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575.ケーちゃんの脳決着

 ほとんど視界ゼロの中<索眼>のおかげで敵味方の姿だけは認識可能。


 幸い敵はすぐ目の前に浮いているので<跳躍>からの世界樹の剣でぶった斬る。


 落っこちない様に根住の力でくっつくと敵が暴れ出し自分を振り払おうとするが、そこは根性!で離れない。


 ひたすら巨木を切り倒すように邪神の尖兵の首に剣を打ちつける事数十回。


 ボトン……と首が落ちて瘴気に変わった。


 しかし敵は空中に浮いたまま再び震え始める。


 ブルブルと首を切り落としたところから瘤だらけの丸っこい頭が生え、


 更に羽は更に分裂して6枚に、


 尻尾は節だらけにボコボコと凶悪そうな見た目に変化。


 そのまま自分をくっつけた状態で、空中を飛び回り始めるも、風を切っているとかそういう感触ではない。


 高速で振動する羽でホバーしながら飛んでいるような……。


 一言で言ってしまえば、トンボに変化しおった!


 白鷺→異形→トンボって!どういう滅茶苦茶な変化だよ!でも邪神の尖兵ってそういうもんだし仕方ないのか。


 トンボの胸から何本も生える足が体に引っ付いた自分を攻撃してくるが、それは世界樹の剣で斬りまくる。


 しかし、次から次へと生えてくる足を斬り落とすのが今の自分の限界。


 録に足場も無い場所で、何とか耐えてる方じゃない?


 何とか倒れてる皆を助けたいけど、どうしよう……。


 そんな事を思いながら黒緑の煙に包まれた砂浜の一角を見やれば、ボンヤリと青い光を発している。


 その光は、例えるなれば蛇とか龍にも見えなくは無い、長い生き物をデフォルメしたような形。


 次第にその光が収まり、更に煙も一緒に消えていく。


 咳き込みながら倒れてた皆がフラフラと立ち上がり、武器を再び構えはじめるが、


 刺青のお姉さんの様子がおかしい。


 青いオーラを身に纏い、不思議と一回り大きく見えるのはプレッシャーか?


 そのまま海に足が浸かるところまで移動して、櫂で一発海面を叩けば大きな水柱が立つ。


 何をどうやったか分からないが、お姉さんもその水柱の上に立っていて、トンボにくっついてる自分と目線があった。


 よく見れば顔の刺青は青く輝き、その揺らぎが水面の様にも見えなくもない。


 トンボが真っ直ぐ水柱に突っこんだところで、


凍剣術 獄結海


 水柱ごとトンボを凍らせ、動きを封じる。


 「ハァァァァァァ!!!」


 気合一閃お姉さんの振り下ろした櫂で水柱が割れて自分もトンボもお姉さんも水中に落下。


 そこに自分達がいるのもかまわず、姫毛カールの爆撃。


 爆風で周りの水が引いた所で、


気脈術 冷気


 凍らせたトンボを根住で巻き取ったまま引いていると、姫毛カールが武器を光の紐にしてトンボに巻きつけて、皆で砂浜まで引っ張りあげる。


 さすがエリーゼ様。ガトリングをぶん回すだけの腕力!


 「どうする?そろそろトドメじゃない?」


 「全員の最大の攻撃を同時にぶつけてみたらどうだ?」


 「面白そうだ!乗ろう」


 「私もいいですわよ!」


 という訳で、自分は<犠牲>で生命力を捧げ<集中>を重ね、散弾銃を邪神の尖兵に向ける。


 エリーゼ様は両手に下げるように持っていたガトリングを引き伸ばし、精神力を込めると丸いオレンジの弾がガトリングの銃先に溜まり徐々にサイズが大きくなっていく。


 銀髪エルフは装填し直した両手のハンドガンを腰のホルスターに戻し、集中し始める。帽子のつばに隠れた目は見えないが、口元はうっすら笑って、尋常じゃないプレッシャーが湧き上がる。


 姫毛カールは胸の前に両手でコアを掲げ精神力を込めているが、高まるエネルギーの奔流にこっちが冷や汗をかいてしまう。


 最後に刺青のお姉さんだが、足首が水に浸かる場所で櫂を横にした状態で両手で掲げ、何かをぶつぶつと呟き、足元から巻き上がる水を櫂に纏って行く。全身の青いオーラと青い刺青、周囲の海が輝きを増し、ちょっと怖いんですけど……。


 誰が何を言ったわけでもなく、全員の力が臨界まで溜まったと肌で感じ、自然と撃ちこむ。


武技 縮砲


 圧縮された氷弾がトンボに穴を開け、


 オレンジのエネルギー弾が飛び、トンボに当たった瞬間圧縮されたエネルギーが解放されるように光を放ち、


 銀に輝く10発の弾丸が、空中に糸のような残像を残しながらトンボを引き裂き、


 太い光の束!光線がトンボの存在そのものをかき消すかの様にまばゆい光を発し、


 水で出来た龍が空中を飛び上がり、圧倒的質量でトンボを押しつぶす。


 完全なオーバーキルで、ホントに影も残さず消えちゃった……。


 核だけコロンと砂に半分埋まった状態で、見つかったのでここは刺青のお姉さんに潰してもらう。


 刺青の発光が止まったとたん、崩れ落ちたお姉さんに皆で駆け寄るが、別段異常は無さそう。


 「その呪印の力の反動かな?」


 「ええ、毒が回って動けなかったので解放しましたが、まだ未熟で自在に使いこなすというわけには行かないですね」


 「いや、十分でしょ。切り札としては強すぎじゃん!自分も<呪印術>取ろうかな?」


 「もし、その気があるなら使い手を紹介しますよ。それより外は皆はどうなりましたかね?」


 ん~周りの風景は砂浜から変わってないけど、外はどうなったのだろうか。

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― 新着の感想 ―
[一言] 隊長が敵を想像したら恐い結果になるから、想像しないようにするのは大変だよね~
[一言] >トンボに巻きつけて、皆溺死まで引っ張りあげる 港岸?
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