567.脳偵察
胃や食道の居住区用の消化器官はお任せで、自分は再ログイン。
今のところ、食道を中心に胃の入り口で十分防衛出来ているらしい。
何なら逆に、胃を少しづつ制圧し直してる様なので、流石エリーゼ様という所か。
でも、このまま解放した動けない東のヒト達を保護し続けたらパンクするのも時間の問題だろう。
やはり自分の脳攻略速度によって、結果が変わってくるのかね~。
まあ、脳となるとサイズも中々に大きいし、場合によっては人を連れてくる必要あるが、そこは自分の偵察次第か。
脳のほうに登っていけば、オーブを1個嵌め込む扉、一個かよ!何を嵌めたらいいんだかいいんだか分からないけど、適当に嵌めれば扉が開く。
あれかな?進むにつれて扉があるパターン。もしかして扉ごとに敵とかいないよね?
あ~、こんな事思いつくと大体いるわ~。
ココはどこだろう?首か?脳幹?まあ分かんないけど、明らかに邪神の尖兵が待ち構えてるんだよな~。
まあ、部屋はそんなに広くないので敵のサイズも小さいが、形がちょっとね~ヒト型なんだよね~。
取り敢えず、青のオーブを納めた所為か偶然か?両手が扇状になったヒト型。
ヒト型って割りに両手がおかしいし、まあどうあがいてもヒトではないが、
コレが司祭級だとしたら、司祭級連戦か?こいつはやばいな~。
扇状になった手が薄く大きく広がって囲い込んでくる所を剣を右手で抜いて、そのまま右側を斬り抜ける。
手は扇状だが動きは全然違うと……。
その後もまるで投網のように開いた扇状の手で包み込むような攻撃を仕掛けてくれるが、触れないように慎重に剣で破いてすり抜ける。
両手の扇をズタボロに斬りまくると、
動きが変わり、ぬるぬるっと脚が伸び天井に頭が付く程背が伸びる頃には体がほっそりしてしまった。
何だろう、やじろべぇ?ゆらゆらと横に揺れそこから大きく開いた扇を覆いかぶせてくる。
到底避けられない範囲攻撃を再び剣で斬り抜け<跳躍>からの
武技 反動滞空
で、ほっそりとした敵胴体に近づき剣で真っ二つ。
予想出来たが、本体は扇状になっている上半身側、
下半身側は瘴気に変わって一気に蒸発して消え、べったり地面に張り付くように扇状の手を広げて地面を覆ってしまった。
「根住!」
相棒を纏いつつ、
武技 反動滞空
壁に張り付き、敵の動きを見る。
ふむ、司祭の姿をベースに象った邪神の尖兵だったんだろうが、まあ弱いかな。
ただ、地面に降りられないのどうすっかな~。
慎重にゆっくり壁を降りて観察すれば、左手の扇の付け根に核を見つけるものの、
急に小型化、全体の体積が一気に減って手ごろなサイズになって、部屋の中央で再びゆらゆらと揺れ始める姿が、なんかフラワーロックみたい。
地面に降りてゆっくり歩いて近づいて行くと、片側の扇をこちらに向けて軽く仰いでくる?
何をしてるのかな~と思ったら、うっすらとした殺気が一気に膨れ上がり周囲が殺気だらけに……。
とにかく<疾走>で走り抜けて壁際まで逃げたところで、背中に衝撃を感じ、そのまま壁に激突してしまう。
なんだろうな、あの扇を仰ぐのになんか仕掛けがあるのかね?
またこちらを向いて、扇を仰いでるのですぐに走って逃走、殺気の範囲から逃げ切って振り返れば、黒い液体が飛び散って、壁やら床やら濡らす。
しかし、すぐに吸収されるように色が消えてしまう。
そのまま部屋中を走り相手の攻撃のタネを考えていると……、
どうやら、一定方向に扇を仰いでおいて、何かが溜まると急に爆ぜるっぽい。
爆ぜる瞬間までうっすらとした殺気しか見えないので、コレは動き続けてないと避けるの難しいな。
爆ぜる範囲も結構広いし、中々面倒だわ。
どのタイミングで、距離詰めるかな~。
<疾走>と<跳躍>の再使用可能になった所で、タイミングを計る。
武技 追突剣
こちらに向けた扇を真っ二つにするように飛び込み突きで、相手の攻撃を封じつつ、反対側の扇にくっついている核を潰す。
敵は瘴気に変わり何も残さない事から、取り憑くタイプの邪神の尖兵じゃなかったようだ。
戦闘が終わって、一応ダメージを食らった装備を確認したら、思いっきり装備の耐久値を削られてる。
背中から食らって胴体の防具だけだったが、
本当にこれだから邪神の尖兵の相手は嫌なんだよな~。
取り敢えず、この場には危険が無さそうだし、メンテナンスだけしておくか。
また邪神の尖兵のクリーンヒット食らったら、壊れちゃうかもしれないけど一応最低限だけはね~。