570.ケーちゃんコントロールルーム
なんだこりゃ?何にも無い部屋なんだけど?
え?やべぇ、幾ら歩いても何も無い?このまま進むと入り口見失うな。
ん~入り口を見失わない範囲で、探索していくか~。
って言っても本当に何も無いんだよな~。幾ら目を凝らしても上の果てはないし、横の果てもないし、何も落ちてないし、もう~駄目だこりゃ~。
帰りま~す!自分は偵察だもん。何も無い場所でどうしろってのよ!
さくっとおうちに帰る!今のおうちは水上要塞だけどさ~。
あれ?でも待てよ?オーブ嵌め込む度に邪神の尖兵が復活したりしないよな?それはまずいな。
でも、ヒントなしじゃあの部屋越えられる気がしないし、いいか!倒し方は分かってるんだから、次はもっと早いだろうしさ。
オーブを引っこ抜きながら、もと来た道を戻り、水上要塞へ。
一応肝心の場所に何にも無くて行き詰っちゃった事を伝え、今日はもうお休み。
装備品をとりあえず装備屋のおっさんに預けに行きつつ、状況確認だな~。
「おつかれ~、駄目だわ~決め切れなかった」
「仕方ないだろう、お前さんは単独で偵察行ってるんだから、一人で全部決めなくたってよ」
「まあ、それはそうなんだけどさ~。皆の状況はどうなの?」
「悪くはないみたいだぞ?大きな敵は出てないらしいし、寧ろ侵攻かけてる状況だ。だがそろそろ保護できる人数にも限りがあるって感じだな」
「やっぱり、次決めてきたいね~。直してもらったばかりで申し訳ないけど、大急ぎで装備修理頼んでいいかな?」
「そりゃ、それが俺の仕事だからな。壊れかけてるパーツは胴体だけだろ?防具一つだけなら急いでやるさ」
胴体防具をとりあえず預けると、装備屋のおっさんがどこからとも無く取り出すアボガドの漬物と白ワイン。
「アボガドに白ワインていいね~。ここは自分の鞄の中身でも虎の子のチーズとか出しちゃう?」
「ほ~チーズってのは分からないな」
「アボガドのチーズ焼きにしようかな!干した昆布とかあれば、細斬りにして和え物もいいね」
「ふむふむ、そりゃいいな。決戦前の景気づけに一杯やろうぜ」
そんなこんなおっさんの工房でばたばた準備してたら、いつの間にか<晶印術>刻んでくれるおばちゃんも参加。料理が捗るぜ!
アボガドってある日いつの間にか流行ってたし、初めて食べた時はなんかぱっとしない味の不思議な食べ物だったけど、
今では好きなんだよね~。
いつの間にかアボガドのマグロ和えまで、作られてた訳だが、大好物だ!
何ならマヨネーズかけて焼くだけでもおいしいんだけどさ。
おばちゃんのおかげで料理のバリエーションがかなり増えたので、強い酒より、量飲めるお酒の方が良さそうだな。
氷結酒を出して、天上のりんごジュースで割る。林檎酒があるんだからジュースもあるんだろうと思ったら大正解!
本当に食べるものだけなら、幾らでもあるんだよな天上の国ってさ。
貝のお金も山ほど溜まってるし、食料に全部換えちゃおうかな。なんかお腹に溜まる食料を買い込もうかな。
「あのさ!こんな時にアレだけど、食料を仕入れたいんだよね」
「いいんじゃないか?食う物だけならあるし、お前さん大量に貝を持ってる割りに使ってなかったろ」
市場に行って買い込んじゃう。勿論99箱買い!
林檎にベリー、ポポー、枇杷、梅、スモモ、マンゴー、栗、トマト、ナス、かぼちゃ、ズッキーニ、とうもろこし。
うん、なるほど木にならなくても果菜類は取れるのか。
後は魚類だよね!勿論99箱買い!まだ鞄一杯にならないけど、まあ買えるだけ買ったし満足だわ。
勿論白ワインと林檎酒も仕入れてあるのは言うまでもない。
ゆくゆく西に戻ったら調味料とかも買い足したいもんね!
コレだけ買い込んでも特に騒動も起きない所が、世界樹の加護で生態系滅茶苦茶の天上の国。
東のヒト達が起きてきたら食わせなきゃならんのだけど、多分大丈夫なんだろうな。
水上要塞に吹く静かな風に酔いを醒ましつつ、考える。
このクエストが終わったら、今度は東に抜けるストーリーがあるのかもしれないが、一旦【帝国】に帰ろう。
もう現実で半年近く逃げてるし、そろそろ自分に対する興味もなくなったろうし、古巣に帰ってやりたいことがある。
まぁ、大した事じゃないが、折角地下の国と天上の国と繋がりが出来たわけで、大霊峰を越えられる自分だからこそ出来る【輸送】任務。
それぞれの国に不足があって、それを補うのが【輸送】なわけで、魔物が出る世界の【輸送】ってのは力が必要じゃん。
自分で言うのもなんだけど、色んなヒトにそれなりに強くしてもらえた自分の力の使いどころってそこなんじゃないかな~って最近思うようになった。
なんか攻略とか?そういうのはやりたい人がやればいいんだよ。
自分はのんびり歩き回りながら、自分の顔を見たヒトが待ってましたって顔になるのを見て過ごしたい。
その為にはまずケーちゃん何とかしなきゃな~。