568.続脳偵察
案の定、次もまたオーブを嵌め込む扉、次は黄色でも嵌め込んでみるかね!
次の間の邪神の尖兵は槍使い!……いやランス使いっぽいな~。
どう違うのって言われると微妙なんだが、しなりのある槍で変幻自在の突きと言うよりは、
丸太みたいな槍を使って重量で潰してくるみたいな?そんな感じ。
避けてすれ違いざまぶった斬るかと、無造作に近づく。
大きく引いたランスで突く為に飛び込んでくるのかと思いきや、丸太の様な腕部だけぶん投げてきたので、速攻回避。
しかし、飛んでくるランスから枝のように棘がどんどん伸び、更には思った以上の回転で壁といわず地面といわず、削りまくる。
兎にも角にも倒してしまおうと、ランスを射出した本体を滅多切りにするが、核が見つからない。
寧ろ、どんどん縮み最後には全部瘴気になってしまった。
振り向くと、壁を削りながら擦るように部屋内を暴れまくるランス。
ランスが本体かよ~。まあヒトに取り憑いてる訳じゃないなら、どこが本体でもいいのか!クソ!
なんかもうランスじゃなくてドリルみたいな邪神の尖兵をどう攻撃するか?
……凍らせるか!
鞄の中から世界樹の拳銃を取り出す。敵は見境無く暴れまわっているが、別に避ける事自体はさほど大変でもない。
<青蓮地獄>発動からの<犠牲>で生命力を捧げ<集中>で更にブースト。
武技 縮砲
リボルバーから発射された白いビームに一瞬で凍りつくドリル。
勢いを失って地面に落ちたところで、よく観察すると、あっさりドリルの根元に核を見つけたので、潰す。
うん、次行こうか!
次は紅にしようかな~。相手は九節鞭使い……ん~普通のヒト型だな~。
手をこちらに向けてきたと思った瞬間に勘で回避。
顔のあった場所を抜ける細長い、紐状の細い腕。壁にぶつかると角度を変えて反射し、そのまま伸び続ける。
まあ、顔の横に伸びっぱなしの腕を斬れば、その先が瘴気に代わって消えた。
一度引くように縮んだ邪神の尖兵の腕が再び飛んでくるが、もう慣れたので避けてそのまま飛び込み!
しかし、そうは問屋が卸さないとばかりに、反対側の手も紐状に変化し、結界を張るように振り回し、ばちばちと壁や天井に破裂音が響き渡る。
伸びる腕の方は、放置しているとどんどん壁にぶつかり、そのまま反射して部屋を埋めていく。
下手に触れれば、装備が壊れてしまうかもしれないという不安が、一歩の踏み込みをためらわせるが、
まあ、装備が壊れても仕方ないか!クラーヴンにまた作ってもらおう!と覚悟を決めたところで、なんとなく視界が開けた気がして、
振り回す腕をスパン!と斬りおとす。
そのまますっと敵の攻撃の隙間に入り込み、本体を滅多切りにしていつの間にか核を潰し、次!
桃のオーブを嵌め込む。
素手格闘タイプの司祭だったけど、邪神の尖兵はどうなるのかね~。
まあ、想像した通りといえば、その通り。
何も持っていないヒト型の邪神の尖兵。フッと上空に飛び打ち下しの拳打。
まずは様子見と思い、転がって大きめに回避。
地面を打ち込み、一瞬動きが止まった所に背中から攻撃を加えようと剣を振りかぶって、襲い掛かると、
敵の背中から、異常な重さの拳打が発せられる。
踏み込みも体重移動も無いのに、異様な重さと空気を突き破る勢いを感じさせる突き。
これだからさ~邪神の尖兵って奴はさ!死角ってものがないからな~。
幸いコレまでの敵のように飛ばしたり、伸びたりするタイプじゃないのがせめてもの救いか。
振り返りもせずに正面と背中が入れ替わり、蹴りが飛んできたので、バックステップで回避。
追い討ちのように飛んでくる拳打も回避、伸びきった腕を剣で切断。
痛みを感じないのであろう邪神の尖兵は反対側の手でフックから胴体から新たに生やした手で直拳突き。
しゃがむようにして回避しながら、膝下を切断。そのまま転がりながら一旦距離を取って、散弾銃を乱射。
撃ち切ったところで、
「根住!」
相棒を纏って、銃をパス。再装填を任せつつ、敵の次の攻撃に備える。
明らかに間合いの外から蹴り上げ、でも相手は邪神の尖兵。
きっちり回避すると、脚が伸びてきた。
そこから、ストレートのパンチも伸びてきたが回避して、剣で切断。
なんて言うか、伸び始めたら負けだよ?
一気に間合いを詰めて、真っ二つにから竹割りにしてやろうと振りかぶったところで、顔辺りに大穴が開く。
冷や汗が噴出すような、粟立つ感覚に転がって横に回避すると、穴からジャバジャバと黒い液体が噴出された。
うん、伸びたから終わりな訳じゃないよな!慎重に行かねば!
背後に、回りこみ一太刀、すぐに前後ろが入れ替わる邪神の尖兵と一旦距離を取る。
ヒットアンドアウェイでこつこつダメージを与え、体積を減らしていく。
静かに一撃、完全に隙を突いて露出した核を潰して倒す。
後は緑と黒の部屋か。
そう言えば、手足から触手みたいなのが生えただけで、黒の司祭の武器分からないや……。
先に緑から攻めておくかね。確か柳葉刀使いのかなり身軽な相手だったよな~。どうするか?