とんだピエロ
私はずっとピエロをやらせてもらっているが、最近、少しマンネリ化している気がする。
大それたことがやりたい。
他のピエロがやらないようなことがやりたい。
何か壮大なパフォーマンスはないだろうか。
とてつもない量の風船を用意して、少しカラダを宙に浮かすのがいいな。
試すのは時間や予算がかかるからやめる。
一発勝負でいこう。
出来るだけ体重を減らして挑もう。
ついにピエロショーは開幕した。
早速、とてつもない量の風船をカラダに括りつけた。
するとピエロの私は、風船で優雅に空を飛んだ。
それはもう空高くまで。
少しカラダが浮く程度で良かった。
足が地面から離れさえすれば十分だった。
上空にいる怖さよりも、計画が失敗して恥をかいたことが、何より心を苦しめた。
予想以上に飛んでしまったが、みんなの私に対するイメージも予想以上に飛躍したことを、鳴り止まない拍手で実感した。