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551.市街地戦

 住居と思われる建物が立ち並ぶフィールド、天井は高く壁沿いはマンションのように階層型の居住区になっているようだ。


 先ほどの食道ほどではないが、飲食店や生活必需品が買えるような店もちらほらと見受けられる。


 一軒に何人の寄生された東の者がいるかは分からないが、虱潰しにしていくのに相当な時間がかかることだけは間違いない。


 やはり大きめの建物を占拠して拠点化し、少しづつ部隊を派遣してじわじわと進めるしかないだろう。


 となればまず目標とする建物を決めねばならない。


 ぱっと見中央から徐々に建物のサイズ感が小さくなっていくように見える。食道から入ってきたばかりの自分たちの周りは精精が一軒家程度の住居ばかりで拠点化するには物足りない。


 やはりここは自分が先行して程よいサイズの建物を見繕って来よう。


 イメージとしては複数を占拠して、お互いにフォローし合える距離感を保つ事で、仮に大挙して押し寄せられた場合でも最悪脱出できるって言うのが理想。


 となると、退路確保の為にも狭くて占拠向きじゃないこの辺りもある程度制圧して、人員を配置しておいた方がいいか。


 「じゃあ、自分が先行して……」


 「ああ、拠点向きの建物を探してきてくれ、我々はこの周辺をクリアにしてしておく」


 何も言わんとも全部察してくれるんだから優秀すぎるんだよね。っていうか自分が考える事くらいはこのゲームのNPCは察して次の指示くれるんだから楽っちゃ楽なのよ。


気脈術 陰気


 術を使い気配を消し、さらには細い通りを回りこむようにして中央のより大き目の建物の方に向かう。


 エルフ達はスナイパーエルフやエリーゼ様が広めの通りで待ち構え、他の間合いの短い者達で寄生された東の者達を吊り出して殲滅する作戦らしい。


 まあ手堅いね。結局人数がいて火力もあるんだから、吊りだせるならその方が絶対楽だし強いよ間違いない。


 食道の門の近くで待機してるのもいい。最悪危なかったら逃げてくれていいんだし、自分は血管迷路通って帰れるんだからさ。


 単独で辺りを警戒しながら奥へ奥へと進むが、一々家の角で緊張するの面倒くさくなってきたな。


 でも、急に誰か飛び出してきたら嫌だしな~心臓に悪いじゃん……、よし!


 って事で、適当に一軒の家の屋根に登りそのまま屋根を伝って進むことにする。


 時折、離れている家もあるが、別に今の自分の<跳躍>を使えば十分に飛び移れる程度、何なら 武技 反動滞空 を使ってさらに飛距離伸ばせるし、何の不安も無い。


 ふと、ちょっと大き目の建物を見つける。上にはそこまでじゃないが横に広い。なんか地元のスーパーって感じ?そんな雰囲気の建物。


 まだ中は見てないから分からないけど、住宅地に急にある少し広めの建物って言えばそんな感じじゃない?


 その建物の上に飛び移った瞬間、屋根から手が生えてきて内部に引きずり込まれた。


 本当に着地した瞬間足に違和感を感じ自分の足を見たら、邪神の尖兵の黒いぶよぶよの手が足に絡みついていて、

 

 そのまま状況を見失い、


 気がついた時には背中から腹側に貫通するような衝撃に息が詰まると同時に、自分が落ちてきた天井を見上げていた。


 自分が倒れていると認識した時には、ずるずると倒れた体勢のまま引きずられている?


 すぐさま剣を抜き足に絡みついた邪神の尖兵の手をぶった斬る。


 立ち上がって辺りを見渡すとすでに悪くなった食品が腐臭を放つ食料品店に周りには数人の寄生された東の者。

 

 ただ今まで見てきたヒトと違うのは、なんか口から邪神の尖兵の触手が生えてる。


 内一人の触手が自分の足の辺りまで伸びてうねうねと不規則に蠢いて、再び襲い掛かろうって事か?


氷剣術 霜界


 すぐに地面を凍らせて、自分なりの結界を張り、臨戦態勢。


 しかし運が良かったのは、即死じゃなかったという事。邪神の尖兵といえば触れるだけで、取り込まれて死ぬパターンが一番辛い。


 相手がどういうつもりだったのか分からないが、取り合えずここに引き込むだけで勘弁してくれて良かった。


 まあ、周りに集まってきた寄生されたヒト達が一斉に口から生えた触手を伸ばしてくるのはただひたすら気持ち悪いが、


 全部切り落とす。


 大したスピードではない、造作も無く伸びてくるそばから斬りおとす。


 かなりの量を斬り落とし、瘴気の臭いが充満してきたところで、寄生された人たちの様子が!おかしい!


 一本づつしか生えてなかった触手が分裂を繰り返し、口からニラを咲かせた様な形に変化。


 ニラはおかしいか?じゃあアロエ?


 ウネウネした感じから、草生やした様な見た目になってるのよ。人間花瓶みたいな。


 何でか知ら無いけど皆上向いて、生えてる邪神の尖兵の草を横に向けないようにしてるしさ。


 そのまま両手を広げてTの字体勢で、ジャンプしながら回転?


 何故か重力に反するようにフワッとした挙動でこっちに迫ってくるので、避ける。


 伸ばした手が腐った食料品のラックにぶつかると、食料品がぐちゃっと音をたてて飛び散るのは、まあ分かるが、ラックが切断されるのは何故?


 次から次へとタイミングをずらして、こっちにフワっと向かってくるのを避けながら散弾銃で吹き飛ばす。


 近距離で撃てば、ノックバックの発生する散弾銃を使っていて良かった。


 寄生されたヒト達にダメージが蓄積しているのか、動きが鈍くなってきているので、一人の腹を剣で突く。


 明らかに盛り上がってる腹に核があるだろうと予想しての事だったが、服の上から突き刺さった世界樹の剣に手ごたえがあり、大量の瘴気を撒きながら倒れる。


 このスーパーのヒト達はなぜか皆一様に腹が膨らんでるので、次から次へと突いて回れば、無事解放。取り合えず7人解放できたが、この規模のスーパーでヒトが7人だけという事はないだろう。


気脈術 陰気


 気配を消し、全力で警戒しつつスーパーを脱出。応援を呼んで一つ目の拠点占拠と行きますか。

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― 新着の感想 ―
[一言] うねうねうねうね…………… ( ̄□ ̄;)!!ギャー 動くアロエ
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