555.胃センタービル?
早速ログインからの状況確認。
用務員室で寝てた訳で小窓から見える玄関にはエルフ達が学校内のヒト達を運び出している。
子供達が早いところ起きて元気になって欲しいものだ。
一先ず、外に出てエリーゼ様を探すか。次の拠点を探さねばな~とは思うものの勝手に出かけても迷惑だろう。
あ~いい匂いするな~。給食作ってるのか~食べてから頑張るか!
給食室に行くとエルフの若いお兄ちゃん連中がご飯を作っていたので、顔を出すと、
「おっ隊長!ちょうどフライが出来たところだから食ってけよ!」
出されたのはフライには違いないが、何の魚か分からん!一応食べるものは水上要塞からもってきているから大丈夫だろう。
白身魚にフルーティなソースをかけて頂く。スパイシーでいながらいくつものフルーツが溶け込んだ不思議な味わい。
熱々のフライでお酒!と行きたいところだが、これから活動予定だし、控えますか。
うし!ご馳走様!体もなんか熱もってきた気がするし、気合入れていくか!
「隊長!起きたのだな!早速だが……」
「どこか占拠したい建物見つかった?偵察行くよ」
「いや、ヒトを運ぶだけで手一杯なのだ!悪いが単独で腎臓の占拠を頼みたい」
「ああ、そっち?じゃあ、血管に潜り込むか」
「そうだな、腎臓の方向はここから上の方らしい。それでだ!中央の塔がどうやら胃壁の天井に繋がってるそうだ」
「うん、一人でちょっと行って攻略してこいってのね」
折角胃に拠点作ってまったり攻略する予定だったんだがな~。
まあ、胃全体を攻略すると考えれば、まだ当分かかるし自分だけ先行もいたしかたなしか。
学校の外に出て、胃の中央に向かう。遠くから見ても中央程建物の背が高いと思ったが、中央が天井に繋がっているとは、な~。
真っ直ぐ中央に向かう途中邪神の尖兵に取り憑かれたヒトに出会うけど、一体づつなら瞬殺。
中央に近づくにつれて空気が重くなるのは気のせいだろうか?
周囲の高い建物から感じる殺気は間違いなく自分に向けられてるから、ちょっと反応しちゃうよね~。
なんか用あるの?ブッコロ?って感じ、強いなら戦ってみたい気持ちもあるよね~。
なんとなく、にやつきを抑えられないまま中央の建造物に向かって延びる大通りを抜ける。
中央の建物は完全にビル。正面から乗り込むか、ぐるっと回って裏口なり探すか、迷うところだな。
……裏口探します!
自分も楽しくなって殺気振り撒いてたかな?玄関にさ、みっちりいるのよ……。
流石に大人数を一人で倒すのは面倒。やって出来ない事も無いんだろうけどさ。
まぁ、ここは素直に裏口探しますかね。
ビルの周りをぐるっと巡り、階段を発見!普通に考えれば脚がへし折れるような階層のビルだが、ゲーム内の自分なら、普通の範疇。
どんな山だろうが登る自分からしたら最悪階段見つからなくても窓枠伝っても良かったので、階段があるだけ楽だよね。
凄いシンプルなぐるぐると登るだけの階段。
たんたんたんたんたん!とさくさく登っていけば、踊り場に邪神の尖兵に取り憑かれた東のヒト。
両腕を振り上げて襲い掛かってきたが、すれ違いざまに胴体の核を斬りながら抜ける……、
ガンガン!音をたてながら階段を落っこちていくけど、大丈夫かな?
ま、まあいいや先に行こう!気にしたら負けだ!
その後も時折階段踊り場で待ち構えられているが、サクサク倒して上を目指す。
ちょっと、ちょっっっとばかり単調だな困った。歩くだけとかなら割と好きなんだけど、ずっと同じ光景の階段を登り続けて、大して強くもない敵を一瞬で倒すだけの繰り返し。
階段の柵の隙間から眼下のケーちゃん胃居住区を眺めると、なんとなくここでの生活を感じられるようで中々の風情。
コレで風でも吹き抜けたら最高なんだが、内部だからな~。
気を取り直して上に進もうとしたところに相変わらずの敵が襲い掛かってきたので瞬殺。
相手がずるっと壁にもたれかかりながら崩れ落ちるのを見るともなしに見ていると、
明らかに背後に扉があるじゃん。
ヒトをちょっと動かして、扉を開けようとしたが押しても引いてもビクともしない。
散弾銃で鍵を破壊すれば、内部に潜入できた!机が並んで、なんかオフィスっぽい?
鍵を破壊した音で、こちらに気がつき向かってくるヒト達の核をどんどん潰していく。
机の所為で動ける範囲に制限がかかるが、その机に上ってしまえば寧ろ上から攻撃する形になるので、余裕が出来る。
机の上を好き放題ぐちゃぐちゃにしながら、敵を倒しまくるとか、独特の背徳感が悪くない。
結構高まる!ビル内部入って正解だったな。
囲まれる前に各個撃破しながら、上の階を目指す。