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異能力者達の午後  作者: ゆーろ
異能力者達の午前
14/32

化け物達の週末

0:『化け物達の週末』



0:登場キャラ


セノ:男


デザート:男


リットン:女


バニー:男


ザックス:女


ポルジッコ:男


ドミニク:男


エンディオ:一応男



0:ほんへ



セノ:(M)西暦。2001年。8月



セノ:(M)ロシア、最西端。バグテリア法外特区。ここでは、法の一切が適応されない。法律にも、世界にも見放された街



セノ:(M)と。呼ばれている



0:バグテリア中央エリア。バラエティ社本庁



0:長机に座る四人。



セノ:(M)ここは。自由と。喧騒の街



0:台パンした



リットン:っ…!デザートの旦那。君、いま。なんて言った



セノ:(M)心から。そう、心から言おう



デザート:聞こえなかったか。考察屋は耳が悪くて務まるのか



リットン:聞こえたよ。聞こえた上で、私は私の耳と頭と目を誰より信頼してるから、旦那を疑ってるんだ



デザート:…再度言おうか



セノ:(M)僕。セノ・アキラは



デザート:バグテリアを。国家にする。



セノ:(M)僕は。この街が大好きだ



リットン:……あああ。残念だけど聞き間違えならどれほど良かったか……。本当に残念だ



デザート:なんだ、聞き取れているんじゃないか



セノ:…ぷっ



リットン:狐男っ!笑ってる場合かっ



セノ:いやぁ本当に、この街に居ると退屈しないね。あと僕はセノ・アキラだ。狐男だなんて呼ばれる覚えは―――



リットン:あるだろ。タコ



セノ:うーん、否定は出来ないんだなぁ。イカ



リットン:この…



バニー:かぁ〜。わざわざ呼び出してなんの用かと思ったらまた小難しい話かよ。他所でやれや、このクソ野郎となるべく一緒にいたくねぇんだよ。



セノ:あば



バニー:殺したくて背中痒くなっちまうもんなぁ。おいセノよぉ



セノ:かけばいいじゃないか、それにいつも通り殴りかかって来られちゃ折角集まった意味が無い。そうだろう?



バニー:だから俺は難しい話分かんねぇって



デザート:簡単な話だ、暴君坊。ここ、バグテリアはロシア連邦という数ある共和国を総括した物の一部に過ぎない。



バニー:ほう



リットン:まぁ最も?うちは独立に近い立ち位置にあるよ。でも捨てられた州としてロシアの管轄にあることに変わりはないわけで



バニー:ほう?



デザート:そうだね。そして近年、各国の自治性は着々と失われ、ロシア政府と各州の因縁は多岐に及んでいる



バニー:全くわからん。仮にバグテリアが国になって、それで何が変わるんだよ



セノ:このバグテリアという場所の変化。という意味は絶大だよ、バニー



リットン:今まで世間が放っておいた様々な暗がりが流れ着いた掃き溜め、まさに法外特区の名に相応しいね



セノ:そして何より、デザートの旦那が率いる超巨大規模のマフィアグループ「バラエティ」。この存在がまた厄介だ



デザート:どうもどうも



セノ:一国家にも匹敵する権力者とのツテ、情報網、資金、肝心の構成員も数百万と来たもんさ。ほんとやり手だよこの色男は



デザート:まぁね。そして僕らがその全てを一つの国として、正式に情報を保持することになったらどうなると思う



リットン:周辺諸国は勿論、隣接する共和国、中央政府。その全ての猛反対は逃れられないだろう。最悪の場合、いや当然の流れとしてーーー



セノ:どかーーん!とひとつ、大きな花火が打ち上がるわけだ



リットン:ひとつで済めばいいけどな…



デザート:そう嫌な顔をするな。花火だぞ。綺麗じゃないか



リットン:綺麗で済んでたまるかっ。デザートの旦那っ。本当に君はいつも面倒事を抱え込んでいるしっ。狐男!お前がこの街にくるとろくな事がないっ



セノ:いやあ、ははは



デザート:褒め言葉として受け取っておくが。稼ぎ時。だろう



リットン:まあ。稼ぎ時。だね



セノ:バニーはここまで理解出来たかい?



バニー:まぁ何となくな



リットン:改めて言うよ、バラエティ首領デザート・D・クラウン



リットン:ここに居るのは私、考察屋リットン。



リットン:暴君坊、バニー・ドレッドパーカー



バニー:お



リットン:狐男、セノ・アキラ



セノ:はぁ〜い



リットン:私達はバグテリアの顔とでも呼ぶべき名物達だろう。その私たちに何を要求するつもりだい



デザート:単刀直入に、手を貸して欲しい。



リットン:私と、まぁ狐男はギリギリ分かるとして・・・暴君坊なんてただの暴力名物だよ。



バニー:殺すぞ



リットン:ほら



デザート:バニーが持つ怪力はまさに人間離れのそれだ、それこそ異常体、ナンバーズと遜色ない実力がある



リットン:そりゃそうだ



デザート:私は、このバグテリア法外区画を、国家として独立させ



デザート:今まで世間の暗がりで生きてきた異常体の、異常体による、異常体の為の国家を作る。



デザート:そのための障害は全て排除する。暴君坊。彼だって。これ以上なく異常だ



バニー:お?



デザート:何より。お前たちを懐柔しておくのが最善手だ。きっとこの計画に大きな支障が出る。お前達は、怖いからな



セノ:ぷっ・・・ぷぷぷっ



リットン:旦那も暴君坊も狐男も、全員中央から手配されてる。そんな事したら中央の連中がまず黙っちゃいない



デザート:今更だろう?中央は異常体を拉致し、監禁し、使役する。様々な企業や政治家とウィン・ウィンの関係を築く大型組織。



デザート:つまり私は今から、中央政府と、世界。その全てに喧嘩を売る。と。言うことだ



リットン:はぁ……



セノ:ははははははははは!!



バニー:それってぇと、やべぇのか?



セノ:さっき僕が言った通りどかーんっ!だね



リットン:ドカーンどころじゃないよ。核戦争よろしく、最悪最低の大戦だ。もしかしたら世界大戦にも繋がり得る。いや繋がらない方が不思議だろうね!



セノ:はぁ〜、なるほどねぇ、あれは。もしかして。そういう事だ



デザート:ああ。そういう事だ



リットン:なに。どゆこと。



デザート:中央政府情報局。特務監査役。カルビス・ラングナー。



デザート:並びに。管理官。アインズ・ブローカー



バニー:誰だ



リットン:中央の情報局員だ。どっちもそこまで名前が知れている印象はないけど



デザート:その二人が。今回。この計画の立案者であり。私達の内通者だ



セノ:ぷっ。



リットン:……はぁっ!?



デザート:加えて赤い林檎主犯。アレジ・ロンドンとの協力関係。即ち、同盟を築いた



リットン:はぁぁぁ!?



セノ:ぷっ!あっははっ!なるほど、やっぱり見てこようかな!と思うほど面白い対談があったんだなぁ!



リットン:待て待て待て!中央には、その、なんだ。裏切り者が居てバグテリアの協力者。で?赤い林檎はバグテリア国家独立の為に同盟を結んだ、っつー事か!?



デザート:そうだ



リットン:はぁぁ。いや、確かにアレジ・ロンドンの掲げる異常体人権確保にはこの計画は持ってこいかもしれないが、それにしたって…



バニー:ブツブツうるせぇぞリットン。何かやべーのか



リットン:やべーだろっ!どう考えたってやばい!旦那は本気だ。本気で、異常体と。人類。その関係性に決着をつけるつもりだ



バニー:ほー。俺になんか関係あんのかそれ



リットン:あるだろうがっ。あるだろうがっっ。君だってその最低最悪の全面衝突に参加させられるかもしれないんだっ



バニー:向かってくるやつはぶっ飛ばす。そんだけだろうが



リットン:ばかやろーだーーーっ。そもそもだっ。デザートの旦那ぁ!



デザート:なんだ



リットン:国家独立。それは大体何年先を目処に動くんだ



デザート:来月だ



リットン:来月かぁ。なら結構猶予も…。来月だぁあ!?



デザート:来月だ



リットン:ほんとーーに馬鹿野郎だねっ!?無理に決まってだろっ!アホか!



セノ:案外、そうでも無いかもしれない。だって彼だもの



リットン:あああ。そうか、君だった



デザート:周辺諸国への裏回し、国家予算それらの初期費用。法整備、憲法案の書き出し。区画整理。全て、1ヶ月後には終わっている



リットン:待て待て。そもそも、だよ。赤い林檎は利害の一致で置いといて。問題は中央の裏切り者。ラングナー、ブローカーペアだ。



バニー:おいおいおい。何なんだよ。何だってんだよ。難しい話はわかんねぇから他所でやれって。俺は帰るぞ



リットン:待てよ暴君坊っ!いよいよ他人事じゃない!バグテリアと中央だけに収まらない、被害で考えれば世界規模の衝突だっ



バニー:どの道俺には関係ねーじゃねーか



0:バニーの前にセノが立ち塞がる



セノ:ちょっと待った



バニー:どけよ。セノクソセノ。今すぐどけ。



セノ:最後まで聞いた方がいい。君の。お兄さんにも関わることだ



バニー:…



セノ:バタップ・ドレッドパーカー。君の。たった一人の兄弟であり、君が。たった一人。自分の手で殺したいやつだろう



デザート:ああ。中央に逃れていたのか



リットン:確かあれだね。ドレッドパーカーという異常体の一家を潰した。それがそのバタップってやつ。一家の首を手元に中央に入った激ヤバ執行官



セノ:その。激ヤバ執行官を中央に向かい入れたのが僕だ。



デザート:それでか。バニーが異様にセノを嫌っているのは



セノ:この計画が本当の通りになったのなら。中央は黙っちゃいない。恐らくは総力をあげて潰しに来る。ナンバーズも、アストレアも。ホトバシ達特務班も。



セノ:勿論。バタップも。デザート達バラエティは全力の対抗だ。幹部連中じゃなくても、デザート一人いれば。バタップは。確実に。殺されるよ。君以外の誰かに



バニー:おい。てめぇ



0:胸倉を掴む



セノ:…っ。折れちゃうよ。鎖骨とか



バニー:黙れ。殺すぞ。



セノ:だったら一旦聞けばいい。僕は君の為を思って言っている



リットン:うっさんくっさぁ



バニー:……。続き話せ



リットン:…で、だ。今一番恐れるべきは。その二人の裏切り。だろ。ただでさえ中央を裏切ってるんだ。そういうやつは何か裏がある。それに目処はついていないのか



デザート:…。ああ。聞いている。なんでも。中央も世界も、全部嫌いなんだと



セノ:彼らしい



リットン:馬鹿げてる。そんな子供じみた破壊衝動を信じるってのか。君は



デザート:ああ。存外、大義の根本は小さな。それこそお前の言う。子供じみた理由なものだよ



リットン:裏切らない確証はあるのか。文字通り、もしそれに乗るなら私達だって否応なしに巻き添えだ。保証しろよ。ここで



セノ:珍しく怖いね



デザート:カルビスと契約した。どっちも。裏切らない、と。裏切り行為は死に直結する



リットン:そんな破滅願望を抱いてるやつ。自分の命くらい何とも考えてないケースもある



デザート:そこは信頼するしかない。それ相応のメリットもこちらにはある。交渉というのはそういうものだ



リットン:…っ。最もらしい



バニー:いいじゃねぇか。別に



セノ:お?



リットン:どういう意味だよ。暴君坊こら



バニー:裏切ろうがなんだろうが。要は中央連中を全部ぶっ飛ばせばいいんだろ



リットン:そーゆーことじゃないって



バニー:どの道。もうやるんだろ。デザートは



デザート:…ふ。ああ。そのつもりだ



リットン:冗談じゃない…っ!成り行きの脅迫じゃないかっ



セノ:まだ誰も手を貸すとは言ってない。僕も。バニーも。ただ、どう足掻いてもデザートは中央とぶつかる。どっちにつくのが自分の利益か。って話じゃない?



リットン:〜〜〜っ



デザート:ああ。その通りだ。国家独立宣言は。一ヶ月後。その日。世界は一新する。



デザート:より優れた人間が上に立つ。民主主義など知ったことか。世界を馴らすのは



デザート:圧倒的な独裁制。羽虫が吠える権利を得る世の中にはうんざりだ



デザート:その為には。お前達の力が必要だ。リットン、バニー。セノ



0:沈黙



デザート:私と。共に歩もう。王道を




セノ:さーて。一番最初に手を上げるのは…



バニー:いいぜ。乗ってやる



セノ:ま。だろうねぇ



バニー:俺の目的は、バダップを殺すこと。ただそれだけだし。俺は馬鹿だから難しいことはよく分からねぇ。ただ。強いやつが偉い。分かりやすくていいじゃねぇの。



リットン:こんの脳筋…っ



バニー:ムカつくやつはぶっ飛ばす。当然。お前もだ。セノ



セノ:たはぁ〜



デザート:ありがとう。バニー



バニー:おう。なんか奢れよ



デザート:勿論。



リットン:…ったく。王道だの改革だの、時代錯誤も甚だしい。中世かっての。



デザート:そう言われても。仕方がないな。



リットン:……。私は、面倒事が嫌いだ。大嫌いだ。国家独立だなんてくそくそくそ面倒だ。



リットン:でも。それ以上に私は金が好きだ



0:リットンは金マークを指で示した



リットン:戦争は金になる。一旦、乗るよ。どの道、乗るしか無さそうだ



デザート:お前のそう言うところが、私は嫌いじゃない



リットン:だが。この作戦が少しでも破綻したと私が感じたら、私は降りる。これでいいね



デザート:ああ。構わない。ありがとう



セノ:ここで全員検挙すりゃあボーナス確定だなぁ



リットン:言ってろ。



バニー:んで。最後は



デザート:ああ。お前だな



0:視線が集まる



セノ:……。なんだか、少し懐かしいな。いつかもこんな事があった気がする



デザート:セノ。私はお前を、世界で一番信用していない。だが。お前の底知れなさは。敵にするには恐ろしい



セノ:ふむ



デザート:お前は。中央と。私。どっちの味方だ



セノ:…ははっ。冗談だろ。デザート・ディーパー



セノ:僕はね。いつだって



0:デザートの手を取った



セノ:面白い方の味方だよ。



デザート:…昔の、友人を思い出すな



セノ:ああ。僕もだ



リットン:決まりだな。ここにいるヤツら。全員独立行きだ



デザート:ああ。決まり、だ。



0:『リットン、バニーOUT。



0:ザックス、エンディオ、ドミニク。IN待機』



セノ:(M)ここはバグテリア法外特区。自由と、喧騒の街



デザート:三人とも。感謝する。



セノ:(M)心から言おう



セノ:(M)僕。セノ・アキラは。この街が大好きだ。愛してる



デザート:神は人の上に人を作らなかった。



デザート:だから。私が、神になってやろうと。そう思う。



セノ:(M)というか、もう



セノ:(M)この世界を、愛している



デザート:洗おうか。世界を



0:場面転換。一人でチェスをしているセノ



セノ:…。災い独り行かず、より深く。取り縋る。



セノ:罪を憎んで人を憎まず。飲み下す。通りすがるは、研ぎ澄ます。



セノ:…。xa6。キング。これは。悪手。だよねぇ。だからこそ。面白い。よねぇ



0:場面転換



0:『IN待機消化。セノOUT』



ポルジッコ:2001年。8月15日。生産管理課から報告。



ポルジッコ:バグテリア国家独立に向け。人口異常体。249体を、品質管理課への引渡しを報告。



ザックス:2001年。8月15日。品質管理課から報告。



ザックス:人口異常体249体の引渡しを確認。内訳。ステージ1、153体。ステージ2、98体。ステージ3、7体。ステージ4。0体。ステージ5。1体



ポルジッコ:ロックスミス兄弟は一応幹部だ。報告書からは抜いていい



ザックス:了解した。ロックスミス兄弟を抜いた、247体を。国家独立に向けた兵隊として出荷する



ポルジッコ:次。人事課



エンディオ:バグテリアを含むロシア南西から、未登録の異常体642体を採用



ドミニク:内訳は資料の通りだ



ポルジッコ:…。少ないな。次



エンディオ:ウクライナ、モンゴル。カザフスタンから966体。



ドミニク:フィンランド、スウェーデン、ノルウェーから1840体。



エンディオ:ベラルーシ、スロバキアから392体。



ドミニク:ドイツから3991体。



ポルジッコ:ほお。



ドミニク:以上。先月分の採用人数。7830体だ



ザックス:いいじゃないか。上々じゃあないか。ポル



ポルジッコ:ああ。使い捨ての兵隊にしては悪くない。研究員はどれくはい拉致できた



ドミニク:26人。



ポルジッコ:ああ、もう少し欲しいな。シモンがいない分、かなりきつい



ドミニク:ああ。分かってる



エンディオ:ちょーっとちょっと、俺らさぁ。結構頑張ったよ。頑張ったと思うんだよお。



ザックス:だからなんだ



エンディオ:ちょっとくらい、休みがあったっていいと、思うんだよなぁ。かれこれ半年休みないよ



ザックス:何言ってる。今が一番働き時だ。研究員。もっと。持ってこい



エンディオ:んな事言ったって、人間の拉致って結構面倒くさいんだよ、ザックス



ザックス:知ったことか。それがお前たちの仕事だろう



エンディオ:あーでたでた。勘弁してよ。勘弁してくださいよ〜。疲れた。たまには一日寝て過ごしたいよ。だってほら死んで、死んで?死ぬ死ぬ毎日。死んじゃうよ本当に



ザックス:そもそもよお。



ポルジッコ:ザックス



ドミニク:ああもう



0:エンディオの頭を掴んだ



ザックス:てめぇがシモン撃ち殺さなきゃあ良かった話だよなぁ〜〜〜!?



0:叩きつけた



エンディオ:がはっ…!



0:何度も叩きつける



ザックス:てめぇの!



エンディオ:ごぼっ…!



ザックス:尻はぁっ!



エンディオ:ぎゃふんっ



ザックス:てめぇで拭くべきだよぁ〜っ!



エンディオ:たこすっ…!



ザックス:おいこらおいこらこらこらおいきゃーぎりぎりばんばんっ!



ドミニク:ザックス



ザックス:あぁ!?



ポルジッコ:エンディオ。死んだぞ



ドミニク:頭蓋骨が割れた。



ザックス:…ああ。



ザックス:しんでんじゃねーーーよてめぇえっ!



ポルジッコ:あれが死体蹴りってやつか



ドミニク:来い。エンディオ



0:エンディオの死体から黒い粒子が出る。



0:それはドミニクの前に集まる



エンディオ:〜〜〜ばっはぁあっ!死んだっ。バラエティ本社で死んだ…っ。でたよでたよ、これだから嫌いなんだよあんたは



ザックス:どの道死なねぇんだからいーだろうがぺちゃくちゃ言ってんじゃねぇよこら



エンディオ:なに。まだやんの。だったら俺も本気で抵抗するけど。拳で



ポルジッコ:おい。そろそろ社長が来る。終わらせろ



ドミニク:エンディオ。やめろ



ザックス:安心しろよ、ポル。社長が来る前にもっかい殺す



エンディオ:らしいので。これはあれだ。ドミニク。正当防衛ってやつ



0:扉が開く



デザート:おはよう。みんな



ザックス:おはようございます



ポルジッコ:お疲れ様です。こちらに



デザート:ああ、ありがとう



エンディオ:(M)わっっかんね。この女のあーゆーとこほんと分かんない



ドミニク:エンディオ。ネクタイ。ズレてる



エンディオ:ああ。ごめん



ポルジッコ:以上、国家独立に向けた人材調達報告です。



デザート:ああ。いいじゃないか。悪くない



ザックス:それで。考察屋、暴君坊、狐。その交渉は



デザート:協力する、と言っていた。それぞれの真意は知れないが。今は、それでいい



デザート:兵隊も十分。根回しも、協力者も揃った。



ドミニク:(M)デザート・D・クラウン。バラエティの首領で、バグテリアの首領



デザート:目標は1ヶ月後の独立宣言まで。中央執行部よりも多く兵隊を募ること。圧倒的物量で、押す。状況は恐らくは迎撃戦。



ドミニク:(M)俺と。エンディオを異常体にした張本人。



デザート:使い捨ての駒を総入れ替わり戦でぶつける。外壁から押し寄せる先遣隊は諸君ら幹部各位で凌ぐ。入口を一箇所に。大勢で叩き、確実に。潰す。



ドミニク:(M)ふと思う。この人に。弱点はあるのだろうか。弱い部分はあるのだろうか。



デザート:バラエティ本社には私が残る。入口が突破された後は乱戦状態になるだろう。その時は情報戦をリットンに。バニーは遊撃的に勝手に動くだろう。当然、私も出る



ドミニク:(M)もし。もしも無いのだとしたら。それがこの人の。異常性だと思う



デザート:その為にはやはり人員が必要だ。ステージ1でも。一般人でも。銃さえ構えられれば人は殺せる。とにもかくにもまずは



デザート:駒を揃える。まずはここから。以上、社命を遵守しろ



0:四人同時に。バラバラでもよい



ドミニク:了解しました。社長を遵守します



ザックス:了解しました。社長を遵守します



ポルジッコ:了解しました。社長を遵守します



エンディオ:了解しました。社長を遵守します



デザート:じゃあ。よろしく頼むよ



ポルジッコ:お疲れ様です



0:デザート退室



ドミニク:さて。俺達も戻ろう。エンディオ



エンディオ:わーい



ポルジッコ:待て。ロックスミス兄弟



ドミニク:なにか?



ザックス:最終調整だ。人口異常体は如何せんどうにも時が経つに連れて能力条件が悪くなる。



ポルジッコ:グローザもその通りだった。生産当時のステージは6だったが、今では4。能力発動までの待機時間、クールタイムも年々伸びている



ザックス:お前らの異常性は劣化したらそれで終わりだ。少しでも、な。これはお前らの生産当初から懸念されていたことだが



ドミニク:…



ポルジッコ:ドミニク・ロックスミス。お前の異常性である、エンディオ・ロックスミスの能力定義が再起不能になってから再び顕現までの時間がわずかでも伸びた場合



ザックス:そいつの不死身論は無くなる。次の顕現まで一時間かかる。だなんて事象になったらたまったもんじゃないからな



エンディオ:はあ。やだよ。大丈夫だって。大丈夫、大丈夫



ドミニク:社長命令でもないのにあんたらとやり合う意義はないように思えるが



ポルジッコ:社長の。引いては我社の利益になるかの見極めは社長の為。会社貢献にほかならない



ザックス:言っておくが。これは提案ではない。品質管理課からの社命だ



ドミニク:…はあ。エンディオ



エンディオ:えー。まじで?どこまでブラックなのこの企業



ポルジッコ:相手は俺と。ザックスがやる



ザックス:全力で来い。少しでも有用性を感じなければ幹部から兵隊に格下げする



ドミニク:スクラップ行きは困るな。泣かすぞ、エンディオ



エンディオ:こいつら泣かすまで俺何回泣けばいいの



ドミニク:何度でも。だ



0:回想



デザート:なんで人口異常体のロックスミス兄弟が幹部なのか。か。確かに、お前の言う通り。最もらしい疑問だと私も思う



0:現在



ザックス:flambeフランベ…!



エンディオ:ぅぉアッチィイイイッ!



ザックス:ポル!こっちは殺した!



ポルジッコ:了解した。Sparkスパーク



ドミニク:っと。危ないな



ポルジッコ:流石に。自己防衛意識は高いな



ドミニク:来い。エンディオっ!



エンディオ:―――ぁあああっ!もうっ!あっついなぁ!覚えてる、覚えてるよ。痛みも、熱さも、勘弁してくれっ!



0:回想



デザート:理由は至って単純だよ。国家独立の為の資金としてアンは中央に売っぱらったが。あれを除けば。ロックスミス兄弟はデザート・ハウスの最高傑作だ



0:現在



ザックス:はぁ。はぁ…ったく。やってられねぇな



ポルジッコ:品質管理はお前の仕事だ。お前が弱音をほざくな。俺が付き合ってやってるんだ



ザックス:分かってる…!



ドミニク:何度でもリトライだ。エンディオ



エンディオ:だーかーらっ!リトライすんのは俺なのっ!お前じゃないのっ!



0:回想



デザート:ロックスミス兄弟は強いのか?ああ、確かに死なない人間という異常性を宿しただけの異常体と、死なないだけの異常性。これだけ聞けば大した驚異にも感じないだろうが



0:現在



ザックス:いっっってぇなぁ!!てめぇふざけんなよこらっ!!



ポルジッコ:熱くなんなよ。



ドミニク:これで32回目。命がいくつあっても足りないな。来い。エンディオ



エンディオ:―――ぉおぉっ…!ああ、もうっ。くそ…!意気軒昂過ぎて泣けてくる…!



0:回想



デザート:結論から言うと。強い



0:現在



ザックス:flambeフランベ…っ!



ポルジッコ:VOLTボルト



エンディオ:ごごががかがががっ!



ドミニク:来い。エンディオ



エンディオ:――がががっ!ああくそ!今死んだ!?死んだかもわかんない!



ザックス:…ちっ。ポル、電力残ってるか



ポルジッコ:お前こそだろう。火力が落ちている。それじゃあ鉄も溶かせない



ザックス:はぁああっ!?言ってろ!



ドミニク:何度でも。何度でも!リトライだ!



エンディオ:ああああちくしょおおおっ!めんどくせぇええええっ!



ポルジッコ:Sparkスパークッ!



ザックス:Bruleeブリュレッ!



0:回想



デザート:2ヶ月に及ぶ威力実験にて。ロックスミス兄弟は、たった2人でオレンブルクを落とした。



0:現在



ポルジッコ:はあ…はぁ…ごほっ…!



ザックス:ったく。もういい。合格だ。



ドミニク:…ふう。終わりだって。エンディオ



エンディオ:もう戦いたくない。死にたくない



0:回想



デザート:何より恐ろしいのは、剣でも、弓でも、銃でも、核爆弾でもない。敵意を持った。死なない人間だよ



0:現在



ザックス:ロックスミス兄弟の異常性に変化はない。報告書に追加だ



ポルジッコ:ああ。



ドミニク:頼むからもうやらないでくれよ。定期検査は一年に一回でいい



エンディオ:一年に一回も嫌だよ



ザックス:あと。ポル。ここの資料だ。少し打ち合わせしたい



ポルジッコ:わかった今行く。ロックスミス兄弟、先に失礼するぞ



ドミニク:ああ。



0:『ザックス、ポルジッコOUT



0:バニー、リットンIN』



エンディオ:毎回思うけど。あいつらに疲れっていう概念ないのかなぁ



ドミニク:さあ。お前が死なないのと一緒だろ



エンディオ:勘弁してくださーい



ドミニク:さて。俺達も戻ろう、エンディオ



エンディオ:うん。



ドミニク:なあ。エンディオ



エンディオ:なんだよ。ドミニク



ドミニク:お前は死んでも死なないけど。今回は死ぬ気がする



エンディオ:…。何言ってんの?



ドミニク:さあ。何言ってんだろ。



エンディオ:お前がいる限り俺死なないし。俺がいる限り。お前も死なない。面倒くさいけど。俺が守るから心配ないでしょ



ドミニク:…。困った。一応俺が兄貴なんだけどな



エンディオ:関係無いでしょ。弱いじゃん。ドミニク



ドミニク:ああ。知ってる。よわいな。俺



0:場面転換



0:『エンディオ、ドミニクOUT。セノIN』



0:バラエティ本社



リットン:さあて。こんなもんか。次は…



バニー:なあ。



リットン:なんだい暴君坊。私は今忙しい



バニー:お前って。なんでそんな金欲しいんだよ



リットン:…。本当になんだよ。君が誰かに質問するなんて。熱でもあるのか。暴君坊でも菌には負けるのか



バニー:ひいたことねぇ。



リットン:だよねぇ。ならどういう風の吹き回し?



バニー:いや。お前別に高いもん買ってるわけでも食ってるわけでもねえし。考察屋も一生ボロ屋だ。



リットン:やかましいよ



バニー:なにに使ってんのかなあって



リットン:なんにも。貯めてるだけ



バニー:楽しいのかそれ



リットン:別に。ただ、金があれば大抵の事は解決する。辻斬りの件だってそうだ。金さえあれば人の命すら買える。そんな世の中だ



バニー:ほー。まああって困るもんでもねえわな



リットン:だろ。でも。命で自分の命は再びは買えないからね。金は稼げばいいけど。人の命だけは買い替えれない。勿論一番可愛いのは我が身だよ



バニー:そうかあ。ムカつかねぇな



リットン:そりゃ何より。つーかいつまでここでたむろしてんだ君は。働け



バニー:ムカつくな



リットン:うるせーよ



バニー:…俺は。



リットン:?



バニー:金があったら。ド田舎でカフェでも開いて犬とゆっくり暮らしてえな



リットン:……ふ。君のそーゆーとこ。私は嫌いじゃないよ



バニー:そうかあ



リットン:でも君、客殴るから向いてないよ。



バニー:殴らねえよ。多分



リットン:じゃあ殴るよ。絶対



バニー:殴るなあ



リットン:だろうが。まあ、開業するなら一枚噛むよ。暴君坊が切り盛りするカフェ。いいネタになりそうだし、話題性もあって儲かりそうだ



バニー:おお。じゃあ金貸してくれ。



リットン:死んでも嫌だね



バニー:じゃあどーやって手伝うんだよ



リットン:あー。接客でもしてあげる



バニー:ほー



リットン:だから店の売上の49%ちょーだい



バニー:よく分からんが、いいぞ



リットン:やっぱり馬鹿だねえ



バニー:あ?



リットン:まあ。バグテリアが勝てば、デザートの旦那に言ってみなよ。あの人なら数千万くらいうんこ拭くために使ってそうだ



バニー:おお。確かに、そうだな



リットン:バグテリアが勝てば、だけどね



バニー:まーだあのカルなんたらとブロなんたらが裏切るとか心配してんのかよ。相変わらず心配症だなてめー



リットン:…私は。誰も信用していないよ。金と、自分だけだ



バニー:…俺も?



リットン:勿論。だって君、馬鹿だし



バニー:ほー。ムカつかねぇもんだな



リットン:ムカつかないのか。よく分かんないな。君のその基準



バニー:そうかぁ?いいじゃねぇの。わかりやすくて。俺は俺の理解できねー考え方してるやつが嫌いだ。セノとか。デザートもそうだな。あいつら何考えてるかわからん



リットン:狐男は…。はっ。確かにそうだね



バニー:……あちぃな



リットン:夏だしねえ。ひじょーにあつい



バニー:夏。かあ



0:場面転換



セノ:ぶぇええっくしょおおいこらあああっ!



セノ:ずび。また噂されてる。人気者で困っちゃうね。



0:セノは一人でチェスをしている



セノ: Nナイトf3 e4。 Nナイトd4 d5。 d3 exd3。 (クイーン)Qxd3 Nナイトf6。



セノ:デザートがキング。クイーンはアストレア。カルラコットとビットマンは…ルークだな、ビショップがカルビス。ビショップはアレジくんで、ナイトがカイくん。ポーンが彼ら。



セノ:うーん。盤面、揃ってきた。潤ってきた。いいね。いいねいいね。最高に、いいね。



0:盤をひっくり返して踏みつけた



セノ:はははっ!ははっ!いいねっ!いいねいいねっ!アガってきた!最高にっ。アガって、きた。



セノ:長く待ったよ。本当に。長く、長く待った。特にデザート、アストレア。君達の決着まで、本当に数百年。待った。



セノ:あーあーっ!面白いなぁ、最高に



セノ:――――面白い



0:場面転換



0:バラエティ本社。屋上



デザート:―――より深く。研ぎ澄ます。飲み下しては、寄り縋る。



デザート:三日だ。今日で、満月が。



デザート:………長かったなぁ。終わりだよ。



デザート:……………アストレア。


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