表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
608/613

608.ソタローと決着

 決闘王の能力は使わない。何しろ集団戦からの延長で一騎討ちだ。


 他の兵達も決戦の行方が気になるだろう。そして空気を読んで手出しはしないだろう。


 自分が近づいていく事に気が付いて、ソタローから離れ始める兵達。


 ソタローも状況の変化に気が付き腰から取り出した〔回復液〕を飲み下す。


 「根住」


 相棒を呼び出し、纏う。更にそこから<青蓮地獄>で白いオーラも纏う。


 全身の防具に精神力を流し、はっきりと白と黒に分かれる全身の防具と同様の白黒の剣身。


 袖をまくり両腕の蛇を露出させ、準備完了。


 ソタローは片手に盾、片手に護拳付きブロードソード。防具は甲冑。


 金属板を重ね合わせた作りにサーコートを装着しているが、だいぶ着込んで体にしっかり馴染んでいるのがよく分かる。


 ただ正直盾いらないんじゃない?っていう重厚さなんだよな。


 お互い何も言わず。


 先手は自分、瞬間に出せる最高速で一気に距離を詰め、剣で足払い。


 一瞬自分を見失ったソタローだが、全身の鎧に術を纏い、防御。斬り込んだ剣が弾かれる。


 そして今度はソタローのターン、しゃがんでいる自分に頭上からブロードソードが振り下ろされ、


 自分は剣を弾かれた勢いを利用して転がって回避。


 即、銃を引き抜き牽制の散弾を


 盾で受け止めるソタローはそのまま盾で術を使用。


 盾から発した術エフェクトを剣でブロック。かなり強いノックバック効果だった様だが踏みこたえる。


 しかし、ブロックで自分の動きが止まるのを見逃すソタローではない。


 コンパクトだが、遠心力を掛けた振りで首を狩りに来た。


 それを打ち合いに行き、強引に軌道に割り込むが、ソタローの筋力に押し込まれる。


 やはり全身重装甲だけあって素の筋力はかなり高いソタロー。


 クラーヴンの剣使っときゃよかったかな~。向こうの方が重量あるし、ソタローを敵に回すならな~。


 まあ、泣き言言ってられない、自分も呪印のおかげで筋力は相応にあるわけだし、


 じりじりと押し返すが、伯仲する腕力。ここで呪印解放!


 左腕から伸びる黒い模様が左頬まで伸び、一気にソタローを押し返して突き飛ばす。


 近づいていくと、ソタローが切っ先で足元の雪を巻き上げるような斬り上げ、


 ほぼ垂直の軌道を横にずれる事でかわすが、剣はソタローの盾で阻まれているので、振れない。


 強引な踏み込みから、左手を盾裏に突っ込み、


武技 縮砲


 ありったけの弾丸をソタローの腹にぶち込み、銃は根住に渡して再装填といこう。


 縮砲のダメージにうずくまったソタローだが、すぐに立ち上がり、盾を前に堅い構えでこちらを警戒している。


 対して自分は体を左右に揺らし、いつでも突っ込めるように体を緩めていく。


 同時に一歩目を踏み出し、まだ十分に間合いがあると思っていた所で、頭部に殺気を感じて思わずしゃがんでかわす。


 頭上を通り抜けるソタローの盾。盾をふり回す事で、かなりの遠間から攻撃してきたが、


 本命は次の攻撃。


 勢いそのままに距離を詰め、サッカーボールキックを見舞ってくる。


 剣でギリギリガードしたが、ブロック判定にはならず、転がされてしまった。


 更に追撃の突き込みを剣で受け流しつつ、近くにあったソタローの足を<掴み>からの<組討>で転がし、


気脈術 冷気


 凍らせたと思って、立ち上がった瞬間眼下から下腹部に蹴りが入り、怯んでしまう。


 その間に立ち上がるソタロー。


 冷気耐性か~そりゃ【帝国】プレイヤーだもんな~。と思ったら、盾に白竜の紋章。多分呪印かな。


 そうか、霊廟踏破した時に加護とか貰ってるのか、してやられたな~。


 そんな事を考えている内に盾ごと体当たりをぶちかましてきたソタロー。


 しかし同時に頚椎に殺気を感じた事で、目的判明。


 盾で挟み込んでのラップショット。ブロードソードの普段使わない内側で、自分の頚椎を圧し折ろうって訳。


 でも、軌道は分かりやすい、盾から腕を出し自分を抱え込むように振ってくる。


 ならば、その出た腕を抱え込み、その腕の関節を極めて動けなくし、


 剣を捨て空いた手で、ソタローの首を締め上げる。呪印で強化された握力の締めにもがくソタロー。


 腕が極められているのにもかまわず、抜け出したソタローの右腕は部位破壊が発生。


 剣を取り落としたソタローは盾も捨て、左手を前に出して構える。


 自分はダガーを引き抜き右手から左手とパスしつつ、また左手から右手にパスして、ソタローの隙を狙う。


 右足を軸に、左足は弧を描くように動かしながら、突きこみにいけるタイミングを待ち構えていると、先にソタローが動いた。


 左前蹴りで距離を測りつつの、右上段とび回し蹴り。一歩二歩と下がって回避。


 体勢を立て直す前に突けば、ソタローの左手ガントレットを使ったガード。


 しかしそれは読込済みなので、すぐにナイフを反対にパスしての再突き込み。


 膝を持ち上げるようにして、強引に突き放してくるソタロー。


 ソタローの開いている左腕を<掴み>ながら、そのまま飛びつき足を絡め背中から倒す。


 そして、冑の隙間にダガーの一突き、硬直で動かなくなった所に滅多刺し。


 しかし、倒しきらない。


 「ソタローどうする?この内乱の顛末最後まで見る?」


 「はい。自分の負けです」


 戦闘状態は解除され、宰相派は捕縛。自分は遠くで見守っていた皇帝を連れて【帝都】に乗り込む。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] まぁ、民を苦しめた者の負けだね 苦しめてなかったら隊長、手、出さないのにね~
[一言] ソタロー頑丈…
[一言] 隊長ギリギリっぽく見えた、けどソタローとの間に確実に縮まらない差のようなものを感じる。 ……掴みか?その隊長のドスケベな手が悪さをしているんだな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ