表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
534/613

534.突入第一回目

 今後の状況に大きな影響を与えるであろう、第一回目。


 エルフは何かとテンション上がって突撃しようとするが、流石に今回は慎重に進んでもらいたい。


 どのチームも十分な耐寒耐冷装備を身にまとっているが、いつものカジュアルな船上服と違って、かなりモコモコしている為動きづらそう。


 まあ、やはりここは先陣を切って内部の確認と行きますか!基本は情報収集の予定だが、降りかかる火の粉は当然払うし、後続が進みやすいように相手戦力も無理のない範囲で削って行くつもりでいる。


 なにせ、自分だけは何があっても死なないからね。なんなら死に戻りして情報だけ持って帰ることも視野に入れていかねばな。


 まあ自分はあまり死に戻った事ないし、出来るだけ危険を避けて危なそうならさっさと退いて策戦を練るつもりだけどさ。


 取り合えず、自分を除く突入チームは世界樹様の辺りで待機してもらう。


 地下の溶岩地帯から持ってきた〔火辛子〕を漬けた調味料もいい具合だし、腹でも満たしながら耐寒バフ付けて寒さに耐えてもらおう。


 自分は凍った海を歩いて渡り、東の者が住むケートスのケーちゃんを登る。


 ケーちゃんは毛むくじゃらだが、今は凍った毛先が凶器の様に尖って中々に危険。まあでも自分の<登攀>能力からすれば手ごろな突起だ。


 サクサクとケーちゃんを登り、鼻から潜入。鼻まで凍ってしまっている。


 外から吹き荒ぶ寒風と仄暗い内部、人影が一つ揺れながら立ち尽くしているが、まだ狭い回廊の為避けて通るわけにも行かない。


 <索眼>で確認すれば、あからさまに頭の端に瘤のような物が出っ張っているので、


 フッと一息吐く間に世界樹の剣で瘤を殴り潰す。


 本当にただの瘤だったらごめん!だが、人影が倒れ明らかに邪神の尖兵の煙に変わる時の臭いに逆にほっとする。


 人影が起き上がる様子は無い。ここはまだ入り口に近くて寒いのだが、自分一人で運び出せるものでも無い。申し訳ないがその場に放置して進む。


 狭い回廊を抜け光が足元から差し込む場所を見つけ、その上に立ち光源となってる下を覗き込み確認すれば、下は明らかに大部屋になっていてヒトがわらわらといる。


 流石にいきなりそこに降り立ち単独無双ってのは現実的じゃないか・・・、


 一旦降りずに真っ直ぐ狭く暗い回廊を進む。


 回廊が突き当たり、あからさまな扉が一つ。鍵はかかっているようだが、自分の銃の能力()()()・・・一部オブジェクト破壊。


 扉が明らかな防弾仕様の鉄扉だったらそれこそ歯も立たないかもしれないが、ここはどうやら木製扉。


 何で生き物の中に木製扉を建て付けちゃうのかは分からないが、木製扉なので鍵の辺りを破壊させてもらう。


 そのまま扉を散弾銃で押し開ければ、中にいたヒトが三人こちらを完全にロックオンしてる。


 そりゃ、派手に扉の鍵を破壊すれば当たり前か!


 まだ距離のあるうちに散弾銃を乱射すれば、うまい事二人凍り付いてくれたので、残り一人を剣で相手取り、膝裏の瘤を潰す。


 よくよく見ればこの部屋はランプだが一応明かりがあるので、まあまあ見える。


 凍った二人も体の一部に明らかな邪神の尖兵の核がくっつているので、一撃で潰し皆倒れて動かない。


 面倒だがさっきの入り口近くにいたヒトも引きずって来てこの部屋に寝かせておく。さっきまでよりは温かいだろう。


 倒れているところ申し訳ないが持ち物をある程度物色させてもらう。この先の鍵でも持っていてくれれば、わざわざ破壊してばれることも無い筈だ。


 ・・・残念ながら持ち物は日用品ばかりだったので、そのままにしておく。


 ここはもしかしたら外と繋がっている鼻部の詰め所かなんかかな?


 でもそうなるとケーちゃんの鼻から入ってくる水なんかはどうなるのだろうか?


 ・・・まあいいや、考え事しているうちにも時間がかかるし、自分に何かあったのかと強引な突入をされても困る。ここはもう少し進んでおこう。


 奥の扉の先もまた細い回廊、左手には上に登る階段があるが上は多分脳方面、しかし前情報ではまだ進むには鍵が足りない筈。


 となると必然的に進むのは右手奥、そっちは下り階段だ。


 目指すべきはどう考えてもそっち、なにせ今の状態だとあの針のように尖ったケーちゃんの毛を登れるエルフはいないだろう。


 現状どうなるか分からないが出来ればケーちゃんの口を開かねば、自分一人でケーちゃん攻略と言う事になる。いや無理でしょ!この巨体にワラワラいるであろう邪神の尖兵に取り憑かれた東の者を倒すの?一人で?おかしいって!


 どこに敵がいるとも分からない状態で、そろそろと階段を下り、下の階の回廊に出るも誰もいない。


 真っ直ぐと回廊を進む・・・一瞬目の端に黒いものが映り、飛びのくと壁の隙間から四本足の生き物が這い出してきて、こちらに襲い掛かってくる。


 さっきまでのヒト型よりかなりスピードが速いが、狭い回廊で助かった。散弾銃を撃って生き物を吹き飛ばす。


 そのまま床に転がり凍りついたので、腹についた邪神の尖兵の核を破壊、纏った黒い不定形の邪神の尖兵が蒸発して消えると、犬が一匹転がっていた。


 犬顔のケーちゃんの中でも犬が飼われてるのかね?


 取りあえず、犬が出てきた部屋を覗き込めば、ヒト型が一体佇んでいるので、隙間から散弾銃を打ち込み凍らせる。


 部屋の扉を見つけて入り込みヒト型にとどめをさし、部屋内を確認すればちょっと座れるように椅子があったり、簡単な煮炊きも出来そう。


 温かいスープを作り、啜りながら小休止。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 海外では、斧をマスターキーと言うらしいし、 この銃も似たようなものですかね(笑)
[一言] >何で生き物の中に木製扉を建て付けちゃうのか ゲーム的な理由抜きだと鉄製だと重いし錆びるやん?と思ったんですかね? 時間がかかると突撃してくるエルフイベント 口が閉じてたら入れないで外で騒…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ