青・星・声!
そして、最後はナッツさんからコメントをもらう。
その内容があまりにも強烈的なもので僕はフリーズしてしまいそうだった。
「私とミズタクは青星声解散? 前は正真正銘付き合っていたんです」
客席からだけではなくスタッフやマネージャーの高城利規さんから「えー」という声が聞こえてくる。 当然知っているソラトさんは平然としていた。 いのっちゃんだけは唇を噛み下を向いて目も閉じていた。
「青星声が解散? してしまってから今日まで会うことも連絡することもなかったので、今の関係がどうなっていると思っているのか聞きたいです」
今ここで聞く?
後で、裏でこっそりじゃダメなの?
会場全体がどよめき始めちゃったじゃん。
「たたた、たくっちゃんどうなの?」
いのっちゃんもなぜかすごい動揺しているしこの空気やばくない?
もう正直に自分の気持ちを答えた方がいいよね。
「僕とナッツさんが付き合っていたのは本当です」
ざわざわざわざわ。
当たり前だとは思うが会場がもっとざわつき始めた。
「へ〜え。 そうなんだ。 それで今はどうなの?」
会場が一体化していたさっきまでとは違い、雰囲気が崩れて言ってしまった気がする。 このままではイベント自体が失敗になってしまうんじゃないか。
何か打開策を考えないと。
本当のことを言うって言っても実際僕も今の関係がどうなのか曖昧でよくわからないし。
今の関係がどうかは僕にもわからないだから・・・・
・・・・一回整理するためにも別れよう。
さっきとは打って変わってシーンと静かになった会場。 今日が秋だったら鈴虫の声が聞こえてきそうなくらい静かだ。
いのっちゃんはなぜか胸をなでおろしている。 何でホッとしいるのかはわからないが多分会場がバラバラにならなくてホッとしているのかな?
腹を抱えて笑っていたソラトさんは真剣な顔で僕らを見ている。
心絆さんは唇を隠している。 僕はそんな心絆に向かって
そして改めてナッツさんに言いたいことがある・・・・
・・・・今日からもう一度僕と付き合ってください。
はい
即答だった。
心絆さんからの返事は即答だった。 会場も祝福の歓声が飛び交ってくれた。
結果的にはモヤモヤしていたお互いの気持ちを晴らすことができた。 まさか、こう言う結果になるとは思ってもいなかったな。
イベントから数日が過ぎ僕は吉野先輩の家に来た。 何で吉野先輩の家にやってきたかと言うと今日から青星声のSecond Stageが始まるからだ。
チャンネルは今まで使っていたチャンネルを使うのではなく、チャンネルも新しく変えまたゼロから一に。 一から十にとチャンネル登録者数を増やしていくことにした。
僕はまだ声優という仕事をしているため全ての作品に参加はできないが週に二度は出たいと考えている。
イベント後のラジオも順調。
僕の告白がネットニュースやスポーツ新聞の一面を飾った影響もあり以前よりも聴取率が上がっていたりもする。
いのっちゃんにもラジオ上でもお祝いしてもらった。 お祝いしてもらっているときの表情が無理やり笑っているようにも見えるがどうしたんだろう?
「それじゃあ今日から青星声Second Stageの幕開け頑張りますか」
やるよと心絆さんは手を前に出す。 心絆さんに続いて空翔さんも手を前に出した。 僕もその手に合わせ前に出す。
「青」
「星」
「声」
えいえいおー! 掛け声のように青星声と掛け声とともに前に出していた手を思いっきり天高く上げた。
「しゃぁ〜! どうも皆さんこんばんは青星声のココナッツと」「ソラトと」「ミズタクだ」
久しぶりだなこの挨拶。 懐かしいし気持ちい。
「前のチャンネルは色々あり突然解散してしまってごめんなさい」
視聴者さんに解散? していたことも報告せずに投稿を約一年もの間行っていなかった。
活動の再開の見込みがないということで事務所からも戦力外通告を二人は受けていたらしい。
「今日からまた新しくこのチャンネルでゼロから青星声としてやらせていただきます」
さっきも話した通りゼロから一に。 一から十にと全てやって行くつもりだ。 いや、つもりじゃない。 必ずやるんだ。
「それでは青星声Second Stage初動画ご覧ください」
僕たち三人はYouTuberとしてまた歩み出した。
【完】
しゃぁ〜! どうも皆さんこんにちは作者のわ→たく。です。
本編的にはこのお話が最終回です。 終わり良ければすべて良し! というような終わり方なような気もしますがどうでしたでしょうか?
同時投稿で番外編も投稿していますのでそちらも読んでいただけたら幸いです。




