きっと大丈夫まだ先に進める
もう私はダメなのかもしれない。日を経るごとに今まで積み重ねてきた揺るぎないと疑っていなかった自信が脆く崩れていく。
高校受験から志した今の職に就いて、少しずつ経験も重ね最近は自信もついてきた。でも、何でだろういまいちうまくいかない。
高校の後半から付き合っていた奴とうまくいかなくなって仕事もミスが増えてきた。別に今までもすれ違いなんかでケンカすることが無かった訳じゃない。きっかけは些細なことで、今までと何も変わらない事のはずなのに、何で"今"こんなに全てが狂ってしまったんだろう?安定はしてなくてもそれなりに充実していたはずなのに。お互いに相手の事を思っていたはずなのに。
それなりに立場があるのにそれすら投げたしたくなる今の自分に嫌気がさして自分で自分を軽蔑しそうになる。それに気づいて結局それも現実逃避と気づいて自己嫌悪に陥ってしまう。そんなことをいつまでも続けてはいけないって持ち直そうとしているのにそう思う度に泥沼にハマるように気分も調子も落ちていった。
周りから「大丈夫?」って聞かれる度に見てわかるじゃん?って思うけどそんなこと言えるわけもなくて「大丈夫心配しないで、ありがとう」なんて必死に作り笑顔を作って取り繕ってボロボロな自分を張りぼてで隠した。それがとても冷たく感じたらしく人が離れていく。
そんな日々にも疲れてきて身体に出てしまった。初めて仕事を休んでしまった。もうそこからは疑心暗鬼で、早く仕事に戻らないと私の居場所が、いる意味がなくなってしまう。そんな風に追い込まれていって身体を壊していった。
「そんなに自分を追い詰めてきつい思いまでしてこの関係も犠牲に仕事して、どこを目指してるの?周りから目をそらして自分すら省みなくて周りに心配ばっかりかけて・・・・お願いだから助けさせて」
体調を崩して療養中の私にあいつがいった言葉に返す言葉も出てこなくてどんな顔をしたら良いのかも分からなくてただ、泣きながら「ごめん」って謝ることしかできなくて、そこで初めて今までの自分の行いを反省できるようになった。自分の事しか頭になくて、失敗を取り返す事だけを考えて、周りからの心配すら同情のようで施しのようでそれを受けとる事が恥のように感じて全てをはね除けていた。
そんな失礼なことをしていた私を暖かく迎えてくれた職場のみんなにも、突き放していた両親にもすれ違っていたあいつにも頭が上がらない。
私はもう大丈夫。自分だけではどうしようも無いって事も分かって、人を頼るって言うことがなんにも恥じゃなくて逆に頼れるべき所で頼らない方が相手への失礼になることも理解して、いつでもしっかり支えてくれるパートナーもいる。
それさえわかれば私はまだ生きていける。この世界で、この弱肉強食の社会で、私が私らしく。私はもう大丈夫、もう少しだけ先に進める。
生涯を共にするパートナーが、学生の頃から支えてくれたあいつが隣にいてくれるから、私もあいつを支えて、私も支えられてそれで生きていける。生きていこうと思える。だから、"私達はもう大丈夫、私達は今を生きている"