14話 突発的クイズ大会
「というわけで『第一回 どっちがロットさんを理解してるかな対決』スタートです!」
気がつけば、応接室が謎のクイズ大会の会場みたいになっていた。
リリーが提案した勝負というのは、『質問に対する答えをロットと一致させ、その成功数が多い方の勝ち』というものだった。
なんかどっかのテレビ番組とかで見たことあるやつだ。
「リリー、やけにノリノリだね」
「はい! これ、私の好きなバラエティ小説でよくあるシチュエーションなんです!」
なんだ、バラエティ小説って。
こっちの世界だとテレビとかはないけど、それに近い娯楽は欲しいから、小説で代用したって感じかな?
なんにしても、いろいろ設定が荒いな。
というか、珍しく積極的だと思ったら、これがやりたかったからか。
「では、ユリーナちゃん、意気込みを!」
マイクがわりに握りこぶしを口に向けられる。
ほんとノリノリだなぁ……。
「えっと、まあ、頑張ります」
「ユリーナ様、頑張ってくださいませ!」
ロットから謎の合いの手が飛んできた。
なんでこんなに元気なんだこの二人は……。
「では、ロットさんのお父さんも一言!」
「あぁ、頑張らせてもらおう……」
ロットのお父さんは苦笑いを浮かべていた。
若い二人のテンションに圧倒されてるって感じだ。
すごく分かります、その気持ち。
私が、ロットのお父さんに少し歩み寄れたところで、本題のクイズが始まった。
「では第1問、ロットさんが一番好きな人は誰でしょうか?」
一番好きな人……。
正直、私な自信があるにはあるけど、自分で言うのはちょっと恥ずかしいな……。
「こんなもの簡単だ。もう書けたぞ」
私がもじもじしてる横で、お父さんがペンを置いた。
すごい自信だな。
私も恥ずかしさとか諸々を振り切って『ユリーナ・ロール』と書くと、リリーにオッケーサインを出した。
「じゃあ全員の準備が整ったので、一斉に答えを見せてください!」
リリーの合図で答えを見せた。
ロットのをみると『ユリーナ様』、お父さんのをみると『父親』と書いてある。
「ユリーナちゃんが正解なので、1ポイント獲得でーす」
「い、いえーい」
掛け値無しに喜ぶべき場面なんだろうけど、そこはかとないバラエティ感のせいでなかなか喜びにくい。
「おかしい! 以前『お父さん、大好きですわ!』と言ってくれたではないか!」
「いつの話をしていらっしゃるのですか! そんなのかなり昔の話ですわよね!」
隣は隣で軽い親子ゲンカが起こっていた。
まあ、いつになっても親からすれば子供は子供だもんね。
知らない間に成長するものなんですよ。
……まあ、子供とか持ったことないんだけども。
ともあれ、その後、『子供の頃の夢』『特技』でお父さんが2ポイント獲得。
『好きな食べ物』で私が正解して、2ポイント同士で並んだ。
それ以外の問題は二人とも正解できず、気がつけば10問目、最終問題になっていた。
「さぁ、最終問題です! お二人とも2ポイントなので、次に正解した方が勝ちになりますね!」
リリー、司会者がなかなか板についてきたな。
多分一生使うことのないスキルだと思うけどね……。
「意気込みを聞きたいところですが、個人的にこのクイズ企画、司会側だと思ってた楽しさと違ったので、早速問題に行きましょう!」
あ、ものすごい私情を挟んできた!
「では問題です! ロットさんが、家に帰りたくない理由はなんでしょうか?」
リリーはお父さんの目をしっかり見ながら言った。
これは、お父さんには答えにくい問題だろうな。
でも、お父さんは全く意に返さず、サラサラと答えを書いた。
それを見て、私も急いで答えを書く。
「さぁ、全員答えが書けたようですね。では、一斉にどうぞ!」
リリーの声に合わせて答えをオープン。
ロットと私はもちろん『お見合いが嫌だから』
そして、肝心のお父さんはというと
『正直、全くわからない』
でかでかと、そう書かれていた。
ちょっと短めですが、訳あって分割しています。
続きは今日か明日に投稿予定です。




