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523.世界樹の根を持って帰る

 ぼけっと空を眺めて休憩中。


 やっぱり、範囲デバフがかなり強力になってる印象だ。それこそ死と再生の蛇の病毒から範囲デバフ使いはいたけども、


 最近の敵はプレイヤーが対応できるのを前提にデバフのえぐさも増している気がする。


 あれかな、大型アップデート前の大ボスは士気関連を鍛えないと戦えなかったけど、


 それに対応できるプレイヤーが増えたから次の難易度として、デバフ使いの魔物が増えたのかな~。


 完全にたまたまだけど氷精をガッツリ上げておいて正解だったな。アクセサリーも耐性増やしたし、運が良かったな。


 氷精と言えば、陰精ってどうやって高めたらいいんだろう?


 根住は勿論なんだけど、陰気の回復力も高めたい。生命力と精神力両方同時に回復できてダメージも与えられる。


 大ダメージって訳にはいかないが、使い勝手が良い事この上ないんだよな~。


 陰精武器とか作ってもらえないかな。斬れば斬るほど吸収するとか剣聖の弟子の村雅って言う例もあるし、作れない事も無いんじゃないか?


 他の精霊術も使いたい気持ちは無くは無いが、氷精特盛りにしてるし他の精霊術まで盛るのが大変そうってのが正直な所なんだよね。


 土精で腕輪作ろうとしてはいるけど、これは生命力と精神力の最大値を上げたいから仕方なし。


 そんな事をとりとめも無く考えていたら、エルフ達が水中から世界樹の根っこを引き上げていた。


 ヒトデに侵食されて、結構ボロボロになっている部分を引き上げた様だが、大きすぎるので引っ張って行くらしい。


 「ふむ、結局隊長に任せてしまったな」


 「いや、エリーゼ様。100人全員の力を合わせなきゃいけないのに、初手で大半が戦闘不能に陥っちゃいましたから、仕方ないですよ」


 「ふむ、どうしたら良かったのだろうな・・・」


 「<戦陣術>が残ってたら密集隊形から 岩陣 なんだけど、皆が動けなくなるほどマイナス効果が強かったから、そこの対応だよね」


 「うむ、やはり・・・」


 「【訓練】しかないでしょう。せめて<融力術>を発動出来る様にならないと、先が無いですよ」


 「そうだな!帰りの合間に新たな【訓練】メニューを考えておこう!」


 エリーゼ様も気合入った事だし、自分ももう少し考えねばな。


 相手は邪神の尖兵・・・の予定。苦戦しかねない相手だ。


 しかも、正気を失ってる東のヒトも襲ってくる可能性がある。これは厳しい戦いになるのでは?


 いつの間にか作ってもらったお刺身で古酒を飲み始めたら、何か気持ちよくなってきた。


 戦闘艦の甲板で風に当たりながら飲むお酒も趣がある。


 そしてそうやって完全に気を抜いてる時に、大体困った事がおきるものだ。


 いつからか船の速度が落ちてるような気がしてた。


 そして、エルフ達が戦闘艦の後ろに集まってわいわい騒いでる。


 ヒト混みとかそういうところに混ざるのって好きじゃないって言うかストレスなんだけど、一応責任者だしと思って、


 自分も船の後方を確認・・・、


 いつの間にか引っ張っていた世界樹の根に魔物が群がってきていた。


 一匹のイルカ?にしては随分攻撃的な顔つきの魚と哺乳類の中間の様な魔物が怪しげな動きをみせるのと同時に、


融力術 鼓舞


 ダメージの無い衝撃に士気低下攻撃だったと予想が当たってほっとする。士気低下を中和しつつ、さらに<融力術>の方が格が上だったのか、士気も上昇した。


 相手はユニオン級3匹とレギオン級1匹!大ピーンチ!


 「隊長!こうなっては後先考えている暇無いぞ!術を使ってくれ!」


 「分かった。慎重にとか言ってる場合じゃないね!」


融力術 凍


 取り合えず一番得意な氷精で行く。


 古の【巫士】様は太陽を呼んだらしいが、自分は真白い霧を呼んだみたい?一気に周囲の気温が下がり、視界いっぱい真っ白に変わってしまった。


 エルフ達はがたがた震えながら口から白い息を吐き出し、魔物は凍る海に嵌って動けない。


 魔物達が動けない間に船だけはどんどん進み、魔物を置いていく。


 うーん・・・、術の効果は分かったような分からなかったような・・・。


 魔物とも戦えなかったし、どうしたもんだか。


 「えっと・・・皆大丈夫?」


 「いぃぃいや、ささ寒過ぎるぞ」


 「氷精だし寒いのは当然として、耐性付いてるよね?それでも駄目?」


 「ぜぜ全然・・・だっ駄目だ」


 ん~こりゃ何か考えないと駄目だぞ・・・雷精羊の毛か!


 天上エルフは海に潜る所為か皆薄着だし、ここは雷精羊の毛でマフラーでも編むしか!


 うん、偶々だけど一回使ってみてよかった。


 効果は抜群だけど、リスクもデカイって事。


 その後は世界樹の根に群がられる事も無く、水上要塞に帰れた。


 皆はよっぽど寒かったのか、鍋食ってたよ。


 自分は凍った刺身を炙って食べながら、ぬる燗で一杯。

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[一言] >「そうだな!帰りの合間に新たな【訓練】メニューを考えておこう!」 鬼!悪魔!エリーゼ様!
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