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絵のない絵本  作者: 3猫の敷物
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月に焦がれたうさぎさん

第一弾。努力は無駄じゃないっていうお話。

 

 あるところにうさぎさんがいました。


 うさぎさんは毎晩、お空を見上げながら大きな溜息をつきます


「はぁー…お月様はきれいだなぁ…」


 うさぎさんはお月様がだい好きなのでした。


 毎晩お空を見上げては昨日と違う形のお月様を見つめては溜息ばかり。


 ある日、いつものようにお月様を見上げると…


「あれれ?なんだかお月様に影があるなあ…。僕に似ている形だ…そうか!」


 うさぎさんは、お月様の影を、先に行ったお友達だと思いました。


 そして、自分もそこに行きたいと…。


 次の日からうさぎさんは毎日毎日、ぴょんぴょんぴょんぴょんとお空に向かって跳ぶ練習をはじめました。


 森のお友達が尋ねます。


「そんな事して、本当にあのお月様のところへ行けると思ってるの?」


 うさぎさんは答えます。


「わからないよ…やった事ないからね。でもあそこの影をごらんよ?どうやってかはわからないけど、あそこに行ったお友達はいるんだよ」


 次の日、またちがうお友達が尋ねます。


「あんなところに行けると本当に思ってるの?時間がもったい無くないの?」


 うさぎさんは答えます。


「毎日寝てばかりいた時間に比べれば全然もったいなくないよ!例えあそこにいけなくてもね」


 そんなふうにしながら、それでもまいにちぴょんぴょんぴょんぴょん


 ある日うさぎさんは考えました。


「うん。やっぱりぼくのちからじゃあそこまで跳ぶことはできないんだな」


 その晩、うさぎさんは残念そうにしながら、毎日眺めていたお月様から目を逸らしました。


 すると、お月様がうさぎさんにはなしかけてきました。


「やあ、うさぎさん。僕のところに来るのはもうやめたのかい?」


 うさぎさんはびっくりしてその場でぴょん!と飛び上がりました。


「そんなに高く跳べるようになったんだねぇ…」


 お月様もびっくりするくらいうさぎさんのジャンプは高くなっていたのです。


 そしてうさぎさんはいいます。


「そっちに行きたかったけど、跳ぶ練習だけじゃたりなかったみたい。だけどまえよりずっと高く跳べるようになったし、かけっこだって速くなったよ」


 うさぎさんは、自慢の足を撫でながら


「お月様とは違うけれど、ぼくのこの足だって美しいだろう?」


 お月様はそれをきいてにっこり。


「そうだね。君のその足はとっても、美しい」


 大好きなお月様に自慢の脚を褒められてうさぎさんは大喜び。


 お月様へは行けないけど、せっかく褒めてもらえた自慢の足。


 兎さんは今日もぴょんぴょん





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