527.性能試験
折角作った制服は何か皆から駄目出しされ放題だったので、諸々足りない装備を任せて【訓練】なんだけど、
世界樹の剣の性能実験と言う事で、皆の期待を一身に集めてしまって非常にしんどい。
まあでも避けて通れる物でも無いし、やりましょう!
この世界樹の剣、見た目はどう見ても鉄剣なのに<木剣>扱いらしい、木製武器は術関連が得意だとも聞いている。
つまり、いつもの様にブロック出来る武器と言うよりは術の媒介にしたほうがいいのだろう。
まあ、おしなべてブロックは駄目って事では無いだろうけど、木の防具は防御力低めよな。布服の次くらい?
でも金属の性質を持たせてるとも聞いてるのよね。普通の木剣とは違うんだろうなやっぱり世界樹の剣だもの・・・伝説の武器としか思えないんだが?
そんなこんな考え事に耽っているうちに【訓練】用の船に到着。
「さて、何から試していく?皆世界樹様の剣と聞いて高まってるからな。どんどんやって行くぞ!」
「取り合えずブロックから試したいんだけど。自分の剣の扱いとなるとそこが主体になる所あるし」
と、言うわけで最初の相手は銀髪エルフから。二丁拳銃の乱射と跳弾による多角的攻撃が得意で、尚且つ反射神経がよく、距離を詰めて戦える。
自分は世界樹の剣の性能実験なので、銃は抜かない。
5、6歩の距離をあけて対峙し、銀髪エルフが抜く瞬間を待つ。銀髪エルフは抜き打ちの早さも特徴的だよな~。いきなり撃ってくるもん。いいもの持ってるのにまだ甘い。
殺気に合わせてブロック。抜ける衝撃はまあまあって所、思ったほど喰らわないが愛剣の安心感には及ばない感じだ。
でも、結構馴染むな。なんでだろ?一時の霊鳥の加護とか霊亀の加護の時みたいな借り物感のある負担を感じない。
無理やり力を押し付けられる感じじゃなくて、自分に出来る範囲に合わせてくれる感じ・・・これが世界樹様の優しさ?
でも、受ける時はもう少し重くてもいいかな~・・・重くなるし!ナニコレ!自分が思うだけで合わせてくれるの?
殺気のラインに合わせる時は軽く、受ける瞬間は重いって、なんじゃこりゃ!
その後も銀髪エルフがどんどんペースを上げて乱射してくるが、めっちゃ体が軽い。
そこに長距離射撃が飛んできたのを頭だけ傾けて避ける。
自分の余裕を見てスナイパーエルフが配置に付いたか・・・元々の遠距離からの攻撃の有利に加えて最近では仲間の動きを見て攻撃タイミングがかなりいやらしくなってきた。
ポジション取りもいいし、気配を消すのが上手くなったので攻撃角度が読みづらいのもいい!
しかし、今はなんだか絶好調の自分には物足りない。
ちっとギア上げて行きますか!
氷剣術 凍牙
うん、問題なく使えた。そりゃね世界樹様ってちょっと尋常じゃない冷気発する存在だからね。相性いいのかもしれない。
しかも、冷気を纏った状態で受けると更に貫通するダメージが少ないわ。これが耐性も上がってるって事か・・・。
そこから姫毛カールも参戦、一つづつはそこまでの怖さが無いが、色々と手を変えてくる上にヒトを率いれるので、全体の能力が高まる。
自我を抑えて周りを生かす方向にシフトした事で、本当にやりづらい。銀髪エルフの攻撃の隙間を埋めるように、爆発や射撃を使用。
もし自分が攻撃側で範囲攻撃で雑に牽制すれば盾で仲間を守る。単独で当たらず、必ず連携をとる上手さで徐々に苦しくなってきたけど、まだまだ!
はい!遂に出て来ました!エリーゼ様!
もうね、ガトリングは反則なのよ。ブロックじゃ無理だから避けるしかないのよ。でも世界樹の剣の性能実験だからな~。
うん・・・?弾く分にはいけるな。完全に守る必要ないな弾いて急所だけは避ける。世界樹の剣の回復力が上乗せされた自分の自然治癒力だけで、そこまで深刻なダメージにはならない。
合間にスナイパーエルフのスナイプ、いやらしい角度からの銀髪エルフの跳弾。
でも、余裕がある自分には十分対応可能。
そろそろ攻め時かなと踏み出してみれば、ベテラン勢が動き出したぞ?
うしうし、一息に距離を詰めると<疾走>を使ってるわけでも無いのにスピードがのる。
自分でもちょっとタイミングを外しちゃって剣を振る間がなくなっちゃったので、剣の柄で姫毛カールを小突いて突き放す。
間合いを取る様に避けた銀髪エルフを追い込んで、腕を<掴み>からの、
気脈術 冷気
動きを止めて、次はエリーゼ様という所で、フードコートの支配人のフライパン攻撃!
これは転がって避ける。当たったら海に落とされるの確定攻撃なんでね。もう殺気だけで冷や汗が出るのよ・・・。
片目の市場の代表がサーベルを振ってきた所をブロック硬直、しかし追撃を許さないように別のベテランの銛が飛んでくる。
避けたところにエリーゼ様のガトリング、空中に逃げるしかないので<跳躍>を使用。
氷剣術 纏霧
視界を潰しながら散弾銃を引き抜き、
武技 反動滞空
体勢を立て直して、集団相手に向かって行く。
いや、なんかもう絶好調!ぜっこ~~うちょ~!