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571.ケーちゃんの脳

 「私も詳しくは分かりません。でもケーちゃんの脳内が真っ白だと言うのは何となく想像がつきます。コントロールする側のイメージが反映される空間なんです」


 「つまり、邪神の尖兵は敢えて思考を放棄する事で身を守ってるということか」


 「多分……、真っ白というのは流石に不自然だと思います。邪神の尖兵に思考が無いが故にケーちゃんの思考も真っ白なんだと思います」


 なんか哲学的な話をされてる気がするんだけど、要はケーちゃんをコントロールするにはイメージを送り込まなきゃいけないらしい。


 じゃなきゃ、ケーちゃんはのんびり夢見る不思議生物でしかないんだとさ。


 邪神の尖兵も禄に思考力は無いんだけど、司祭達を乗っ取る事でケーちゃんを操作していたんじゃないかって言うのが今のところの議論。


 つまり、司祭を全部解放した今、ケーちゃんは何も考えずに寝続けるだけって事らしい。


 そして、今も脳に何も無いまま……。


 どうしろっつうの!

 

 「ケーちゃんの脳にイメージを送り込むしかないですね」


 「現状脳に入り込む資格があるのは隊長だが、真っ白で何も無い空間で、どうにもならなかったわけだが?」


 「一人一つづつオーブを持って入り込み、イメージ出来る敵を倒して押し通るしかないのでは?」


 「……つまり隊長は何も考えて無いということか?」


 「いや……あの……」


 え?何?急にディスられ始めたんだけど?一応自分もオーブを奪った司祭をイメージして倒したんじゃないの?


 「要はオーブ毎のイメージに合う邪神の尖兵を倒したけど、最後の邪神の尖兵に届くほどの強敵イメージが出来て無かったってことでしょ?もしくは邪神の尖兵の数が多すぎて隊長一人のイメージ力では上塗りできなかったか」


 「そういうことですね!」


 ん~怖いんだよな~。こっちが敵をイメージできなければ、無限の虚数空間。逆にイメージすれば邪神の尖兵がありったけ融合して何でも現実化するとかそういうことでしょ?


 正直自分が想像し得る最強の敵って邪天使なんだけどさ!勝てると思ってるのか?って事。


 まあ想像と言ったって、自分の思考を全て読んで言ってる訳じゃないだろうし、今迄戦った中で強かった相手の記録とかから読み取るのかね?


 よく考えたら自分が勝てないイメージの相手って師匠系のヒト達とか世界を支える一柱とかで、魔物では人数集めれば勝てるイメージしかないわ。


 何ならスケールダウンしてるとは言え邪天使の力を使える自分が倒せない魔物っているの?状態。


 いずれにせよ脳がケーちゃんクエストラスボス戦って考えてよさそうだ。取り憑かれてた東のヒト達の意識が戻らないのも、脳を乗っ取って操作する邪神の尖兵の影響なんだろう。


 その割りに体の外側に核はくっついてたけどさ。


 逆に言えば脳内の核を潰さなきゃ勝てない敵しかいなかったら……グロゲームになっちゃうか。


 基本NPC殺せないゲームだしな。あくまで基本だけど。


 「問題は何人で占拠に向かうかだな」


 「未だ胃の攻防戦は続いている。あまり多くは割けないだろう」


 「虚数空間とは別に実際の脳のサイズで考えれば、邪神の尖兵がどれくらい詰まってるかも想像出来るんじゃないか?」


 「精鋭5人って所かな?他の内臓は自分一人で占拠したわけだし、脳のサイズで考えるならね」


 「話に聞いただけだが、各内臓の邪神の尖兵のサイズはそれなりだったんじゃないか?だとすれば普通20人隊で進むべきじゃないか?」


 「そりゃ、普通にやるならね。でもそうすると脳内にパンパンにヒトが入る事になるじゃん。仮に邪神の尖兵を倒して虚数空間が通常空間に戻ったらどうするのさ?だから通常5人で戦う敵を単独撃破出来るクラスの戦力を5人揃えて突っこむしか無くない?」


 「なるほどな、邪神の尖兵を相手取るとは、そういう事なんだろうな」


 まあ、自分は精鋭でもなんでもないただの一介の中隊長だった頃に、宝樹を狙う邪神の尖兵を駆除する旅に出たけどさ。


 「問題は誰が行くかだな。隊長は決まりとして、後4人」


 「私が行こう!前衛の要が隊長なら後衛は私がいたほうがいいだろう!」


 とエリーゼ様。確かに圧倒的火力はかなり助かるな。って言うか胃の攻防戦が無かったらぜひ頼んでた相手だ。


 「では私も!後衛の守りや補助に私がいれば安心でしょう!」


 と姫毛カール。確かにあの光の盾とかいざという時の爆発物とか、火力に優れたエリーゼ様を守ってもらえればかなり助かるか。


 「じゃあ、私も行くぞ!接近戦をこなせる奴が少ないと隊長の負担が大きいだろう!」


 と銀髪ショート。正直不安しかない!でも素早い身のこなしは確かだし、多角的な乱射も助かるし、いつの間にかリボルバーの先に小さなナイフ程度の銃剣が取り付けられていて、いざともなれば邪神の尖兵の核を潰すのも頼めるだろう。


 最後の一人をどうするか。


 「よーし!私が!行こう!」


 「狙撃の出番があるか分からんのだ。お前は胃のほうを頼むぞ」


 エリーゼ様に速攻で駄目を出されたスナイパーエルフ。すっかり項垂れてしまったが、仕方なし。


 「あの!私が行ってもいいでしょうか?」


 と刺青のお姉さん。戦えるんですか?っていう。


 「ふむ、顔見知りと戦うのは辛かろうと待機してもらっていたが、相手が邪神の尖兵なら出て貰うか」


 あっ!戦えるんですね?


 「そうか~!あの櫂捌きが見れるのか~。私も行きたかったな~」


 有名なんだ?このお姉さん。逃げてきたって聞いて勝手に弱い一般市民だと思ってたんだけど。


 いつの間にか手に世界樹で出来たオール持ってるしさ。櫂捌きって普通舟を漕ぐ技術の事を言うと思うんだけど、


 形状を見ると木剣にも棍棒にも使えそうだわ。コレはやばい武器だ。

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― 新着の感想 ―
[一言] お、最終戦?
[気になる点] >あの櫂捌き どっちの? [一言] 刺青ねーさん、宮本武蔵説?
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