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559.拠点要塞化

 水上要塞で休み、甲板で伸びをしつつ今度こそ腎臓攻略!


 「あの……」


 久しぶりに見かけた顔に刺青の入ったお姉さん。まあ最近自分はケーちゃん内部に引きこもってたからな~。なんかあったかな?


 「あの隊長さんの活躍は伺ってます。本当に仲間を救っていただいてありがとうございます」


 「いや、別に気にしなくていいよ。エルフ達と相談の上で共同作戦してるだけだし、何よりまだ誰も目を覚ましてない訳だし」


 「そうれはそうですけど……でもケーちゃんの様子を見るだけでもどんどん具合が良くなってるのが分かりますし!」


 「え?寝てるだけじゃん?」


 「いえ!毛艶がどんどん良くなってます!それに前よりずっと安心した顔で寝てるじゃないですか!」


 う~ん、全然分かんない。自分も昔、犬は飼ってたんだがな~。


 「まあ、それはそうと紅色の司祭がいた臓器ってどこなのかな?腎臓目指してる筈なのに辿り付けなくてさ」


 「ああ、じゃあ隣ですよ。多分脾臓の方へ行ってしまったんですね。道理でケーちゃんの血色が良くなったと……」


 毛むくじゃらの姿のどこを見て血色を判断してるのだろうか?


 まあ東のヒトとケーちゃんは深い仲なのだろうから、分かるんだろう。自分には分かりません。


 脾臓って事は血液を作ったり、白血球を育てたりするところだよな?確か。今までより白血球が増えて、血管内部がもっと危険になったらしんどいな~。後にとって置けばよかった。


 ケーちゃん談義をいつまでもしててもしょうがないし、今度こそ腎臓を攻略開始……、


 ケーちゃんの食道を通ってると、気を失っているヒト達を運び出す組と物資を運び込む組が行き来している。


 そんな中物資を運び込む組の運搬物がやたら物騒なんだが?


 ちょうど装備屋のおっさんが同行してたので、歩く速度をあわせて話を聞く。


 「ねぇ、それさ。誰が使うの?そんなでかいもんエルフの細腕で持ち歩けないでしょ?」


 ちょうど装備屋のおっさんの横の台車に乗せられて運ばれているのは、エリーゼ様が使う物よりさらに二周りはでかいガトリング。


 さらには、前の台車には同サイズの重機関銃。さらには明らかに砲塔としか見えない物まで……。


 「あ?何言ってるんだ?コレは本来は戦闘艦設置用だぞ?なんか胃を制圧するのに施設を拠点化すると同時にいざというときの為に要塞化してしまおうって言う……」


 は?ヨウサイカ?他人の住処を勝手に要塞化って……、まあ仕方ないか。なんだかんだ危険にもかかわらず世話やいてるわけだしさ。


 「おい?聞いてるのか?自分から質問しておいて、気が散りやすい奴だな」


 「ああ、悪い聞いてるよ。ただ他人の住処を要塞化するとか言うからちょっと考え事しちゃっただけ」


 「そういう事か、ちゃんと用が済んだら片付けるから安心しろ。元々型落ち品だしな。最新の物は水上要塞に設置してあるから、使わないものを整備して運び込んでるんだ」


 「なるほどね。人命第一だしいいんじゃない?しかし流石にこのサイズの物を持ち歩くヒトはいないか」


 「そりゃそうだろ。エリーゼ位のものだあんな得物振り回すのは。俺たちエルフは精神力こそ潤沢だし、設置式の物なら取りまわせる奴もいるが、重量物を持ち歩くとなると話が違うぞ」


 「じゃあ、なんでエリーゼ様はあんなもの使えるのさ?」


 「そりゃ、不断の努力のなせる業だろうな~。戦闘員に地獄の【訓練】を課すがそれ以上の特訓を己に課すからこそ慕われてるんだろう」


 「ああ、日の出る前にあの縦巻きカールを巻いてるからじゃないんだ?」


 「当然それもあるだろう。やはり上の者が髪をしっかり巻いてるからこそ士気が上がるってもんだ」


 「そこは、譲れないんだ?」

 

 「?当たり前だろ?」


 「じゃあ、自分が指揮するときはアフロでも被るかね~」


 「あ~あれだろ?世界樹様みたいなソウルヘアー」


 「そう!それを被ればエルフの士気も軒並み高まるんじゃないかな~って」


 「ほーーーーー……」


 「嘘!嘘!そんな物持ち歩いてないよ!そもそもそんな事になる前にどんどん臓器を解放して……解放して?どうすんの?」


 「脳のコントロールを取り返すんだろ?」


 「いや、今ケーちゃん寝てるだけだし、心臓とか重要器官押さえておけば別に暴れださないんだから、じっくり住んでるヒト達を解放すればいいんじゃない?」


 「まあそりゃそうだが、解放した東の者達は一向に目を覚まさないんだろ?初めは体の負担の所為じゃないかと言われてたが、今では原因不明」


 「え?そうなの?」


 「そりゃな。順次目を覚ますならまだしも、全員寝たきりだ。このままだとこっちもその内人手が足りなくなってパンクするぞ」


 「じゃあ、どうすんの?」


 「だから重要器官を取り戻すことで、ケーちゃんを正常化して原因を探るんじゃないか?」


 「そういう事か。オーブを集めて脳にいくことしか考えてなかったわ。邪神の尖兵を追い詰めて全滅させれば、何がしか動きが見えるか」


 「そうだな。何より精神操作っていったか?心に負担を掛けられてるんじゃないかって話だろ?やっぱり脳は解放した方がいいんじゃないか?」

 

 ああそういうことか~。なんか途中から内臓にいる司祭と戦う事ばっかり考えてしまったわな。

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[一言] 途中で手段が目的になる ゲームあるある
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