535.続突入第一回目
さて廊下に再び出て探索再開。
廊下に面していくつか部屋はあるが、一個づつ全て探索すると時間がかかりそうなので、気配に注意しながら取り合えず部屋前を通り抜けて行く。
急に這い出してくるタイプの敵は今のところ、さっきの犬の後はいない。
突き当たりは観音扉。
ってことは明らかに大部屋だよね~って事はさっき上から見たあのワラワラ部屋か?
一人で制圧はちょっと怖い物があるんだよね~・・・、回り道探すしか無いか。自分は制圧担当じゃないしな!
と言う事で、面倒ながら廊下沿いの部屋を一つづつ探索開始。
中の様子の分からない部屋に入るってのは非常に緊張感があるが仕方ない。速攻ぶっ放せるように散弾銃を構え、一気に扉を開ける!が、何も無い!
大体心の準備をしてる時ってのは何も起こらないもので、そこはただの小部屋。
しかし、運のいい事になんかの計画書らしき物が机に置いてあったので確認する。
・・・、・・・、・・・、どうやら東の者も久しぶりに世界樹の元でお祭りをするのを楽しみにしていたらしくその計画書の一部のようだ。
さっきの大部屋はまさに外のヒト、今回はエルフをもてなせるように準備中だったみたい。
ケーちゃんの口から直通で通じる大部屋がお祭りとか催し事をするホールで、ケーちゃん内部でもかなりの容量の部屋って事になる。しかも準備中に邪神の尖兵に取り憑かれたのだろう。相当人数がいるのは上から確認した通りだ。
口への最短距離はホールだが、どうやらホールを取り巻く回廊があるようなので、そこを突破しよう。
回廊まで邪神の尖兵に取り憑かれたヒトばかりだったら、一旦引き上げて会議といこうじゃないか!
回廊は大部屋の中二階的な感じで大部屋内部を通り抜けている?計画書の簡易的な地図を見る限りそう判断せざるを得ない。
つまり、鼻からの階とこの階の間に行く道を探さねばならんのか・・・。がんばるしか。
ちょっとため息をついた瞬間に殺気を感じ、反射で真後ろに散弾銃をぶっ放す。
そこに居たのはヒト型、腕に付いた核を斬り落とし倒したが、どこに隠れていたのか?
どうやら自分が見ていた計画書の置いてある机の真後ろが衣裳部屋になっていたらしく、そこから出てきたみたいだ。
ふぅ、ところどころにランプはあるし、真っ暗って訳じゃないけど何でこんなに緊張するかね。
他に衣裳部屋にヒト型がいないか確認し、部屋内をよくよく探索すれば廊下とは別方向に扉がもう一つ。
そっと開ければまた細い廊下、しかし凄く短く更に先程までより短い間隔で扉がいくつもある。
位置関係から言って、多分大部屋のステージに繋がっていそうだ。つまり楽屋とかそういう準備部屋が連なってる廊下なのかね。
一先ずは中二階を探そう。
自分の経験上、古い作りの御屋敷なら大部屋のど真ん中に階段があったりするものだが、今回計画書を見る限り、ちょっとつくりが違う。
どちらかと言えば、クラブ↑?いや自分もいい年だし、別に好き好んで行かないけども、地下に降りて行くタイプのクラブ↑何かがこんなつくりだったような・・・。
地下二階がメインのイベントフロアで、地下一階に廊下があって上からでもイベントフロアを見れますよみたいな。
問題はこちらのスタッフとか演者側からその中二階に行く方法なんてスタッフとして働いた事ない自分には予想もつかないって事。
仕方ない、元の廊下に戻ろう。
取り合えず向かいの扉を開ければ・・・、いきなりビンゴ!
上に向かう階段があるもののめっちゃくちゃ細いんだが?
まあ、仕方なしか、避ける余裕は無いが敵も逃げるスペース無かろう。先手必勝でぶっ放す事だけ意識して上る。
上りきった所にある扉を押し開け、中二階に・・・そこも何も居ない。
突き当たりはトイレかな?トイレから飛び出してくる者がいないか警戒するも、それも何にもなし、
一応男子トイレだけは探索!何も無い!
女子トイレは他のメンバーと一緒に来た時に任せよう。
しかし、生き物の中にトイレって、溜まった排泄物どうするんだろう?
・・・どうでもいい事に気を取られてしまった。中二階を進む。
今までのところ壁やカーテンがブラインドになっていたが、ここからは下から見える様になってしまう。
鼻から大きく息を吸い、細く細く口から息を吐き出し、
気脈術 陰気
気配を消して、そのまま中二階を進む。
すぐ下にはひしめくヒト型の邪神の尖兵達。あまりにも数が多く、しかもこちらを認識してないので、その場でただゆらゆらと動く姿は薄気味悪いの一言しか出ない。
中二階の回廊もそろそろ抜けようかという所にヒト型が一体、自分には気がついてないが通り抜けるには倒すしかない。
極力、自分の出来る限り限界の速さで邪神の核のみ斬りおとしたが、下のフロアのヒト型達に見つかる。
わらわらと集まり平気で周りのヒト型を踏み潰しながらこちらに向かってくる連中が中二階に到達する前に回廊を抜ける。
抜けた先にはバーカウンターで軽食を取れるようになっているフロアが吹き抜けになっていた。
後ろ手に扉を閉め、回廊の様子を窺うも自分の姿が見えなくなるなり興味を失ったのかもう追ってきていない。
ケーちゃんの口は下方向の筈なので階段を無視して、下の階に飛び降りる。
そこにも元は準備に精を出していたであろうヒト型が何人かいたが、広い部屋の各所に散り散りにに佇んでいた為、一人づつ処理。
一体目を倒すと同時に気がつかれるが、カウンターや机が障害物になり、あまり複雑な動きが出来ないらしいヒト型達は引っかかって次から次へと転んでいく。
転んでる所をサクサクと倒しつくし、明らかに受付と見える場所を抜け、大きな丸ボタンが二つある壁に到達。
適当に上のボタンを押せば、
ジリリリリリリリ!
けたたましいベルの音と共に目の前の壁が上に開き外の明かりが差し込む。
もうね、ケーちゃんがどういう生き物なのか分からない。