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578.司祭からのお礼という名の暴力

 「うん、弟子も世話になったようだし、我々全体からとは別に私個人からも礼をしようじゃないか!」


 「いや、そんなもったいない。気持ちだけで十分ですよ!」


 「いや遠慮するな!ほら早く戦う準備を!」


 「丁度預けたばかりなんですよね~。残念だな~。長い戦いが終わったばかりだし、仕方ない!それじゃ!」


 「あん?さっき渡した制服使えばいいじゃないか?」


 黒司祭から逃げようとしてる時に装備屋のおっさんからの横槍、何でおっさんってのはこうタイミングが悪いかね!


 「いや~新品だしな~ちょっとな~」


 「不具合があったら直すからちょっと使ってみろよ」


 空気読もうぜ!おっさん!


 駄目だ、黒司祭が期待に目を爛々と輝かせてるわ。致し方なく制服フルセット装備に着替え。


 「ふむふむ、いいな。エルフ謹製の精霊装備で身を固めてるのか、しかも武器は世界樹様の枝とな!相当な術士と見える」


 制服着ただけでは到底勘弁してもらえない様子。やむなく黒司祭と戦う事に。


 両袖を捲り上げて蛇を露出し、右手に剣を左手に拳銃を持つ。


 黒司祭は木の丸棒、長さ的には杖かな?


 杖ってさ、何の変哲も無いからこそ変幻自在に使える達人武器だと思うんだよね。つまりヤバイ相手って事。


 何となく見合い、呼吸が合ったところで開始、


 「根住!」


 開幕速攻相棒を纏い、拳銃をパス。自分を掴んで、


気脈術 冷気

気脈術 陰気


 自分にバフをかけつつ、全身の装備に精神力を通す。


 右手の土精の腕輪を除いて全てが白黒装備に変化、剣すら中央に白いラインの入った黒い剣に。


 そのまま斬りかかるも、


 黒司祭が杖で地面を軽く小突いただけで足元からボコボコと竹が生えてきて阻まれた。


 根住から銃を受け取り竹を迂回して乱射、因みに今は散弾モード。


 ばら撒かれる氷弾を、傘状に枝を伸ばした杖先で綺麗に捌かれてしまう。


 それでも距離を詰めて突きこむと、杖を太刀持ちから少しスタンスを広く槍持ちに持ち替え。


 槍持ちな分力強く弾き、更に持ち手を滑らせるだけで強力な突きを返してくる。


 間一髪かわして根住に<掴み>に行かせるが、一歩下がって避けられた。


 今度は擦り上げる様に剣を振るうと、


 頭から地面に突っこむように避けられ、寧ろそのまま縦回転蹴りが飛んできた。


 打点をずらして、ふくらはぎの辺りを肩で受けてひっくり返すが、


 地面にうまく杖を突き、逆さまから綺麗に回転して受身を取って立つ黒司祭。


 こちらに向けた杖先が常に自分の視界では点にしか見えない。つまり完全にこちらの視界を盗んで、角度を合わせて構えている為、間合いが掴み辛い。


 そして、つい杖に意識を持っていかれた一瞬の隙を突いて黒司祭の姿が消える。


 即殺気に反応してガードしたが、低空の回し蹴りでボディを蹴りこまれ、一歩ノックバック。


 体勢が崩れたところに背面のまま杖の突き込み、コレは剣でそらし根住の尻尾で体勢を立て直す。


 今度はこめかみ、足首、膝、首と連続で振り回してくるが尽く反応しブロック体勢をとると寸止めで角度が変化、テンポに慣れさせたところで、鋭い後ろ回し蹴り。コレも回避。


 回転蹴りや低空からの回し蹴りが来ると理解したので、ある程度立ち回りしやすくなってきた。


 多分シーソーのイメージなのかな~、一瞬で頭を低く下げる事で、腰を支点に足を当ててくる。


 腰を中心とした横、縦の運動蹴りがやたら重い。そこに杖の素早い攻撃が入り混じるから面倒くさい。


 再び黒司祭が杖で床を突くので合わせて、


氷剣術 霜界


 地面の術で相殺。からの逆に相手の視界を奪ってやろうと、


氷剣術 纏霧


 花粉のような粉を杖から発生させて、相殺し返されてしまった。


 甘い香りと薄靄がうっすら残る空間で、剣先と杖先が触れ合う。


 そこで、黒司祭が笑って杖を納める。


 「中々やるようだな。こちらの動きを読み取る能力が高いし、使ってる武器もいい。術や武技頼りでもないしな。銃の装填が終わったら、攻勢を仕掛けられて押し切られかねなかったし、ここらにしておこう」


 「ありがとうございます」


 「ちょっと不思議そうな顔をしてるな。もしかしたら気がついてないのかもしれないが、その剣全く気配が無いから、そんじょそこらの者では避ける事も受けることも出来んぞ?」


 「え?これそんなヤバイ代物だったんですか?」


 「ああ、だからうまく間合いが詰められんでいたし、しかも接近では掴み技を持っているんだろ?その陰も含めて……、離れれば銃が待ってると……、武器の間合いでは見えない剣が斬り込んでくる……、一言で評価するならおかしいな!」


 「司祭様!隊長は切り札に<呪印術>が欲しいらしいんです」


 「そうなのか?ちょっとその印を見せて貰おうか」


 左手を差し出し、呪印を黒司祭に見せると、


 「ほう……古の英雄の残留思念か、ヒトを束ね導く力と強大な敵と戦う為の筋力に復活の力!ふむ俄かには信じられないが<呪印術>を取得した場合、一日一回死が無効化されるそうだ。そなたのみに限るが」


 「えっと……それは凄いんですけど、大技は?」


 「ん~一応筋力で言うとだな。今でも相当なものだろうが<呪印術>を発動した状態で、掴めば武器も破壊出来るな勿論丈夫さや残りの耐久にも寄るが」


 「おお……わざ……」


 「後は仲間士気が大きく上がる上に仲間の士気許容力も高まるぞ」


 「うーん取得します!」


 <呪印術>を教えてもらい、使い方を聞いてたら他の司祭達も自分の噂を聞いてやってきて、なんかボコボコされた。イジメ?

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― 新着の感想 ―
[一言] ふらふらしてるのに集団戦用しか貰えない隊長はカワイソウ(笑)
[一言] ある意味大技だけどね…握撃って言うんだ…(をい)
[一言] 大技…どこ…
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