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YouTuber 青星声ver.1 ~水橋拓真は選ぶ~  作者: わ→たく。
【YouTuberになりました】
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小さい先輩に誘われました

この作品は予約投稿で投稿しているため総文字数が多く表示されているかと思います。

「しゃぁ〜! どうも皆さんこんばんは青星声(せいせいせい)のココナッツと」「ソラトと」「ミズタクだ」

 いつものように撮影が始まった。

「今日は三人それぞれ自分が思う珍しい商材を四つ持って来てくじで引いた食材を使って料理して行きま〜す」

「珍しい食材探すの大変でしたよ。 みなさんどのくらい探しました?」

 僕の名前は水橋拓真(みずはしたくま)

 撮影の時はミズタクって名前で活動中。

 撮影ってなんの撮影かって?

 それは今人気のYouTubeに投稿する動画だ。

 すなわち僕たちはYouTuberなのだ。

「僕は二駅となりまで行って買いに行きましたよ」

「マジかー。 電車代含めてとーたるいくらー?」

 クールなのかやる気がないのかはたまた緊張しているのか・・・・。

 この人は高校時代の部活の先輩で青星声メンバーである吉野空翔(よしのそらと)先輩。

 撮影の時はソラトって呼ばれている。

 僕は何年も一緒に撮影しているが数回しか撮影時に呼んだことがない。

 撮影外の時は吉野先輩と呼んでいるのでこっぱずかしいからだ。

「でも、だいたい千円くらいですよ。 どのくらい買いました?」

「俺は千五百円くらいかな」

「私もそんなもん! って事で早速くじを引いていきますか」

 この動画を仕切っているのは青星声のリーダー悠城心絆(ゆうきここな)先輩。

 吉野先輩と同じで高校時代の部活の先輩だ。

 撮影の時はココナッツって名前でやっているが、誰もココナッツと読んだことは一度もない。

 ココナッツは長いのでナッツさんと呼んでいる。

 いつも動画に出るときには黒いフェイスタオルを頭に巻いて出ている。

「んじゃ、ミズタクからくじ引いて」

 運がいいのか悪いのか僕から引くことに。

「それじゃあお先です。 一、二、三、四枚引きましたけどもう何引いたのか見ていいんですか? それでは僕が引いたのは・・・・ん? 芋味の春雨と蟹缶とチアシードとクスクス・・・・です。 芋味の春雨と蟹缶に関しては何かわかりますけど残りの二つに関しては初めて見た食材ですね・・・・」

 吉野先輩の家で撮影しているので調味料はあるものを使っていいとは言ってもこの食材で何ができるのやら実家暮らしの大学生にはわからない。

 ナッツさん、ソラトさんと次々に引いて行き・・・・


 なんて未来の僕は楽しいことをできるのだろうか。







 僕の名前は水橋拓真(みずはしたくま)

 中学二年から中学卒業まで芸能事務所に入っていたことがある。

 朝の子供番組におはようボーイとして出演していたこともある。

 代表作のドラマでは放課後の校舎で喧嘩(暴力なしの口喧嘩)している最中に僕に好意を持っている(設定上)女子生徒の胸倉を掴み、顔を近づけさせてキスをするという演技が流行ったこともあった。

 そんな僕は両親と事務所が僕の進路のことで対立したのがきっかけで電撃引退することになった。

 そして月日は経ち高校二年生にこの春に進級した。

 部活は卓球部に所属している。

 高校入学してから元芸能人だとチヤホヤされていた時もあったが、一週間も過ぎれば終わってしまった。

 学校は共学なので出会いあれなど意気込んで入学したはいいが中学の女子とのギャップもあってかろくに会話もできていない。

 俗にゆう草食系男子なのだろうがもう知らない。

 モテたくないと言えば嘘になるが、今の学校生活も気に入っているから彼女はまだいらないと言い聞かしている。

 って自分で言っていて悲しくなるなこれ。

 そんなことは置いといて部活行くか。

 部活に行くと引退間近の先輩たちが練習を始めていた。

 三年生九人、二年生四人のチーム。

 だいたいどこの高校も三年生の引退は四月後半からゴールデンウィーク前が多いのでもうそろそろ新入生が入らないと廃部の危機に陥ってしまう。

 入学式が終わってからもう一週間が過ぎるのに誰一人として入部していない。

 まだ大丈夫なんてのんびりしていたらやばいことになるかもしれないな。

「お、水橋きたか。 早く着替えて全体練習始めるぞ」

「はい」

 今は一度忘れて引退試合(市総体)に向けての練習に集中することにした。



 練習後、僕は先輩に体育館から離れたところにある部室に呼ばれた。

「失礼しまーす」

 なんで呼ばれたのかわからなかったので恐る恐る中に入った。

 中には部のエースであり茶髪クールな吉野空翔(よしのそらと)先輩と、部の中で・・・・いや校内で一番かわいいと個人的に思っているショートな赤髪にとがった八重歯みえ、小顔で少し目が細くつり目、猫耳パーカーにへそ出しショーパンの小っちゃい悠城心絆(ゆうきここな)先輩がいた。

「ちっちゃいっていうな!」

 あれ、声に出ていたかな?

 吉野先輩と悠城先輩とは毎回部活帰りは一緒に帰っているのでわざわざ呼び出さなくても話せるのにどうしたのだろう。

「水橋ちょっとこっち来い」

 吉野先輩に壁際に立たされた。

 吉野先輩は一歩下がり悠城先輩が一歩前進してくる。

「拓真。 ずっと前から言おうと思ってたんだけど・・・」

 悠城先輩は今にも告白するんじゃないかというくらい壁際に立っている僕に迫ってくる。

 身長差はそこまでないが練習着の先輩を上から見ると服の中が見えそうなので少し目線にこま・・・・らないな。

「また失礼なこと想像してたでしょ。 拓真の考えていることならなんでもお見通しよ」

 想像していたことは申し訳ないがその、拓真の考えていることならなんでもお見通しよってツンデレはいらないのでわざわざ呼んだ理由を教えてください。

「私さ、YouTubeでゲーム実況やってじゃん。 それで最近お金ためてビデオカメラ買ったの。 お金貯めったってYouTubeでじゃなくてバイトよ。 バイト。 それがこれなの」

 悠城は買ったばかりのビデオカメラを自慢げに見せびらかす。

「それで私のチャンネルでも実写やろうかなって思って。 一人でやるのは寂しいっていうか、はずかしいっていうか・・・・だから三人で一緒に撮りたいんだけどダメかな?」

 悠城先輩は手を胸の前で組み、上目遣いで僕をみる。

 これは卑怯だよね。 童貞の僕を殺そうとしてますよね!?

 自分の顔に自信の無い僕は、顔出しNGが条件で出演することにした。

 というのは建前で、一応元芸能人な訳で色々噂だったりされるのが面倒だからが本音だが、そんなこと言うと参加させてもらえなくなる可能性もあるので自分の心の中にとどめておいた。



 それから数日後の休日に第一回実写撮影が行われた。

今回 <YouTuber 青星声ver.1 ~水橋拓真は選ぶ~> を観覧していただきありがとうございます。

初めて私の作品を読んでくださった方は初めまして。以前投稿した作品を読んでくださっていた方はお久しぶりです。作者のわ→たく。です。

以前投稿した<リアルと妄想>が完結してから2年が過ぎました。ようやく最新作が投稿できました。2年はナゲー(笑)

リアルと妄想は小説家としての物語、今回の作品は今流行りのYouTuberとお仕事シリーズで書きました。

私はYouTuberではないのでこんなの違うなど色々な意見があるかとは思いますが、これから暖かく応援していただければ幸いです。

今回は初回投稿なので3話連続投稿をしています。もしよろしければ2話、3話と読んでください。

それでは2話で。

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