569.続続脳偵察
ん~カマキリ!二刀流だろうとは思ったけどさ~カマキリ型の黒いブヨブヨ。
ほっそりとした二刀使いではあるが、どうくるのかね~。
体全体を縮め、飛び込んでくるカマキリを転がって回避。体全体でぶつかってくる相手なので念の為、大きめに回避したのが正解。
飛び込みながら鎌を螺旋状に振り回してくるが、攻撃範囲が広いわ~危ね~!クリーンヒットだけは嫌だよ!装備壊れちゃう。
両側から交互に振り回してくるが、まあ正面に捉えてる相手なら避けるのはそう難しくないか。
しかし、邪神の尖兵ってのは術とか使わないよな~。ああ!そりゃそうか!邪神勢力なんだから精霊の力を借りられるわけ無いんだから、術なんか使えないか!
いやでもさ、邪神勢力専用術とか無いのかな?魔素を使った魔術とかさ……、いずれ実装されそう?
プレイヤーが瘴気の中で活動できるってのもさ、そういうフラグじゃないの?って思うんだよね。
自分が邪神の化身の力を使えるのも、ほとんどそれだよね。魔物の核を消費するわけだし、実質魔素を使った攻撃だ。
相手の攻撃が単調なのでついつい考え事をしてしまった。
まあまあ早い程度で、伸びたりするわけでもない。攻撃範囲自体は広いが、剣状武器って事は線攻撃なのでやろうと思えばブロックも可能。
交互に振られる鎌を
避けて、斬る。避けて、斬る。
両鎌を落としたところで胴体斬りを狙い横薙ぎにすると、飛び上がり天井に取り付く邪神の尖兵。
べしゃっと形を一度失い、そのまま逆さ吊りの状態で再びカマキリ型に戻り、斬りおとした腕も復活した。
天井逆さまのカマキリと地面からカマキリを見上げる自分の構図。
……降りて来いよ……。
なんかぼさっとして、様子を見てるだけのカマキリ。
「あ~もう、根住!」
相棒を身に纏い、壁を駆け上がりつつそのまま天井を歩いて間合いを詰める。
お互い逆さ吊り状態で再び鎌攻撃を回避からの腕切断、そこから天井に対してしゃがんでカマキリ型の足を斬りおとし、地面に落っことす。
再び地面にべしゃっと潰れてカマキリ型に戻ったところを、頭上から真っ二つに斬り割り、
半分が瘴気に変わって消えて、一気に背が縮むカマキリ。
一気に手ごろなサイズになったカマキリに、さっさとトドメを刺そうと剣を向けた瞬間にカマキリが変形!
胴体が小さく纏まり、両手がプロペラの様に回転、そのまま宙に浮く。空中にそのまま滞空する姿はほとんどドローン!
散弾銃を向け引き金に手を掛けたところで、視界から消えた。すぐに姿を追えば、天井すれすれで滞空。
そのまま散弾銃の銃口で相手を追い、照準が合う度に視界から消える。
ほとんど動きを見せない滞空から急速な移動で姿を見失うのがしんどいが移動自体は短距離を一瞬しか動かないのは何故かな?
しかし、追えないスピードって久しぶりに厄介な相手だな~。
更に追い散弾銃で狙いをつけたところで、視界から消えない?と疑問を感じると同時に剣で割り込む。
ギリ反応できるスピードにブロックまで持ってくのは、これ無理だわ。ただ滞空している位置からの移動は完全な直線だね~じゃなきゃガード間に合わんもの。
そうなると久しぶりのアレかな~アレだよね~。
気持ちが高ぶるが、ゆっくり呼吸を落ち着ける。どうせロックするまで相手は動かない。
照準を合わせた瞬間に来ると分かれば、まあいけるでしょ。瞬間移動よりはイージーだしさ。
剣を肩に軽く担ぐように構え、散弾銃の照準を合わせていく。
ここ!というタイミングで何を認識する間もなく剣を振り、
真っ二つになったドローンが地面に落ちて瘴気に変わる。うまい事核まで斬れた様でよかったわ~。
皮膚に触れる間もなく倒せたのは成長したのか、以前の敵より弱かっただけか?
未だに待ちの状況で集中してないと使えない奥義なんだけどね~。
さて、次の扉がラストかね~黒のオーブを嵌め込んで、扉をくぐる。
どきどきの黒だ~。部屋の中央に立ち尽くす黒い影に気持ちが高鳴る事この上なし。
結局何武器使いか分からなかった黒司祭を象った邪神の尖兵ってどんなんかな~。
やっぱりウネウネしてるじゃない!結局何の武器か分からないじゃん!お~い!
え~……もう!え~……。いいか~もう。
腕から伸びてきた太い触手を斬りおとす。もう一方もさくっといく!
動きも遅いので、散弾銃で弾をぶち込みながら距離を詰め、邪神の尖兵の足を払う。
何しろ、大きく地面に広がる足を切払わなければ、絡めとられて自分がダメージ負っちゃうからな~。
下手に触れられない怖さが邪神の尖兵にはあるから困っちゃう。
再生した腕で再び襲い掛かってくるが、それは軽く斬りおとす。しかし足の触手もどんどん増殖して部屋を埋めてくる。
あれ?コレ木みたいな感じか?
武器使いじゃなくて木精術系の使い手だったのか?いやでも皆何がしかの武器だったし……。
木精武器を媒介とした木精術使いとか???
まあ、いいか!剣でバチバチ切り払いまくる。銃をしまい、剣を左右スイッチしながらばさばさ切り続けるとスカッとしてきた!
どんどん体積を減らしていく邪神の尖兵が、なんか変化しようとしたが、
すでに、まあいいか!状態の自分はあえて敵の最終形態変化なんぞ待ちませ~ん!
核が露出した瞬間に、
武技 追突剣
<跳躍>で空中を駆け核を貫き、邪神の尖兵を瘴気に変えた。
お楽しみの黒オーブ部屋がそこまででもなかったし、サクサク進んじゃいますか~。