540.補給、休憩、その他
自分が再びログインするのを待っていたかのように会議。
面倒臭いことこの上ないが、よ~く考えよ~会議は大事だよ~って事で、状況の確認と擦り合わせ今後の方針と話しておかなきゃならない事は諸々ある。
とはいえ、自分は基本方針を出すだけ!後は手伝えば手伝った分、報酬なり評価が乗るんだろうと勝手にそう思って気楽に参加。
「まずあの森はどこの部位に当たるのかね?まだ先は長いのかどうか、それ次第で方針も変わるよね。あそこにいると調子悪くなる人が出るんだから、時間制限が有ると見ていいと思うし」
自分の発言を受けて、刺青の女性に視線が集まる。
「森と言うのは肺ですね。新鮮な空気を作り出してケーちゃん内部に行渡らせてます」
ん?肺に森があって綺麗な空気作り出してるって・・・空気吸うんじゃなくて体内循環で綺麗にできるって事?どんな生き物よ?そもそも水の中に住んでるのにエラ呼吸じゃないんだ?
ああ、でも見た目顔は犬だし、哺乳類・・・?哺乳類の肺に木は生えて無いよな・・・。
うん、まあそもそもヒトが体内で住んでること事態ファンタジー生命体なんだから深く考えない!
「じゃあ、心臓を通り過ぎちゃったって事?」
「位置的にはそうですが心臓に向かうにはどうしても血管を抜けなければならないので、肺から向かえる筈です」
「血管って事は泳ぐ事になるのか、エルフ達は大概泳ぎは出来ると思うけど、大人数でぞろぞろって訳にはいかないか」
「ええ、血管を通らない別ルートもありますが、司祭様達じゃなきゃ分らない事なので」
「ああ、黒い司祭も寝てる今、強引に血管の中泳いで向かうしか無い訳か、ちなみに心臓もぞろぞろと敵がいっぱいいる可能性は?」
「多分司祭様だけだと思います。重要器官の管理は司祭様達の重要な仕事なので」
となると次回突入は自分が単独で突っ込んで心臓攻略となる訳か、まあそれはいいや!それはそうと・・・。
「一個気になったんだけどさ、肺で空気が綺麗になってるとしたらだよ。瘴気で汚されてたケーちゃん内部の空気が今回の突入で浄化されたと見てもいいのかな?」
「ええ、多分?なにしろその邪神の尖兵と言うものがよく分からないので、断定は出来ませんが」
「確かに一理あるな!少人数で入り口付近に配置しよう。それで体に異常が無ければ空気は浄化されたと見てもいいだろう」
「人体実験みたいで気が進まないけど、でも長時間滞在可能となれば攻略も捗るしその辺りの検証は頼みます何しろ自分は瘴気の影響受けないですから」
「そうだな。これ以上我らが奥まで進めないとなると隊長ばかりに負担をかける事になるし、検証を繰り返し、少しでも奥に向かえる方法を見つけなければな」
と言うわけで、エルフはケーちゃん内部空気状態検証、自分は血管を通って心臓に向かう。
「隊長はここの所、根つめて戦い続きだからちょっと休憩するといい。何しろ現状において瘴気の影響を受けない隊長は我々の切り札だ。無理されても困るぞ」
え~、急に休暇とか言われてもな~頭の中完全に戦闘モードだったんだけど?
まあ、いいか!装備屋のおっさんの所にでも行って炙った乾き物で一杯やろう。
そして、水上要塞内を移動して、おっさんの所に・・・、しかしまあ急に休み貰って行くところがおっさんの所てのもなんとも色気の無い話だ。
別にいいんだけどさ!
「やあ、ちょっと暇貰ったから飲みに来たよ」
「そうか、お前さんもここの所突入作戦で根つめてたみたいだし、いいんじゃ無いか?俺も夜なべしてマフラー作りすぎて、もうマフラーとはなんなのか分からなくなって来た所だしな」
「んじゃ、お互い御疲れ様て事で、干した蛸と米の古酒があるんだけど?」
「ほ~蛸はたまに食べるぞ。北のほうで捕れるんだがちょっと遠目だから、よっぽど好きな奴が稀に行く時にちょっと分けてもらう程度だ」
おっさんが引っ張り出してきた七輪で、乾いた蛸を炙って食べる。
噛めば噛むほど甘みが出てくる蛸に舌鼓を打ちながら、話はいつの間にか例の装備の事に。
「それでさ、耐性が凄く乗るのは前の戦闘の時分ったんだけどさ。逆に他になんか無いかね?」
「なんかってなんだよ。お前さんは氷精使いで、限界いっぱいまでそれが乗ることであらゆる攻撃のダメージをカットして、さらには状態異常もそうそうにはかからない訳だろ?」
「でもさ<疾走>とか<跳躍>による機動力も自分の売りじゃん?なんなら<掴み>だって接近戦じゃ大事だし」
「<掴み>だって、その腕の刺青でクリアしてるじゃないか!逆に注文してくれねぇと靴もベルトもネクタイも何もしようがなくて困ってるんだ。ちなみにシャツと手袋は氷精乗ってるからな」
「そうか~〔連結の首輪〕とか〔空駆けの長靴〕とか〔海蛇ベルト〕があればな~。結構多用してた装備だし」
「ほぅ・・・、どんな代物なんだそりゃ?似た様な効果とか付けられれば、お前さんも助かるだろ」
「生命力と精神力を連結させたり、足一つ分の足場を作って二段ジャンプしたり、装備を登録しておいて一瞬で変更したりするんだけど」
「・・・なんか無茶苦茶な装備だな・・・、でも参考にさせては貰うぜ」
そんなこんなのんびり話をしながら酒飲んでつまみを食う、そんな日があってもいいだろう。