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86.【鉱国】の街道

 ■ 【帝国】兵 ■

 世界各国に【兵士】はいれど、特に【訓練】が厳しいと【ヒュム】から認識されている。

 小国家群統一戦争から始まる歴史と兵装の規格化による<戦陣術>は【帝国】の軍隊の精強さと規律の厳しさを他国に印象付けている。

 また、時折噂に上る一騎当千の(つわもの)達のイメージもあり、官職の上級の者程常人離れした強さを持っていると勘違いされることもある。


///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


 ついつい、お酒を飲みたくなってしまって寄り道をしてしまった。

 流石ドワーフのいる国だけあってお酒の種類も豊富だったので、お店の人のおススメを何瓶か買っておいた。ついでにお酒を入れる用の空瓶もいくらか買ってある。

 そしてその日はそのままログアウトしてしまった。

 

 今日こそはパーンビヘールに向かわねば! そしてプギオを直してもらうんだ。

 まあ、修理は不可能らしいので、プギオの効果を移せるかどうかって話なんだけどね。

 【鉱国】奥地に行く為の門につくと門番らしき重装兵に許可証を見せるように求められたので、首からかけているネックレスと言う名の社員証もどきを見せると


 「失礼いたしました! 要人の方とは知らず、ご無礼をいたしました!」


 自分は別に要人ではない。


 「なんで、そう思ったのか分からないですけど、自分は【帝国】から任務で来ている【特務上級士官】ですから、【将官】とかではないのでそんなに固くならなくて大丈夫ですよ。別にお付の人とか護衛がついているわけでもなし」


 「ひぃぃぇぇえ! 申し訳ございませんでした! まさか【帝国】の【上級士官】様でらっしゃるとは! どうぞご自由にお通りください! この先は街道になっております!」


 「いや、ご自由にはまずいと思いますよ。自分の職務に忠実であれば誰も咎めないと思いますけど。じゃあ通らせてもらいます」


 なんでか知らないが驚かせてしまった様だ。

 やはり軍属となると縦社会だし、いくら他国の人間と言えど、平の重装兵から見たらやっぱり【士官】は怖いものなのかもね。


 門を抜けると幅の広い坑道が続いている。

 線路があるっていうことはトロッコでも走っているのだろうか?とりあえずは一本道をひたすら道なりに歩く。


 時折現れるのは大きな蝙蝠、光るきのこを食べるカピバラ、そして黒い悪魔(ゴキブリ)(大)


 出てくるのがほとんど一匹づつのおかげで何とか倒せるが集団で現れようものなら、流石にヤヴァイ。悪魔が集団で現れたら、ショックで強制ログアウトになるかもしれない。

 一応ゲーム用のハードには心身に異常がある場合に強制的にログアウトになるセーフティがあるらしい。


 ちなみに戦闘力に関しては、普通の街道沿いの雑魚魔物だ。ただ急に顔めがけて飛んでくるでかい悪魔が怖すぎるっていう話だ。


 ただただ、道なりに歩いていると分かれ道にぶつかった。だがちゃんと看板が出ている。しかし困ったことに<言語>をセットしてくるのを忘れた。

 戻って<言語>をセットしてくるか、勘で先に進むかそれが問題だ。


 ちょっと困って迷っていると背後から人の声が聞こえる。

 どうやら自分より後に街道に入った人が追いついたようだ。


 「こんにちは、どうかしました?」


 温厚そうなお兄さんだ。ヒョロっとした長身で服装備のどことなくアーティスト風の雰囲気だ。


 「こんにちは、実はパーンビヘールに行きたいのですけど、看板が読めなくて」


 「ああ、そういうこと! じゃあ、左に行くといいですよ。『アオイクワット』に向かいますから、僕の拠点でもあるんですけどね、もし時間が有るなら見て行ってくださいよ。陶磁器の街なんですけどね。そこから次の街を目指した方が多分近いですよ。右から回ることも出来ますけど遠回りですね。ただ特殊金属系を見たいなら右回りがいいですね!」


 なんかややテンション高めで気安い感じで、自分としては好きな感じのお兄さんだ。人によっては軽薄そうに見えるんだろうが、説明も過不足ないし、ありがたいな。


 「ありがとうございます。お勧めにしたがって左に行くとします」


 「そう? じゃあ、一緒に行こうか! 戦闘は自信ないけどね。道案内してあげるよ。まあ街道は迷うようなことの無い一本道なんだけど。

 僕は【陶芸家】のポッターさ! よろしく」


 「嗚呼、宜しくお願いします。自分は、人からは隊長って呼ばれてますよ」


 「はは! いいね隊長か! 頼もしいあだ名だね。陶磁器には興味はあるかい?」


 「いや、嫌いなものではないですけど興味と言われると古いものだと高いんだろうなぁ位ですかね。後、たまに神社で売ってたりしますよね」


 「なるほどね! そうきたか~セラミックスは使い勝手は悪くないはずなんだけどね。一応ゲーム内では兎にも角にも熱に強いそして丈夫だ。重量も金属より軽い! ただ、修理が出来ないんだよね。だから装備に向かないって言われて売れないんだ。何か買って行ってよ」


 正直に自分の要求を言う人は嫌いじゃない。ただし、陶磁器で何を買ったらいいのか何にも思いつかないんだがな。


 この後も色々と陶磁器話を聞いたが、現実でもセラミックスアーマーとかで、防弾ベストに使われていたりするらしいし、俄然興味が湧いてきた。このままこの人の工房について行ってみよう。


 何を買うかは未だに何も思いつかないがな。

すみません前回の投稿から大分時間がたってしまいました。


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