【初投稿】 YouTuberといえばをやってみた。
それから数日後の休日に第一回実写撮影が行われた。
「今日の内容ってどんなのやるんですか?」
「やっぱり、初だしYouTuberと言えばってのをやっておいた方がいいと思うからI have a mentos. I have a cola. ・・うん。 mentos cola」
二〇十六年に流行ったヒョウ柄の服を着た男の曲に合わせてメントスとコーラをくっつけるがそのダンスでコーラが泡立つ。
撮影場所は吉野先輩の部屋で撮っているので、撮影以外の時にコーラをばらまかれないか心配であった。
「段取りは簡単にOP撮って、メントスコーラやってED撮るって感じでいいよね?」
「了解」
「了解です」
コーラにメントスを入れるとコーラの炭酸にメントスが反応して泡が噴き出す現象が起きるのはYouTubeが好きな人なら知っていると思うのでそこをどう面白くしてファンを獲得するか悠城先輩は考えているのだろうか。
そんなことを考えていたが先輩はそんなこと御構い無しにビデオカメラで録画を始めた。
「それじゃあ始めるよ。 しゃぁ〜! どうも皆さんこんばんは青星声のココナッツです」
悠城先輩は頭に黒いフェイスタオルを巻いて気合を入れていた。 吉野先輩はどぎついサングラスをかけている。 僕は顔出しNGなのでお面でもつけようかと思ったが、持ってくるのを忘れてしまったので、悠城先輩から誕生日にもらった帽子と悠城先輩が誕生日にもらっていたブルーライトカットメガネをかけ挑んだ。
もうこれキャラが濃すぎますね。
はい。
悠城先輩が犯罪者と一緒に動画撮っているようにしか見えないよねこれ絶対。
「今日は前回の動画でも告知していた通り実写をやっていきたいと思います。
初の実写で緊張すると思ったので友人を召喚しました」
「ソラトと」
「ミズタクです」
僕は昔子役として働いていたことがあったのでカメラ慣れはしていたつもりだったが久しぶりすぎて緊張してしまう。
吉野先輩はというと固まっているようにも見えるが、普段から固まっているようにも見えるので緊張しているのかどうかもわからない。
ミステリー。
「初の実写なのでYouTuberなら誰でもやるあれからやっていきたいと思います。 まあ、あれって何かわかるよね?」
「そりゃどのチャンネル見ても初期の頃に誰もがやってますもんね」
ナッツさんは、ててててててててデュルルルルとヒョウ柄の服を着た男の曲のイントロを歌い始めたので僕たちはそのイントロに合わせてメントスとコーラを出す。
「まあお気付きのみなさんも多いかと思いますが、そうメントスコーラをやって見たいと思います」
そのあと少し雑談をしたのち一回録画を止めメントスコーラの準備に取り掛かった。
ただ単にコーラの中にメントスを入れるだけのひねりのない動画であったがやるぶんには面白かった。
ここから先輩がどう面白く編集をするのか。
動画が投稿されるまで楽しみだ。
この日は単に撮影のためだけに吉野先輩の家に来たわけではない。
吉野先輩の家での撮影なので「どうせならうちに泊まるか?」 という吉野先輩の優しさに甘えお泊まりさせてもらうことになった。
これが大学生のお泊まりなら法律なんて関係ないとビールやら梅酒やらお酒を飲んでいただろう(未成年がお酒を買うことや飲むことは違法です。 二十歳になるまで我慢してください)が、まだ高校生なのでジュースを買いにコンビニへと向かった。
僕も他店のコンビニで働いているが、ここのコンビニはやけに狭いな。 店舗の中に入ってみると狭いと思っていた感覚が嘘のように広く感じる。
なんて思いながら店内をウロウロする。
ウロウロしている時にやたら店員が近くに寄ってきたら嫌な顔をされたりする。 愛想の悪い店だな。
コンビニの店員をやっていて特に学生来たからといって嫌な顔をすることなんてうちのコンビニではフリーターさんも社員さんもそんな顔をしないので何かあったのかな。 それともこの店員が・・・・。
なんて考えていると吉野先輩が「最近ここのコンビニで学生の万引きが頻繁に起こってるらしいよ」と教えてくれた。
万引きか。
うちのコンビニでも起きたら嫌だなこれは。
もしも見つけたら取り押さえてやる!
なんて一人で張り切りながらジュースとお菓子を選ぶ。
カゴを一つにまとめレジに持っていき買うまでキョロキョロしていたせいか、僕が怪しまれたなんて恥ずかしいことは墓場まで持っていきたい。
あ、でもこれって動画的には面白いよね。 店内とかは写せないだろうからこの話だけでも動画にするか。 なんてレジの最中考えていた。 表情に出ていたらしく、レジをしてくださっていた店員さんにかなりひかれた。 もう、ここのコンビニに行きづらいな。