表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
603/613

603.【旧都】侵攻

 さて【旧都】所属の【兵士】達の切り崩しが、おおよそ済んだ所で本格的侵攻を開始しよう。


 まあね、散々食料で困らせてきたけど流石にヒトが食い合う地獄絵図になるほどではないので、敵さんもそれなりに抵抗してくるんだろうなという所。


 こちらの標的である宰相は【帝都】に籠ってるみたいだし、あくまで都を一つ落とす事が目標。


 そうすれば大きな拠点が手に入るし、それに伴う物流の正常化及び【帝都】への軍事侵攻のしやすさは、今迄とは比べ物にならない程楽になる筈。


 なので完全には囲まない。それこそ罠でもあると困るし、決戦の為にこちらの被害は最小限に抑えたい。


 それでソタローを含む将兵が逃げるならそれも良し、問題は白竜がどうなるか。


 白竜を潰す為に姿を現すなりぶっ放しちゃったから、どういう存在なのか今一分からないままなんだよね~。


 自分の所為だけど、でもカトラビ街の地形破壊されるよりはマシかなと。


 ただ、姿が消えたって事は変形タイプじゃないかな~。


 自分が倒したのが分体だとしたら、ワザワザ運ぶ必要ないもんな?多分だけど。それとも何かを媒介に分体を発生させてて、それを回収したとか?


 いや考えすぎだな。多分小さい形態があって、戦闘時に大きくなるとかそういう事だろう。


 そして小さい時の形態は宰相とかその辺りの重要人物しか知らないと。


 何なら皇帝はある日追い出されて、白竜が復活したんだから皇帝名乗ってちゃ駄目だろって後から言われたんだから可哀想にってなもんだ。


 そして【旧都】から多少距離を取って布陣。


 【旧都】はひっそりと静まり返り、物音一つ立てない。


 ホントにこういうのが一番困る。士気と練度の高い将兵が決死の覚悟で待ち構えてるのか、息も絶え絶え青い息なのか、判断しかねるのよ。


 突撃だけは絶対出来ない。完全に罠だもん。


 しかし、時間もかけられない。自分がやった事だが時間をかければかけるほど将兵に負担をかけるのが雪という地形と気候。


 そのストレスから別の罠に掛ける事も出来るのだから、それはもう疾風怒濤の如く攻めたてたいんだけど……、絶対罠がある静けさ。


 ぐぅ、困った。


 試しに【旧都】の城門まで単独で迫ってみたけど、門は硬く閉じられていて誰も出てこない。


 いっそ潜入しちゃうかと壁に手を掛け登り始めた所で、将兵達が大慌てで【旧都】に向かってきたので、


 なんで来ちゃったのか聞いたら、自分が攻め込むつもりだと見て突撃してきたんだとか。


 罠っぽいから突撃しないって言ったのに!って注意したら、


 大将が単独で罠に突入するなって寧ろ怒り返された。


 カトラビ街の時は何にも言わなかったのに……と思ったけど、よく考えたら自分が勝手にやったから、止めようがなかったのか。


 まあ、いずれにせよ偵察しかないか。三羽烏は虎の子なので今は【帝都】に向かってもらってる。


 何より頭領から借りた三人を戦闘に巻き込むのは本意じゃない。勿論三人とも強くなってるのは間違いないけどさ。


 【偵察兵】と言えばルーシーだよね!実は自分があっちでフラフラこっちでフラフラしている内にだいぶ偉くなってたんだけど、皇帝に付いてくれたみたいなので、今回はルーシーに頼もうと思う!


 「と言うわけで、自分で潜入しちゃ駄目って言われたので、ここはルーシーに頼もうと思う。好きに編成して【旧都】内の偵察を頼むよ」


 「隊長はいつまでたっても俺の名前を言えないよな。ルースィーだってのに。まあいいや行ってくるぜ」


 「温かい物作って待ってるから、無理せず深追いせず、慎重にね」


 「隊長には言われたくないが……」


 そして、ルーシーと偵察隊が出掛けた所で、食事にしましょう!

 

 因みに陣地設営に関しては何の妨害もなかったので、あっという間に寒風を防げる陣地が出来てしまった。


 特に自分は元々仕事が輸送団なので、野外宿泊や陣地設営がかなり得意だ。自分でやるわけじゃないけど、NPCの陣地設営能力にボーナスがかかるのかな?


 陣地設営や装備のメンテナンス他、戦闘支援系の能力ボーナスだと勝手に思ってる。


 さて、雪降る川辺で食べる食事と言えば?


 まずバーベキューは趣はあるが、ちょっと違うだろう。


 いや趣味で敢えて雪の中やるバーベキューってのはそれはそれでありだと思うよ。でも雪中行軍で食べるもんじゃないよねって事。


 大河を使った貿易が復活した事で使える食材も戻ったしな。どうすっか~。


 まずは温かいシチューかな。アリェカロの乳が手に入るようになったし、農家は支援中だけど、酪農家は何気に平常運転。


 不景気でアリェカロの乳を買い取ってくれるヒトがいなくて大変だったみたいだから、まとめて買い取った。


 と言うわけでクリームシチューにしようと思います!


 クリームシチューっておいしいじゃん?牛乳そのまま飲むのはそこまで得意じゃないんだけど、クリームシチューはうまい!


 自分はにんにくを入れるやつが好きなんだけど、なんか違う名前があったが忘れちゃった。


 今回はにんにくなしの普通のクリームシチューって言われるやつ。


 食糧難の向こうさんには悪いがこっちはおいしい物食べて、士気全開で向かわせてもらう。


 後は他の【料理番】に任せたら、餃子みたいな……ペリメニ?と肉パスタ作ってた。


 パスタって言っても長いやつじゃなくて、平べったくて短くて、貝殻みたいに丸まってるやつ。


 早く帰ってこいこい!ルーシー!おいしいご飯が出来てるよ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 偵察に出たとたんに料理を始められ、出来るからはやくかえってこいと言われる偵察隊(笑) まぁ、隊長一人を入れた方が確実なんだけどね
[良い点] いつも展開が楽しみです。今回はどんな風に予想の斜め上を行ってくださるかww [一言] 某牛丼屋でも話題になったグルジげふんジョージア料理ですね。(歳が……)
[良い点] 名前w [一言] 飯がない前で飯テロとかまさに隊長の所業
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ