走る為の加護をもらった誰かのはなし
◆疾走者の加護が授与されました
・走り続ける限り、以下の状態に固定されます
スタミナの消失
飢餓の消失
眠気値の消失
寿命値の消失
・距離に応じて加護の効果種類が増えます
・歩行時加護効果解除
疾駆し、世界を巡りなさい
走る。走る。走る。走る。
脚は常に最大まで上げ、フルスパート。
スタミナがない?違う。
スタミナなんてものがなくなった。ないんだから、減ることもない。
減らないから疲れない、お腹も減らない。
止まれば、それらが全部来る。いや、それだけじゃない。ペースメーカーが、やってくる。
だから、止まれない。止まらないで、脚を上げて、これでどれぐらいだ、山を越えたぞ。
目の前には馬に引かれた家と、剣を持った奴ら。
嫌だ嫌だ嫌だ、ほらやっぱりこっちに来た。
襲わないよバカ、こっちは通りたいだけなんだよ。
振りかぶるのに合わせてスライディング。うまくいった。うまいぞ今回は。
前まで同族だった連中がなにかやらかしたんだろうけど、自分にゃ関係ないし。
見た目だけで襲ってこられても困るんだよなぁ、肌白どもは。
肌白の国を越え、毛肌の国を越え、同族だった葉色肌も、耳長白耳長黒も、みんな越えて、
海に、ついた。
「かみさまよぅ、こりゃ、もう走れんぞ。泳ぐなら出来らぁが」
仕方がないので、円を書いて走る。止まらなけりゃなんとかなる。なんとかなるのだ。
にしたって、限度はあるが。なんせ、少し前にゃ岩白肌の土堀のど真ん中を突っ切ったから、追われてるしな。
「かみさまよぅ、んでも、海に見せてくれたのはあんがとな」
止まれなくしたのもかみさまだけども、あの時にゃそもそも死ぬ寸前だったしなぁ。
「海沿い、走ってみるかなぁ」
◆疾走者の加護に効果を追加できます
・海渡りの加護
・海中呼吸の加護
どちらか一つを選択しなさい
「ほんとう、狙っとるんやろか。まあ、かみさま、あんがとな」
海渡りの加護を受け取る。海ん中で呼吸出来ても、きっと、走れんから。
海に一歩。
おぉ、海を踏める。……川は踏めんとかありそうな。
さぁて、と。次はどんな場所なんかねぇ。
設定の投げっぱなし
種族名があるとすればランニングゴブリン