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543.心臓桃色の司祭

 ちょっとした影に階段を見つけ登る。


 緩やかな螺旋状階段を上っていけば、何にも無い部屋。ただ何となく明るく。中央に桃色のローブを纏ったヒトが佇んでいる。


 ピンク師匠のおかげかピンクに悪い印象は無いのだが、ローブって事は司祭だもんな~。倒して鍵奪わないと。


 剣を抜いて肩に軽く担いだまま無造作に近づくと桃色司祭が、こちらを振り向き喋りかけてくる。


 「な・・・なんの・・・用だ?」


 「頭への鍵借りたいんですけど」


 「・・・?駄目だ・・・、大事な物だ・・・」


 「大事なのは分かるんですけどね、ケーちゃん暴走させられると迷惑なんですよ」


 ローブの内側から盛り上がる肉体、みっちみちに詰まったローブから感じさせる暴力性もどんどん膨れ上がって行く。


 操られてて技量がどの程度かは分らないが、パワーだけはありそう。


 体のでかさに似合わない異常な瞬発力で殴りかかってきたので、ブロックからの腕斬り落とし、正直落とす所までやる気は無かったが、何かサクッといって、心臓がバクバクする。


 しかし腕の切り口が見えないので多分大丈夫!大丈夫だと言う事にしておこう。


 呼吸を整えながら様子を見ていると、あっさりまた腕が生えてきてやたらと圧のあるフックをぶん回してくるが、それは回避しつつ薄く肩の辺りを斬り返し。


 振り切った腕で裏拳をかましてくるが、腕を再び斬りおとす。


 腕が生え変わるたびに体のサイズが縮んでいく桃色司祭だが、サイズが減るごとにスピードも速まっていく。


 肘で顔面を狙ってきたと思い一歩下がれば、


 目の前を通りぬけた拳が戻ってきて裏拳が飛んできたので、転がって避ける。


 そこにぶっ込まれる体重の乗った踏み付けが地面が大きく揺らすも、自分は更に転がって避けた。


 そのままの勢いで立ち上がり剣を構えれば、大きく頭上から手を振り下ろしてきて掌底で頭を狙ってくる。

 

 あまりの圧にブロックを諦め避ければ、地面をぶっ叩き地面を手形にへこませる。


 しかし地面についた腕を斬りおとせば、またサイズが縮み露出するヒトの腕、多分司祭本人の腕だろう。


 流石にヒトの腕を斬り落とすとなると事が大きすぎるでしょ・・・次はどこ攻撃するかな~。


 ちょっと攻撃する場所に迷っている一瞬で間合いを詰められ、半回転し後ろを向いたと思ったのと同時に下腹部に蹴りを貰う。


 殺気を感じると同時に後ろに飛んだが掠っただけでも生命力を削られ、中々の危機感にひり付いてきた。


 こっちは相手の生身をバッサリ行くのを躊躇ってるってのに相手は容赦なしなのよ。


 バチバチと手腕から音が鳴るほどのえらく細かい連打を捌いていた筈が、いきなりテンポが変わって、全身の重さを拳の一点に集めた様なロングレンジパンチ。


 咄嗟のブロックを弾かれ失敗した所にサイドキックの追撃でぶっ飛ばされ、転がされる。


 さらに追撃を貰ってはたまらんので、即立ち上がるが脇腹に飛んでくる鉤突き。


 どんなスピードで間合いを詰めてるんだよって話なのだが、愚痴ってる暇なんて無い。


 殴られようが気にせずローブを<掴み>そのまま相手に殴られた勢いで飛ばされ、突っ張ったローブの背中に大きな瘤が見えた。


 もう十中八九そこが核だろう。間違っててもいいや背中をバッサリいったろう。仮に人体だったとしても知らんわ!ボコボコにしやがって!


 斜めに滑るように入り込んできた桃色司祭の大外からの上段突きを肩当の盾を展開してガード、


 膝で盾の内側を抉りこむように脇を抉ってくるが、もう仕方ないのでそのまま司祭に抱きつき、逆手に持った剣で背中の瘤の辺りをぶっ刺す。


 大きく仰け反り、何も言わずに倒れこんだ桃色司祭の懐からピンクのオーブが転がり出てきたので、頂戴する。


 桃色司祭は元々筋骨隆々のマッチョ司祭だったっぽい。腕とか女の子の胴体くらいありそうだもん。こんなんで殴られたらそりゃ削られるわ。


 血流の地下水道を桃色司祭を担いで行くのは中々骨が折れそうだがどうするか、放っておこうかな?


 でもまた邪神の尖兵に乗っ取られて、戦うはめになったら嫌だしな・・・。


 仕方ない、デカイ司祭の足を持って引きずって帰るしか無し。


 そのつもりで、引きずり始めて三歩目で司祭の頭が段差に跳ねた拍子に鍵が転げ出た。


 無視して引きずって行ってもいいけどな~・・・な~・・・。


 意識が無いはずの桃色司祭の顔色が悪くなっている気がするのは気のせいかな?


 鍵を拾い、合う扉が無いかそこら中探すも見つからないので、仕方無しにそのまま引きずって帰ろうと足を持つと、


 桃色司祭の頭上に伸びた腕、指先が何故か人差し指一本だけ立っている。


 最後の攻撃の時人差し指で点穴でも突こうとしたのだろうか?


 その指の先の床が微妙に色が変かな?


 色の変な床を触って確認すると小さな鍵穴。そこにさっき拾った鍵をさして回せば、下には狭い通路があったので、そのまま司祭を引きずって進む。


 何にも無い狭い一本道、司祭の頭も跳ねないのはつるつるの床なのだろう。ヨカッタネ。


 突き当たりにはなんか、なんだろうダクトと言うかホースと言うか、人一人は入れそうな管?


 自分で入るの怖いし、取り合えず司祭を投げ込んでみると、一瞬で吸い込まれて上に飛ばされてしまった。


 流石に追いかけないとまずいかと、自分も入ると強い空気圧を感じた直後外に海に落っこちてた。


 どこから飛び出したかも分らないが、見える範囲に凍った海の上に桃色司祭とケーちゃんの顔。


 心臓に直通の道があるとは聞いてたが、どうなってるんだろうな~。

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― 新着の感想 ―
[一言] ( ̄□ ̄;)!!直通って、外? 外との直通? えぇぇぇぇ……………(◎-◎;)
[一言] ピンク師匠の話題が出ると 「筋骨隆々のマッチョ司祭へ強引に抱き着き、 動けなくして背後(バック)へ獲物をブスリ。 大きく仰け反り、気絶したマッチョ司祭からピンク玉を回収。 アイヤー…
[一言] 「大変だ!司祭様が頭打って頭が悪くなってる!」 「元からです」 とかありそう
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