7話 世にも奇妙な……
リリーのおかげで元気にはなった私は、午後からの授業は参加することができた。
ちなみに、あの爆破問題も悪意はなかったって事で、罰則は無し。反省文も500字程度で許してもらえる事になった。
そして、1日の授業を終えて、自室に帰る。
「ふぅ、今日は色々あったね〜」
私は部屋に入って早々ベッドにダイブした。
「はい、大変でした〜。特に2〜4時間目までユリーナちゃんがいなくてぼっちだったのが大変でした」
「う……それはごめん」
まだ2日目な事もあって、みんな同室の子同士で集まってるんだよね。だから、片方の子がいなくなると必然的にぼっちと化す。
コミュ力高ければ仲よさそうな人達の輪の中に入れるんだろうけど、あいにく私もリリーもそこまでのコミュ力はなかった。
「それにしても、なんだったんでしょうねあの特大ファイアボール」
「あー、あれね。ほんとなんだったんだろ。原因に全く心当たりないし」
私はMPはちょっぴり多めだけど、それ以外のステータスは平均より低い。だからあんな威力の魔法は普通出せないはすだ。
……って、ローリィー先生が言ってた。
「ユリーナちゃんに原因が無いとすると、道具とかですかね?」
「道具っていうと、杖?」
「はい。初心者用の支給品ですから、あんまり現実的な考えじゃありませんけどね」
『いえ、そうとも限りませんわよ』
「いやいや、リリーの言う通りあんまり現実的ではないで……って、え?」
今、全然知らない人の声しなかった?
「一応聞くけど、リリーはそうとも限らないなんて言ってないよね?」
「はい。ユリーナちゃんも言ってませんよね?」
「うん」
正体がリリーじゃないとすると……
おぉ、世にも奇妙な感じになったきたぞ……。
「ま、まあ気のせいかな?」
「そ、そうですね! 空耳かも……!」
『何を言ってるんですの? 私は空耳なんかじゃありませんわ』
「「イギャァァァァ!!!!」」
あまりの恐怖に、リリーと抱きつき合う。
どこ!? どこから声してんの!?
『そんなに驚かれると流石に傷つきますわ』
若干悲しそうにする世にも奇妙な声。
「あ、あの、できれば姿を見えるようにしてくれないかな……?」
『もう見えているはずなのですが……そうですわね。ユリーナ様がおっしゃられるなら姿を変えますわ』
声はやれやれとでも言いたげだったけど、怖いからね! 2人きりの部屋に3人目の声とか怖くないわけないからね!
2人身を寄せて震えていると、腰につけていた杖がプルプルと震えて宙に浮いた。そして、部屋の中央に移動すると、パァっとまばゆい光を放った。
「ふぅ、これならお二人とも驚かれませんわよね?」
光の中から出てきたのは、赤髪の美少女だった。年は私よりも少し下に見える。
一体どこから出てきたのかとか、誰なのかとか、言いたいことは山ほどあったんだけど、私が叫んだのは一つだけだった。
「服着て!!」
なんで全裸なんだよ!
とりあえず、赤髪の少女には私のパジャマを着てもらった。
ちょっとブカブカだけど、なんも着てないのと比べれば天と地の差だ。
「それで、君は誰? どこから来たの?」
「酷いですわ……私の名付け親はユリーナ様ですのに……」
……何言ってるんだこの子。私こんな子の名付けなんてした覚えないぞ。
「そういう冗談はいいからさ」
「冗談なんかじゃありませんわ! 確かにユリーナ様は私にロットという素敵な名前をつけてくださいました!」
ロットって……確か私が杖につけた名前だよな。
「って事は、杖!?」
「そうですけれど、杖って呼ばれるのちょっと嫌ですわ……」
「あ、ごめんね」
確かに私も人間って呼ばれたらなんか嫌だもんな。気をつけよう。
「い、いや! 杖が人になるなんて、私聞いた事ないですよ……!」
「まあ普通は無理ですもの」
「ん? じゃあなんでロットは人になれたの?」
「それは、まあ、愛ゆえにですわね」
なんじゃそら、全然説明になってないよ……。
「それってつまり、ユリーナちゃんを愛してるって事ですか……?」
「ええ、そういう事ですわ」
「なっ……!」
リリーはリリーで変なところに食いついてるし。
杖が人になるとか、にわかには信じられないけど、実際起こってるわけだし信じるしかないか。異世界だしそういう事もあるよね、うん。
「ユ、ユリーナちゃんの事、なんで好きなんですか!」
ねぇリリー、その言い方私に良いところがないみたいになってるよ。
「だって、ユリーナ様は私の名付け親ですもの。それに、キスなんてされたら誰でも好きになっちゃいますわ……!」
ねぇロット、その言い方私がキス魔みたいになってない? 私そんなチャラくないからね。
「キスなら私もしました!」
何を張り合ってるの!?
「そ、そうなのですかユリーナ様!?」
「いや、あれは魔力欠乏症の治療の為に───」
「つまりはしたのですね!?」
食い気味に聞いてくるロット。なんでそんなに必死なの……?
「いや、まあしたけど」
「ぐっ……でも、それなら私の方が先にしていますわ!」
「キスに先も後も関係ありません! それに私の方が長い間しました!」
ほんとこの2人なんで言い争ってんの!?
その後、この言い争いは1時間ほど続きましたとさ。
明日から3泊4日の旅行に行ってきます!
なるべく頑張りますが更新乱れるかもです。




