バタップ:俺は。お前が好きだよ。バニー



バニー:…



バタップ:愛してるぜぇ



バニー:…。おう。



0:バタップ 死亡



バニー:(M)…。やっぱ、不思議な気持ちだぁ。なんて言えばいいのか



バニー:……ああ。



0:バニーの呼吸も徐々に浅くなっていく



バニー:やべえ。



トトリ:(M)2001年。9月11日。レッドストリート



ヨシュア:(M)どこにでもある。地上最低の兄弟喧嘩。



トトリ:(M)バタップ・ドレッドパーカー。並びに



バニー:……。普通に。泣きそうだ



ヨシュア:(M)バニー・ドレッドパーカーの死亡を報告。



バニー:…。



バタップ:『その男。暴君につき』


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